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【ダッカ人質事件】
イスラム国、アジアにも触手 シリアなどでの劣勢でテロ戦術に傾斜
2014年にはインドネシアの過激組織「ジェマ・イスラミア」(JI)の精神的指導者、アブ・バカル・バシル受刑者が獄中でISに忠誠を誓うなど組織的にISとの連携を図るケースも目立つ。中東で戦闘技術を身に付けた戦闘員が母国でこうした組織に合流し、テロや反政府闘争を活発化させる懸念も大きい。
ISはオンライン機関誌などを通じ、アジアで日本などの在外公館を標的としたテロも呼び掛けている。
14年夏に「建国」を一方的に宣言したISは、イラク西部アンバール県や北部モスル、シリア北部ラッカを中心に支配領域を拡大させ、疑似的な行政機構も整備。ISへの“移住”を促して域内外から戦闘員を集めることにも成功した。
しかし昨年以降は、米主導の有志連合の空爆やイラク軍の攻勢などで軍事的には後退した。このため最近は、支配領域外の都市でのテロや、欧米など遠隔地の共鳴者に呼び掛けてテロを敢行させる戦略にシフトしつつあると指摘される。