明美譚の真・裏設定
気づいている方も多くいらっしゃいますが、明美譚のストーリーは聖書が元ネタとなっています。
まず、参考にした聖書の話を簡単に説明します。
人間は、元々死ぬことの無い生き物だった。しかし、最初の人間アダムとエバが
神から食べることを禁じられた木の実を食べてしまい、その罪によって人間は死ぬ生き物となってしまう。
神の子であるイエスキリストは、人の罪を取り除くため人間となって地上にやってくる。
そして、人の罪を自分の身体に移して十字架で死ぬことによって、人間を救った。
その3日後、イエスは復活して弟子達の前に現れる。
イエスは弟子達としばらく過ごした後、父である神の元に帰って行った。
・明美
明美はイエスを表したものだという事がわかると思います。
明美は海老子の母親を助けたり、怪物になった海老子を元に戻したりしました。
これは、イエスが死人を復活させたり、悪霊にとりつかれた人から悪霊を追い出したりした
シーンが元になっています。怪物になった海老子が助けられるシーンは、聖書に出てくる
悪霊「レギオン」の話が元になっています。レギオンの話はマルコによる福音書五章に書かれています。
また、明美が海老子と霜子を親友と呼ぶシーンがありますが、これもイエスのセリフが元です。
ヨハネによる福音書15章15節〜
『もはや、わたしはあなたがたを僕とは呼ばない。僕は主人が何をしているか知らないからである。
わたしはあなたがたを友と呼ぶ。父から聞いたことをすべてあなたがたに知らせたからである。』
明美が捕まる前、「とても悲しいの」「しばらく私の傍に居て」というシーンがあります。
これも聖書の話が元になっています。
マルコによる福音書14章32節〜
『一同がゲツセマネという所に来ると、イエスは弟子たちに、「わたしが祈っている間、ここに座っていなさい」と言われた。
そして、ペトロ、ヤコブ、ヨハネを伴われたが、イエスはひどく恐れてもだえ始め、
彼らに言われた。「わたしは死ぬばかりに悲しい。ここを離れず、目を覚ましていなさい。」』
マルコによる福音書14章41節〜
『イエスは三度目に戻って来て言われた。「あなたがたはまだ眠っている。休んでいる。もうこれでいい。
時が来た。人の子は罪人たちの手に引き渡される。立て、行こう。見よ、わたしを裏切る者が来た。」』
最後に明美が復活して帰る時、「また会える」と言いますが、これはイエスの再臨の予言が元になっています。
・白髪の女
白髪の女は聖書でのサタン(ルシファー)が元です。
サタンは堕天使と言われているとおり、元々神に仕える天使でしたが、神に反逆して天から追放されます。
同じように白髪の女も元々明美の家政婦でしたが、明美に反逆します。
ちなみに、白髪の女の姉としてミカエル的な立場のキャラも出したかったのですが、話がややこしくなると
思ってやめました。
エバはサタンに騙されて木の実を食べてしまいます。海老子が白髪の女に騙され供え物を食べてしまった設定は
これが元になっています。
・悠太
彼はユダが元ネタです。ユウタ…ユウダ…ユダ(激寒)
ユダはイエスの弟子でしたが、イエスを殺そうとしている人たちに金でイエスを売ってしまいます。
結果、イエスは捕まり十字架で死にます。ユダは無実の人を売ったことを後悔して首を吊って死にました。
ルカによる福音書22章3節〜
『しかし、十二人の中の一人で、イスカリオテと呼ばれるユダの中に、サタンが入った。ユダは祭司長たちや
神殿守衛長たちのもとに行き、どのようにしてイエスを引き渡そうかと相談をもちかけた。』
つまり、悠太があのような行動に出たのは、白髪の女の手が加わっていたからでもあるのです。
・霜子
霜ン・ペテロ(激寒)
・茂美
茂美の写真で、茂美が本を持っています。この本はよく見ると黄色く光っています。
茂美の持っている本は聖書を象徴しているもので、彼女が明美の味方であることを表しています。
裏設定で彼女は明美に味方したため、ひどいめに遭ってしまいます。
彼女の立ち位置は、聖書での預言者です。
マタイによる福音書5章11節〜
『わたしのためにののしられ、迫害され、身に覚えのないことであらゆる悪口を浴びせられるとき、あなたがたは幸いである。
喜びなさい。大いに喜びなさい。天には大きな報いがある。あなたがたより前の預言者たちも、同じように迫害されたのである。』
注意:以下「スクッテーおまけ」のネタバレあり
茂美はスクッテーおまけの登場人物です。ラストに出てくる巨大な犬がいますが、あの犬の正体は明美です。
「私は既に死んだ者だか、同時に生きたものでもある」
と犬が言ったのは、一度は殺されたけれど、生き返って現在も生きているという意味です。
茂美が行方不明になったのは明美が殺される前の話ですが、茂美がその言葉で犬の正体に気が付いた理由は、
彼女が預言者だからです。つまり、茂美は最初から明美譚の結末を知っていた人物だったのです。