全斗煥(チョン・ドゥファン)元大統領(85)の次男・在庸(ジェヨン)氏(52)と、妻の弟イ・チャンソク氏(65)が、脱税行為でそれぞれ40億ウォン(約3億5600万円)の罰金刑を言い渡されながら、その一部しか納付しなかったため、労役場に留置された。労役場留置とは、身柄を拘束された状態で、支払えなかった罰金の額に見合った労役に従事する制度だ。
ソウル中央地検は1日、「全在庸氏とイ・チャンソク氏を、午前8時ごろ、ソウル拘置所の労役場に留置した」と発表した。検察の関係者は「両氏が約束した罰金の分納期間(今年1-6月)を経過し、今後残りの額を納付する可能性がほとんどないと判断した」と説明した。
27億ウォン(約2億4000万円)の脱税の共犯として起訴された在庸氏とチャンソク氏は昨年、大法院(日本の最高裁判所に相当)で有罪が確定した。大法院は当時、執行猶予付きの判決を下すとともに、両氏にそれぞれ罰金40億ウォンの納付を命じたが、罰金を納付できない場合は1日400万ウォン(約36万円)に換算して労役場に留置することとした。
在庸氏はこれまで、40億ウォンのうち1億4000万ウォン(約1250万円)を納付し、未納分は38億6000万ウォン(約3億4400万円)となっていた。このため、1日400万ウォンに換算すると、965日間労役に従事しなければならないことになる。
当初逮捕・起訴されたチャンソク氏は、在庸氏よりも少ない5050万ウォン(約450万円)しか納付していなかった。だが、身柄を拘束された期間(130日)を労役場留置と同等と見なし、未納分は34億2950万ウォン(約3億530万円)とされた。これにより、チャンソク氏は今後、857日間労役に従事することになる。
労役場では午前6時に起床し、7時に朝食を取った後、9時から労役に従事する。正午から午後1時は昼休みで、1時から5時までは再び労役に従事する。だが、在庸氏らが労役を拒否した場合、強制的に作業をさせることをできない。これは法律で禁止されている。