国の発展のために・・・ 犠牲者7人の思いは

国の発展のために・・・ 犠牲者7人の思いは
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バングラデシュで起きた人質事件で亡くなった7人はJICAから請け負った事業に共同で取り組み、道路や鉄道網の整備など新たな交通システムの導入に向け事前調査に携わっていたということです。
犠牲者のひとり、田中宏さん。旧国鉄、今のJRや日立製作所で技術者として鉄道技術の開発などに取り組んだあと、国内外で鉄道事業などの相談業務に携わっていたということです。
横浜市にある田中さんの自宅前で、弟の隆さん(72)が取材に応じました。隆さんは「温厚な人で私にとって尊敬できる兄でした。日本を離れる前に兄はバングラデシュのために働きたいと言っていました。テロの犠牲になって本当に無念です」と話していました。

田中宏さん(80)

犠牲者のひとり、田中宏さん。旧国鉄、今のJRや日立製作所で技術者として鉄道技術の開発などに取り組んだあと、国内外で鉄道事業などの相談業務に携わっていたということです。
横浜市にある田中さんの自宅前で、弟の隆さん(72)が取材に応じました。隆さんは「温厚な人で私にとって尊敬できる兄でした。日本を離れる前に兄はバングラデシュのために働きたいと言っていました。テロの犠牲になって本当に無念です」と話していました。

岡村誠さん(32)

岡村誠さんは、大学院で交通工学を専攻し、アジアの各国をたびたび訪れて交通渋滞の解消などに関する仕事に携わっていました。岡村さんは、都内に住む女性と婚約し、結婚を控えていました。
3日朝、両親が取材に応じました。母親のふみえさん(68)は「私たち親よりも先に死んでしまったことが悲しくてならない。小さいころから手がかからず、親ばかだとは思うがとてもよい子だった」と話していました。

酒井夕子さん(42)

酒井夕子さんは、途上国のインフラ整備事業などに携わってきました。4年前には同僚とともにタイの首都バンコクで鉄道や道路の混雑のほか、沿線の開発状況などを調査して報告書にまとめています。
酒井さんの知人の美容師は「これまでも仕事で訪れたさまざまな国の生活の様子などを教えてもらったりしていたので事件の知らせに驚いている。笑顔がとてもすてきな人で、まさに“仕事ができる女性”という印象で輝いて見えた」と話していました。

下平瑠衣さん(27)

東京工業大学の出身の下平瑠衣さんは、コンサルタントとして今回の事業に参加していました。ビジネス向けの交流サイトにはこれまでJICAなどでインターンとして勤務していたと書かれています。

黒崎信博さん(48)

黒崎信博さんは、芝浦工業大学を卒業後、現在の会社に入社。橋や地下歩道の設計に携わり、海外での事業に意欲を示していました。

小笠原公洋さん(56)

小笠原公洋さんは、エンジニアとして今回の事業に参加していました。小笠原さんは4年前、JICAが手がけたアフリカ・ケニアでの高速道路建設事業に参加。事業がイギリスの業界の専門誌に取り上げられた際、「地域の環境に配慮して建設をすすめる」という趣旨のコメントを寄せています。

このほか、橋本秀樹(65)さんが今回の事件で亡くなりました。