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貴族のお坊ちゃんだけど、世界平和のために勇者のヒロインを奪います 作者:大沢 雅紀
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シャツとモモヒキ

パーティ会場は一気に騒然となる。
魔法がまともに当たったイーグルはも、ゆっくりとその場に崩れ落ちた。
「イーグル様!貴様たち!」
あわてて警護していた騎士がイーグルを助けようとするが、魔法の威力に近づけない。
(ははは、無駄だ。属性の違う魔法を一度にくらったんだ!これでしぶとい爺も……)
思わずニヤリとしそうになる王だったが、必死に表情を取りつくろう。
「そのもの達は忠誠心厚い宰相を害した反逆者だ!殺せ!」
周りの騎士に命令する。
「はっ!」
騎士団長ゴウライの命令により、警護していた騎士たちがテロを起こした貴族に殺到する。
「そ、そんな!」
「我々は王の命により、逆臣を……」
反逆した貴族たちが必死に喚くが、騎士たちの雄たけびにかき消される。
あっという間に悲鳴に変わり、やがてすべての貴族は物言わぬ死体と成り果てていた。
(これでいい。邪魔な爺も死に、この計画を知っていた騎士や貴族もすべて死んだ。ふん、最後に勝つのは国王なのさ)
腹の中でせせら笑うルイ17世だったが、その顔が驚きに染まる。
地面に倒れていたイーグルが、ゆっくりと立ち上がったからであった。
「じ、爺?」
「陛下、ご心配をかけましたな」
平然とそういうイーグルの着ていた豪華な礼服が、ボロボロになって落ちる。
その下から、銀色に輝くシャツとモモヒキが現れた。
「い、いや、無事でよかった」
「……このような服では、失礼にあたりますな。今日のところはこれで退出させていただきます」
下着姿で堂々と一礼し、パーティ会場を後にする。
王をはじめとした貴族や騎士たちは、あつけにとられて見送るのだった。
(やれやれ、危ないところじゃったわい)
王城から出て自分の馬車に乗ったイーグルは、冷たい汗をぬぐう。
「まさか王が主催するパーティ会場でこのようなことが起きるとは。いよいよこの国の終わりも近づいてきたか」
馬車の中で独り言をいいながら、ため息をつく。
「リトネは勇者が王になったせいで世界が破滅するといっておったが……その下地は充分にあったというわけじゃ。そろそろ、ワシらも自立を考えたほうがよいのかもしれん。王が家臣を使って宰相の暗殺を図るとは……情けない」
死んだふりをして様子を伺っていたイーグルは、自分を殺そうとした貴族の最後の言葉もちゃんと聴いており、今回の事件の黒幕が王であることも知っていた。
「……まあ、報復はさせてもらうがな」
黒い笑みを浮かべるイーグルは、馬車に命じて後宮のほうに向かわせた。
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