「支持したい政党がない」への処方箋

写真/時事通信社

 選んではいけない最低の選択肢というものがある。

 さしずめ、イギリスのEU離脱などは、その典型だろう。国民投票の結果が出た直後から、世界中の金融市場は大混乱となり、残留コストをはるかに上回る国富が失われた。スコットランドや北部アイルランドまで、連合王国からの離脱を示唆し出す始末。果ては、「国民投票のやり直し」を求める請願には数百万の署名が集まりつつあるという。離脱の是非そのものは問うまい。イギリスの有権者が判断すれば良いことだ。しかしやはりこうした顛末を見れば、イギリスの民主主義が示したドタバタ劇には、失笑を禁じえない。

 長らくイギリスの民主主義は、我が国の民主主義にとって、お手本のような存在であった。昭和憲法の規定する議院内閣制は、多分にイギリスのそれを意識したものだし、90年代の我が国が朝野をあげて熱狂し、小選挙区制の導入という結果を生んだ「政治改革」なるものの議論では、常に、「イギリスの民主主義」が引き合いに出された。

次ページ「支持したい政党がない」ときの心構え


日本会議の研究

「右傾化」の淵源はどこなのか?「日本会議」とは何なのか?

この記者の記事一覧

※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社扶桑社は一切の責任を負いません

ドル円は103円台まで回復し4営業日続伸

昨日のドル円は102.890円で取引を開始した後、前日の海外市場で進んだ株高の流れを受け継ぎ早朝の取引において、103.01円近辺をつけるまでドル買いが進みました。東京市場においては、日経平均株価が寄り付きで200円超の上昇となったものの、月末要因に絡んだフローに押されじりじり値を下げる展… [続きを読む]