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離脱派リーダー不出馬 5人が立候補 

ジョンソン前ロンドン市長=AP

 【ロンドン矢野純一】英国の与党・保守党党首のキャメロン首相の辞意表明に伴う次期党首選で、候補者の受け付けが6月30日正午(日本時間午後8時)に締め切られ、5人が立候補を表明した。党は首相を務める次期党首を9月9日に選出する。難航が予想される欧州連合(EU)との離脱交渉や、離脱・残留に二分した党内をまとめ上げる力量が問われる。離脱派のリーダーで出馬が有力視されていた前ロンドン市長のボリス・ジョンソン氏(52)は、立候補の締め切り直前に「党内の結束」が重要だとして不出馬を表明、英政界の混迷が深まった。

     党首選には離脱派から3人、残留派から2人が出馬した。残留派でキャメロン氏の後継と位置づけられているテリーザ・メイ内相(59)と、出馬を見送ったジョンソン氏とともに離脱運動を主導してきたマイケル・ゴーブ司法相(48)を軸にした争いが展開されるとみられる。

     メイ内相は、キャメロン氏の事実上の後継として出馬した。国民投票を巡っては、運動開始の直前に残留支持を表明。運動期間中に、メディアに登場して残留を強く呼びかけるなどの積極的な運動はしていなかったため、逆に離脱派をまとめ上げることができるとの見方も出ている。出馬表明演説でも「国民と党の結束が重要」と強調した。

     ゴーブ氏はジョンソン氏と二人三脚で離脱運動を主導。国民投票直後には「ジョンソン氏を支える」と明言していたが、30日に一転して「ジョンソン氏では指導力を発揮できない」として出馬を宣言した。ジョンソン氏を支援していた保守党下院議員は英BBCに対し「ゴーブ氏からEUとの交渉チームの代表か主要閣僚の座を要求されたジョンソン氏が、要求を断った」と明かした。2人の間に亀裂が走り、議員内での支持が少ないジョンソン氏が出馬を断念したとみられる。

     ダークホース的な存在は残留派のスティーブン・クラブ雇用・年金相(43)だ。過去の保守党党首選では、事前に名前が挙がっていない候補者が急浮上するケースが多い。キャメロン氏も2005年に選出された際は、党外ではほぼ無名の存在だった。クラブ氏は母の手一つで育てられ、生活保護を受けていた労働者階級の出身。「党内の人望も厚い」(地元メディア政治部記者)という。

     このほか、いずれも離脱派のリアム・フォックス元国防相(54)、エネルギー相のアンドレア・リードサム氏(53)が出馬した。

     不出馬を宣言したジョンソン氏は08年から今年5月まで務めたロンドン市長時代の手腕が高く評価されていた。国民の間では人気が高いが、党内では人望がないとの評もある。

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