Categorized | Book, テキトー

岩波文庫を棚買いした話 lemonade_air

Posted on 02 7月 2016 by

酒を飲んだ後に書店に行くのが好きだ。飲み会の帰り道に深夜営業の書店に立ち寄り、好きな本を購入することが出来るのは都市生活における贅沢の一つだと思っている。郊外の場合は書店まで自動車の移動が必要で、飲んだ後気軽に出向くことができない。私が都市に住み続ける少ない理由の一つだ。

最近、雑誌を読みながら家で酒を飲んでいる際に「自分の普段読まない本もまとめて買っておけば、自宅にいながらにして書店に来た気分が味わえるんじゃないだろうか」という馬鹿なことを思いつき、岩波書店のお客様相談室にメールをしてみた。

「こんにちは。「岩波文庫」で現在販売されている(目録にある)自然科学のジャンルを全て購入したいのですが、直接岩波書店様から購入することは可能ですか? 全45冊、34,420円と計算しているのですが、カードでも振込みでも構いません。」

数日後、お客様相談室から返信があった。

「文庫の自然科学書のご注文ありがとうございます。早速小社の在庫と引き合わせて計算をいたしました。現在該当する文庫は仰せの通り45冊です。また、その本体価格合計は、35,780円となっております。何分、大きな荷物の出庫となりますので、倉庫への出庫指示はご入金確認後に可能なシステムです。先に請求書・振込用紙をお送りさせていただきますので、ご入金をどうぞよろしくお願い申し上げます。」

値は張るが買えない金額ではない。請求書と振込書を送ってもらい購入手続きを進める。届いた請求書には、岩波文庫を模したミニノートが同封されていた。また驚いたことに、担当してくださった方からの手紙もあった。嬉しい。

IMG_1394

あまりこうした購入をする人はいないようで、発送時点の連絡で担当の方から、

「岩波文庫の自然科学系ラインナップ全部というご注文は大変に珍しくて、非常にうれしく手続きをさせていただきました。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。」

という返信を頂いた。私の身近にも自然科学系の本をまとめ買いする人はいない。
その本が先ほど届く。壮観である。

IMG_1387

IMG_1388

届いた本から帯を外し(本の帯があまり好きではなく、購入するとすぐに捨ててしまう)、短冊状の売り上げカードを外すと結構な枚数となる。これだけでも普通ではない感じがして良い。

IMG_1392

IMG_1389

どこかのミュージシャンがCDを棚買いする話を聞いたことがあるけれど、本を棚買いっていうのも趣がある。帯を並べてみると「ビジネスリーダーが勧める岩波文庫」が多かった。本の種類に偏りがあるためだろうか、それとも全体の読者層に訴えかけやすいコピーなのだろうか、何れにしても興味深い。

IMG_1391

私は2015年春の帯紙がとても気に入った。薄手の紙で触り心地が良い。他のツルツルした帯よりずっと好感が持てる。

以前、雑誌「図書」にあった誰かのコラムで「昔は岩波文庫をポケットに忍ばせておくとモテた(かなり誤解のある解釈)」という記述を見たことがある。では仮に棚買いするとどのような結果が生まれるであろうか。自明である。女子が「だいしゅきー」と寄ってくるに違いない。その下心が購入へのモチベーションを支えてくれたことを加筆せねばならないだろう。あとはモテるだけだ。

Name:
Profile: No, I am sheep driver.

Notebook, Pen, Traveler's Notebook

New! 明滅する今

Written by:

三次元に結晶した四次元世界断面 瞼は世界の明滅に同期しすぎる為 今でない今を知ることができない 世界の屈折率は予測不能であるが 入射角と反射角とは 等しいので  視線が合えば像を結ぶかもしれぬ 身体が合えば旅立てるかもし […]

Continue Reading

Inspiration, Moleskine, Notebook, Recommend, Think, 世界の果て

New! ゾウがいる海を手で漕いで進む。検索せずに。

Written by:

今、わたし、短篇エッセイの『トリエステの坂道』(須賀敦子)を読んでいるのですが。 1編読んでは2編戻って読み直す、というくらい素晴らしいです。 なんて言うのだろう、著者の須賀さんは、60年代からヨーロッパへ留学して、本を […]

Continue Reading

Notebook, 研究

New! 横罫線の歴史を知って,横罫線嫌いを卒業しよう!(として失敗した話)

Written by:

※はじめにお断り申し上げます※ 卒業しよう!と張り切って調べて書いてみたけど,結局,「横罫線の用途を考えると,現在においてあまり積極的に使う場面はない」という結論にたどり着きました.時間が大量にある人は,下を見てください […]

Continue Reading

Book, テキトー

New! 岩波文庫を棚買いした話

Written by:

酒を飲んだ後に書店に行くのが好きだ。飲み会の帰り道に深夜営業の書店に立ち寄り、好きな本を購入することが出来るのは都市生活における贅沢の一つだと思っている。郊外の場合は書店まで自動車の移動が必要で、飲んだ後気軽に出向くこと […]

Continue Reading

calendar

New! July 2016 Calendar

Written by:

★2016年07月のカレンダー ポケット用 http://notebookers.jp/calendar/calendar2016_07.pdf ラージ用 http://notebookers.jp/calendar/c […]

Continue Reading

Moleskine, Notebook

New! ライフログをつける意味を考えてみる1

Written by:

ライフログに使っていたモレスキンが3冊。 今、写真ログをはじめているトラベラーズノートが1冊。 これが、ライフログをつけはじめた私の履歴ともなる。 一年一冊ルールなので、今年で4年目。そうか、4年もそんなことしているのか […]

Continue Reading

Notebook, Traveler's Notebook

ガバッ!としてギュ~ッとしてベタンッ!

Written by:

1 ガバッ! 一本釣りよりも巻き網 養殖よりも断然天然 ここでは質よりも量 2 ギュ~ッ 両手で掬って強く握る 指の隙間からはみ出る その感触が気持ちいい 3 ベタン! 叩きつける(ノートに) 叩きつける(ノートを) シ […]

Continue Reading

Notebook, Other note, 世界の果て

これから紡がれる物語について

Written by:

ルーマニアを離れることになった.と言っても,今年の9月なので,まだ時間は少し残されている. 離れることになった,という言い方は適切ではない.二年契約のお仕事なので,それはもう決まっていたことなのだ. そんなわけで,お別れ […]

Continue Reading

Cafe, Photo

消えゆく思い出の場所

Written by:

京王線府中駅から歩いて数分。 とあるビルの一階に競馬ファンが集まるカフェがあります。 『cafeあおば』 http://cafe-aoba.com 新緑の府中と、店長が好きな馬が勝った青葉賞という重賞レースから店名となっ […]

Continue Reading

Inspiration, Travel, テキトー

【ノートブックがない旅なんてVol.51】人はなぜ、旅に出ると

Written by:

人はなぜ、旅に出るとフルーツサンドを食べたくなるのでしょう。 旅の朝食、フルーツパーラーむらはた(金沢)にて。 一口ほおばると笑みがこぼれる、しあわせな味でした。 熱にうなされながら、旅の余韻に浸るのであります。 ——— […]

Continue Reading

Custom, Moleskine, Notebook, Recommend

最近のノートはこんな感じ

Written by:

プレーンモレスキン is フリーダム 仕事もプライベートもごちゃまぜ日記。 日付印と、仕事案件シール・仕事CLEAR!スタンプがお役立ち。 好きに貼って、好きに横切って。好きに区切って。 書きたい時に書く。 書けない時に […]

Continue Reading

Notebook, Traveler's Notebook

陰画の因果

Written by:

「書く」ことは 「仕分ける」こと 表(書いたこと) / 裏(書いてないこと) だけども世界は いつでも絶対 表裏一体! その粘度に ペン先がしなる ノートがたわむ ノートには 「書いてないこと」も 記されている 例えばボ […]

Continue Reading

Recommend, Travel

高野山に行こうと思った経緯

Written by:

さて、前の投稿で申しました通り、今年の9月に高野山に行くことにしました。今回は、なんで行くことにしたのかをつらつらと書きます。 一人旅の予定でしたが、高野山の魅力を延々と聞かせたところ母が洗脳にかかり、旅の仲間に加わりま […]

Continue Reading

Fasion, Item, Moleskine, MyBag, Recommend, Tool

【EDC】 日常的に使う道具をひとまとめにしよう!眺めて興奮しよう!のコーナー

Written by:

最近ようやくわかってきたんだが、僕は「道具を自分の思い通りに想像した通りに持ち歩く行為フェチ」だと思う。暇さえあれば、この道具はこのように持ち歩くと面白そうだとか、カバンのこの位置にこの道具が付けばよいのになぁとか執拗に […]

Continue Reading

Photos from our Flickr stream

See all photos

Notebookers 部活動

2016年7月
« 6月    
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031