先日、宇野さんにお誘いいただき楽しいイベントに出演させていただきました。
東京のつまらなさについて考える。
テーマは「これからの東京」。パネラーはぼく含め、4人です。
大人気ブログ「まだ東京で消耗してるの?」を主宰し、高知県から東京人をディスり続けるプロブロガーのイケダハヤト氏は、本音で「東京の魅力」を議論するのに欠かせない人物だろう。東京を知りながら、今いちばん地方の魅力を語れる稀有な存在である。
ゼロ年代のギャル男・お兄系ブームをリードしたファッションブランド「VANQUISH(ヴァンキッシュ)」で一大旋風を巻き起こし、ユーザー動向をつぶさに見ることで時代に合わせたファッションを生み出してきた石川涼氏は、街としての東京を見続けてきた偉大な観察者だ。独自の視点で東京、特に渋谷の魅力、そしてストリートの未来を語ってくれるだろう。
独自の切り口で物件を紹介する”東京でいちばんおもしろい不動産メディア”「東京R不動産」を運営するOpen Aの代表である馬場正尊氏は、東京の新しい魅力にまなざしを注ぎ続けてきた人物である。専門的な知識をもって、再開発の別の側面を浮かび上がらせてくれるだろう。
以上の3名に加え、地方を転々とした経験があり、本イベント主催のPLANETS編集長で評論家の宇野常寛。さらに司会には、東京・銀座で生まれ育ち、いまなお自転車で東京の街を走り続けるニッポン放送アナウンサー、「よっぴー」こと吉田尚記氏を迎えた。
新鮮で面白かったのが、ギャル男系ファッションブランド「VANQUISH」の石川さんの東京論。こういう機会でもなければ、なかなかつながるジャンルの人ではありませんから(笑)
渋谷を見続けてきた男は、どのように東京を語るのか?
高知の山奥でワクワクと聞いていたら、その口から出てきたのは「東京は均質化してきている」ということば。
おぉぉ、それ、ぼくも超思ってました!!
均質化していく東京。
東京にかぎらないことですが、あらゆる都市は「似てきている」んですよ。
渋谷も新宿も池袋も、どんどん似てきていると思いません?最近は福岡や大阪中心部も「プチ東京」になってきた印象です。
中心部だけでなく、最近は「郊外」も似てきています。ぼくは横浜市戸塚区出身なのですが、戸塚駅が「プチ武蔵小杉」「プチ二子玉」みたいになっていて驚きました。
ぼくが幼稚園児くらいの頃は、昔はバラック小屋みたいなカオスな商店街があったんですけどねぇ……(引用元)。
なぜ似てくるかといえば、ひとつには、人々が「利便性」を求めるからなのでしょう。
イベントでは「どこにいっても東急ハンズがあるから、他の街に行く理由がなくなった」みたいな話も出ました。たしかに東急ハンズが近くにあれば便利ですが、その繰り返しで、街はどんどん均質になっていきます。
東京はどこ行ってもチェーン店ばかりで、面白くないんですよねぇ……。
規制も増える。
最近のネット炎上もその一種ですが、現代社会は、さまざまな「規制」がはびこっています。
VANQUISHの石川さんは「スクランブル交差点で立ち止まって撮影することが規制されたらマズいと思う」というお話をしていました。ありえる……。
【神奈川県】2016年06月05日 00:00
— 美月 (@hangeki_mizuki) 2016年6月5日
禁止事項だらけの公園事情「もっと自由に遊べる環境が欲しい!」小学生と幼稚園児ら5人が横須賀市議会に訴えるhttps://t.co/5bDEjKQyUq pic.twitter.com/V2VxMslvFK
「東京R不動産」の馬場さんからは、「規制だらけのパブリックスペースが、逆に今いちばん面白い」というお話も。「規制社会」の流れをいかにクリエイティブなものにしていくか。これは東京の大きなテーマになるでしょうねぇ。
まぁ……ぼくはもう、東京はどうしようもないと思っていますが。規制緩和されたところで、コストが高すぎるんでできることに限界があります。結局は何かの焼き直しにしかならないんですよねぇ。
これからは田舎ですよ、田舎。
超プリミティブに言って!田舎なら、自分の独立国家がつくれるのです。
イベント中には、コペンハーゲンにある実験区「クリスチャニア」の話題が出ました。
幸福度ランキング(2013年)世界1位の先進国デンマーク。そんなデンマークの首都コペンハーゲンに「ヒッピーの楽園」と呼ばれるクリスチャニアという地区が存在します。自由な雰囲気が漂うこの場所は、村ともいえるほど小さな町なのにもかかわらず、訪れる年間観光客は50万人(コペンハーゲン全体の人口は約57万人)にのぼります。
こんな場所があるんですねぇ。まさにここは「独立国家」で、独自のルールでコミュニティを運営しているそうな。すげぇ。
東京でクリスチャニアを作るのは、人口密度とか規制的に無理だと思います。
ぼくはそう思うので、田舎に8,000平米くらいの土地を買いまして、楽しいコミュニティを作ろうしているわけですよ!
東京から新しいものを作るのは、ますます難しくなっていきます。
よしんば新しいものができたとしても、それはすぐに情報化され、消費され、コピーされ、埋もれていきます。まさに消耗。
クリエイティブな人は田舎にきて、大きな土地を手に入れるといいと思います。自分のやりたい世界を、実験的に作りましょう。これからは、そういうことしか面白くないんです。