儲かる経済学
自由経済下で参入障壁がない分野では、ほかの業種と際立って儲かるものはない。なぜならば、ある儲かる分野があれば、すぐに参入者が現れ、競争が激化して早晩儲からなくなるからである。それを経済学ではアービトラージ(裁定)と言います。不動産賃貸業も普通のサービス業であり、市場原理に従います。不動産賃貸業はむしろ・参入が自由、・価格競争が激しい、・供給が過剰です。
私は月4-5冊の本を読みますので、著者とタイトルは失念しましたが。(多分中公新書だったと思う)、若手経済学者が書かれた本の(「儲かる経済学」と言ったタイトルだったと思います)要旨をご紹介したいと思います。
それは「自由経済下で参入障壁がない分野では、ほかの業種と際立って儲かるものはない。なぜならば、ある儲かる分野があれば、すぐに参入者が現れ、競争が激化して早晩儲からなくなるからである。それを経済学ではアービトラージ(裁定)と言う」。
著者の経済学者は、商売柄「今はどのような業種が儲かりますか」という質問が頻繁に寄せられてうんざりしていたのだと思います。まれに、きわめて参入が難しく、価格競争が制度上起こりえない分野でガッポガッポ儲かる状態が比較的長期間続くケースもあります。
たとえば眼科開業医の「白内障バブル」などが該当します。1990年に、それまで自由診療だった白内障手術が保険診療で認可されました。その後の技術革新で手術時間の短縮化が実現し、一日あたりの手術件が増大しました。
しかも白内障手術の診療報酬は高めに据え置かれました。その結果、高額納税者は眼科開業医が席捲し、年間医療費30兆円の内、2千億円が白内障手術という、単一の疾患で占められると言う異常事態を招きました。
「やりさえすれば必ず儲かる」という特殊な分野が比較的長く存続できた理由は、・眼科医でかつ白内障手術ができると言うスキルを要することで高い参入障壁に守られていた、・保険診療という公定価格で価格競争が生じない、・需要が厖大であった、という特殊な条件が揃っていたからです。
しかし「白内障バブル」は、診療報酬が一気に半額に引き下げられて崩壊しました。後発で白内障手術に参入した眼科開業医は、「白内障バブル」崩壊で、設備投資の負担が重く破綻寸前と言うところもあります。
ましてや・参入障壁が無い、・価格競争が自由、・需要より供給過剰、な分野で「誰がやっても安全で楽で、ほかの業種に比較して際立って儲かる」業種が長く残っているわけがありません。たとえば不動産賃貸業は、まさに上記の条件に当てはまります。
あまりにも誤解が多すぎますが、不動産賃貸業も普通にサービス業の一種で市場原理に従います。つまり他業種と比べて、特段楽でも安全でも儲かるものではありません。
私は市場経済下では、ありとあらゆる業種において、基本的にリターン総量=リスク総量(この中には手間とか、人が嫌がる人との交渉や汚れ仕事など広義で含めます)だと思います。経済情勢の変化に応じて、一時的に特定の分野業種が他業種に比べて有利になることはありますが、必ずすぐに参入者が現れ、競争原理が働き、その結果供給過剰になり優位性は失われます。
冷静になって考えれば、不動産賃貸業がほかの業種に比べて、楽で安全、儲かるのであれば、なぜわざわざ辛い、リスキー、それほど儲からない不動産以外の分野業種を選ぶ人がいるのでしょうか。
私は、私の不動産投資の紹介をしました。競売で取得した物件を年利40パーセント超で賃貸し、2年後に2,5倍で売却し期間最終利回りが100パーセントを超えた、著しい瑕疵がある物件を賃貸にして年利80パーセント、10年で資産規模は5倍、収入は10倍などです。
しかし私のことを「儲からない慈善事業をしている(バカ)」「管理委託など利用すれば左団扇なのに(何バカやってんの、もっと上手くスマートに儲ける方法を知らないのかしら)」と評した方がいます。
しかし私の投資パフォーマンスは、きわめてまれな成功部類で、不動産実務者は一様に驚愕します。楽して左団扇で人任せで安全に、私より儲けることは不可能と断言します。私はそれに見合うリスクを取っています。不動産賃貸業に関しては、あまりにも誤解が多すぎますので警鐘を鳴らしたいと思います。
なお下記のリンクは大変参考になります。実務の最前線に携わるものにとっては概ね真実だと思います。
ただし第二話の「投資利回りと安全な借り入れ比率」に関して一言申し上げたいと思います。著者は、3パーセント台の金利を想定しているようですが、実績の無い方が投資不動産でファイナンスを受けようとすれば大変厳しく、最も低くても変動で4パーセント前半~です。
また金利変動のリスクを考慮していません。さらには表面利回り10パーセント~云々ですが、土地を取得した上でハウスメーカーで新築すれば表面利回り10パーセントは不可能です。しかし投資不動産の場合、中古物件への融資は難しいとも申し上げておきましょう(表面利回り10パーセントを超えるこなれた築年の物件は、検査済み証が付いていないケースが多い。今では検査済み証なしの物件には融資は付きません。姉歯事件で建築基準法を遵守させる目的でです。その件についてはまたの機会に論じます)。
不動産投資で自己破産続出のXデー近し?:日経ビジネスオンライン
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/...
一目瞭然、不動産投資のカラクリ:日経ビジネスオンライン
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/...
不動産投資の大ウソの見抜き方:日経ビジネスオンライン
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/...
なお、上記日経ビジネスオンラインの記事は、下記リンクから簡単な会員登録をすれば無料で読めます。不動産投資をお考えの方にとっては、大変参考になると思います。
儲かる経済学
私は月4-5冊の本を読みますので、著者とタイトルは失念しましたが。(多分中公新書だったと思う)、若手経済学者が書かれた本の(「儲かる経済学」と言ったタイトルだったと思います)要旨をご紹介したいと思います。
それは「自由経済下で参入障壁がない分野では、ほかの業種と際立って儲かるものはない。なぜならば、ある儲かる分野があれば、すぐに参入者が現れ、競争が激化して早晩儲からなくなるからである。それを経済学ではアービトラージ(裁定)と言う」。
著者の経済学者は、商売柄「今はどのような業種が儲かりますか」という質問が頻繁に寄せられてうんざりしていたのだと思います。まれに、きわめて参入が難しく、価格競争が制度上起こりえない分野でガッポガッポ儲かる状態が比較的長期間続くケースもあります。
たとえば眼科開業医の「白内障バブル」などが該当します。1990年に、それまで自由診療だった白内障手術が保険診療で認可されました。その後の技術革新で手術時間の短縮化が実現し、一日あたりの手術件が増大しました。
しかも白内障手術の診療報酬は高めに据え置かれました。その結果、高額納税者は眼科開業医が席捲し、年間医療費30兆円の内、2千億円が白内障手術という、単一の疾患で占められると言う異常事態を招きました。
「やりさえすれば必ず儲かる」という特殊な分野が比較的長く存続できた理由は、・眼科医でかつ白内障手術ができると言うスキルを要することで高い参入障壁に守られていた、・保険診療という公定価格で価格競争が生じない、・需要が厖大であった、という特殊な条件が揃っていたからです。
しかし「白内障バブル」は、診療報酬が一気に半額に引き下げられて崩壊しました。後発で白内障手術に参入した眼科開業医は、「白内障バブル」崩壊で、設備投資の負担が重く破綻寸前と言うところもあります。
ましてや・参入障壁が無い、・価格競争が自由、・需要より供給過剰、な分野で「誰がやっても安全で楽で、ほかの業種に比較して際立って儲かる」業種が長く残っているわけがありません。たとえば不動産賃貸業は、まさに上記の条件に当てはまります。
あまりにも誤解が多すぎますが、不動産賃貸業も普通にサービス業の一種で市場原理に従います。つまり他業種と比べて、特段楽でも安全でも儲かるものではありません。
私は市場経済下では、ありとあらゆる業種において、基本的にリターン総量=リスク総量(この中には手間とか、人が嫌がる人との交渉や汚れ仕事など広義で含めます)だと思います。経済情勢の変化に応じて、一時的に特定の分野業種が他業種に比べて有利になることはありますが、必ずすぐに参入者が現れ、競争原理が働き、その結果供給過剰になり優位性は失われます。
冷静になって考えれば、不動産賃貸業がほかの業種に比べて、楽で安全、儲かるのであれば、なぜわざわざ辛い、リスキー、それほど儲からない不動産以外の分野業種を選ぶ人がいるのでしょうか。
私は、私の不動産投資の紹介をしました。競売で取得した物件を年利40パーセント超で賃貸し、2年後に2,5倍で売却し期間最終利回りが100パーセントを超えた、著しい瑕疵がある物件を賃貸にして年利80パーセント、10年で資産規模は5倍、収入は10倍などです。
しかし私のことを「儲からない慈善事業をしている(バカ)」「管理委託など利用すれば左団扇なのに(何バカやってんの、もっと上手くスマートに儲ける方法を知らないのかしら)」と評した方がいます。
しかし私の投資パフォーマンスは、きわめてまれな成功部類で、不動産実務者は一様に驚愕します。楽して左団扇で人任せで安全に、私より儲けることは不可能と断言します。私はそれに見合うリスクを取っています。不動産賃貸業に関しては、あまりにも誤解が多すぎますので警鐘を鳴らしたいと思います。
なお下記のリンクは大変参考になります。実務の最前線に携わるものにとっては概ね真実だと思います。
ただし第二話の「投資利回りと安全な借り入れ比率」に関して一言申し上げたいと思います。著者は、3パーセント台の金利を想定しているようですが、実績の無い方が投資不動産でファイナンスを受けようとすれば大変厳しく、最も低くても変動で4パーセント前半~です。
また金利変動のリスクを考慮していません。さらには表面利回り10パーセント~云々ですが、土地を取得した上でハウスメーカーで新築すれば表面利回り10パーセントは不可能です。しかし投資不動産の場合、中古物件への融資は難しいとも申し上げておきましょう(表面利回り10パーセントを超えるこなれた築年の物件は、検査済み証が付いていないケースが多い。今では検査済み証なしの物件には融資は付きません。姉歯事件で建築基準法を遵守させる目的でです。その件についてはまたの機会に論じます)。
不動産投資で自己破産続出のXデー近し?:日経ビジネスオンライン
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/...
一目瞭然、不動産投資のカラクリ:日経ビジネスオンライン
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/...
不動産投資の大ウソの見抜き方:日経ビジネスオンライン
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/...
なお、上記日経ビジネスオンラインの記事は、下記リンクから簡単な会員登録をすれば無料で読めます。不動産投資をお考えの方にとっては、大変参考になると思います。
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