EU首脳会議 初日終了 交渉開始時期で大きな進展なし
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EU=ヨーロッパ連合は、イギリスが国民投票でEUからの離脱を決めたことを受けて首脳会議を開き、初日の協議でイギリスのキャメロン首相は離脱交渉に向けた今後の方針などについて説明しましたが、交渉の開始時期について大きな進展はありませんでした。
イギリスの離脱を巡る対応を協議するEUの首脳会議は、28日、ベルギーの首都ブリュッセルで2日間の日程で始まり、日本時間の29日午前6時前に終了しました。
初日の協議では、イギリスのキャメロン首相が、国民が離脱を選んだ経緯や、離脱交渉に向けた今後の方針などについて各国に説明を行いました。
会議後の記者会見でキャメロン首相は「建設的で前向き、かつ落ち着いた話し合いができた。イギリスが離脱しても双方が最大限、緊密な関係を探っていくべきだという理解で一致した」と述べました。そして、焦点となる離脱交渉について、キャメロン首相は「首脳会議ではすぐに離脱を通知せよ、といった雰囲気はなかった」と述べたうえで、離脱交渉は9月以降に選任される見通しの次の首相の下で開始するという方針で各国に理解を求めたことを明らかにしました。
一方、EU側のトゥスク大統領も会見を行い、イギリスの新首相の選任を待つ姿勢を示したうえで、「イギリスに時間が必要なことは理解している。しかし、離脱後にわれわれとどのような関係を築きたいのか早急に示す必要がある」と述べ、離脱後のイギリスが貿易や外交でどのような関係を築こうとしているのか示すよう求めました。
会議2日目の29日には、イギリスを除く27か国が離脱交渉を巡りさらに協議することにしています。
初日の協議では、イギリスのキャメロン首相が、国民が離脱を選んだ経緯や、離脱交渉に向けた今後の方針などについて各国に説明を行いました。
会議後の記者会見でキャメロン首相は「建設的で前向き、かつ落ち着いた話し合いができた。イギリスが離脱しても双方が最大限、緊密な関係を探っていくべきだという理解で一致した」と述べました。そして、焦点となる離脱交渉について、キャメロン首相は「首脳会議ではすぐに離脱を通知せよ、といった雰囲気はなかった」と述べたうえで、離脱交渉は9月以降に選任される見通しの次の首相の下で開始するという方針で各国に理解を求めたことを明らかにしました。
一方、EU側のトゥスク大統領も会見を行い、イギリスの新首相の選任を待つ姿勢を示したうえで、「イギリスに時間が必要なことは理解している。しかし、離脱後にわれわれとどのような関係を築きたいのか早急に示す必要がある」と述べ、離脱後のイギリスが貿易や外交でどのような関係を築こうとしているのか示すよう求めました。
会議2日目の29日には、イギリスを除く27か国が離脱交渉を巡りさらに協議することにしています。
キャメロン首相「離脱は痛みを伴う」
また、キャメロン首相は会議後の会見で、「EUから離脱して代償を払わずにいいところだけ取ることはできない。次の政府はこのことを慎重に考えなければならない」と述べて、EUからの離脱は痛みを伴うものになるという認識を示しました。
メルケル首相「離脱手続きは条約に基づいて」
ドイツのメルケル首相は「イギリスの国民投票について、非常に集中的に、深く話し合った。離脱の手続きは、EUの条約に基づいて進めていくことを確認した」と述べ、イギリスが離脱の意思を正式に通知するまでは事前の交渉は行わないと改めて強調しました。そのうえで、国民投票の結果について「もはや覆すことはできない。現実を直視しなければならない」と述べ、イギリスのEU離脱は避けられないという認識を示しました。
オランド大統領「とどまるほうが強いこと示すべき」
フランスのオランド大統領は記者会見し、「EUからの離脱を考えている国がほかにあるなら、EUは中にとどまるほうが外に出るよりも強いということを示すべきだ」と述べ、EUからの離脱の賛否を問う国民投票の実施に向けた動きが出始めている、オランダやデンマークを念頭に離脱の連鎖が起こらないようくぎを刺しました。
一方、オランド大統領は「イギリスの離脱は、フランスにとっても教訓になる。フランス国内でEUからの離脱に向けた国民投票の実施を求める政党が出てきた」と述べ、来年春の大統領選挙を前に、反EUを主張するフランスの極右政党が勢いを増していることに警戒感をにじませました。
一方、オランド大統領は「イギリスの離脱は、フランスにとっても教訓になる。フランス国内でEUからの離脱に向けた国民投票の実施を求める政党が出てきた」と述べ、来年春の大統領選挙を前に、反EUを主張するフランスの極右政党が勢いを増していることに警戒感をにじませました。