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愛すべき『蟲』と迷宮での日常 作者:マスター
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第百十三話:鎮魂歌(3)

【悲報】今年のクリスマスは中止になりました。

平日だから、まさかお休み取る人なんて居ないよね?居ないと言ってよ!!
休む人いたら、食事の中に蟲を混ぜるからね!!

◆一つ目:ガイウス皇帝陛下


 ギルド幹部の子息が懇意にしている料亭につくまで、色々と観察させて貰ったが・・・評判が良くないと思える。道行く人達が、こいつ等の為に道を空けるのだ。無論、道を譲られる経験はこの私にもある。

 だが、私の場合は良くも悪くも名が売れている高ランク冒険者という立場からくる物だ。具体的には、畏怖から起こる行動であって・・・こいつ等のように嫌悪感から道を譲られる物では無い。どのような理不尽な行為をすればそのように思われるのかは分からないが、切り捨て御免的な事をやっているのであろう。

 先ほどの態度からしてみても、明らかにろくでなしなのは分かる。

「ご馳走になって悪いが、親父達には案内できないぜ。今は戦時中だからな・・・」

「そうそう、終戦したらご馳走されたお礼に私達が会えるように調整してあげるわ」

 ギルド幹部連中も一応、そこら辺は気にしていると言うことか。まぁ、色々な小国が参戦しているから手柄を立てる為に、独自にギルド幹部に対して刺客を送り込んでだとしても不思議では無い。

「いいや、気にしないで構わないさ。それより、デザートなどの追加注文はよいのかね? 季節のフルーツ盛り合わせなどがお勧めらしいが」

 この料亭・・・独自の仕入れルートをもっているみたいだな。市場に滅多にまわしていない瀬里奈ハイヴ産のバナナまで用意されているのだからね。その分、お値段は全て時価!! どこにも記載がされていない。

 こういう高級店には、貴金属の換金所が併設されているから安心できるが手持ちの金ではまず足りなかったであろう。

「それ、二人前頼むわ」

「任された。注文ついでに会計もしておこう。他に希望の物があればいうといい」

 それから、二人の注文を纏めて個室を出た。

 幹部の子息達・・・食事の礼儀作法は心得ているようだが、目上の人に対する口の利き方がよろしくない。おそらく、自分の方が偉いとでも思っているのだろう。親が偉いだけだというのに、全くこいつ等は屑だわ。以前に殺したギルド幹部は、親の七光りではなく自力で幹部までのし上がった者だから偉そうにするのは納得するが、こいつ等は違う。

 まぁ、どうでも良い。

 どうせ短い付き合いだ。そのツケはしっかり払って貰う。

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

 実は、このレイア・・・ギルド幹部の子息達を蟲の餌にする予定ではあったが、どうせ死ぬ命だ。有効活用する道を見つけたのだ。

 おいしくデザートを食べてくつろいでいる屑共に素晴らしい提案をする。

「そういえば、君達二人は高ランク冒険者だったね。そこで、一つ頼みたい依頼があるのだが、よいだろうか。勿論、報酬は弾もう」

「おぃおぃ、ギルドを仲介しない依頼は良くないのは知っているだろう。まぁ、その位なんとでもしてやれるが」

「いいんじゃないゼル。ご馳走になったことだし報酬も貰えるっていうんだからさ」

 あぁ、見事成功した時には・・・そうだね。働きに応じてた生存時間をあげよう。その時間で悔いの残らない様に色々と整理しなさい。

「オーダーは、至って簡単さ。ギルド幹部・・・この場合は、君達のご両親の首を持ってきてくれないか。後、君達と同じ立場、要するにギルド幹部の子息達を沢山紹介して欲しい。報酬は、歩合制だが・・・君達の生存してよい時間をある程度保証しよう。悪い取引ではあるまい」

 まぁ、最長でも一年以内に死んで貰うがね。

 実の子供達が刺客となるならば、第三者がギルド幹部を殺害するのと比較してハードルは低い。やりようによっては、ギルド幹部を殺害後に何くわぬ顔をして現場を離れる事すら可能であろう。

 ジャキ

 私の発言を聞いて、二人が獲物を手に取り臨戦態勢に入った。行動は、早いが・・・既に遅い。

「気前のいいオッサンかと思ったら、ただのキチガイか」

「殺しちゃう?それとも、お父様達に突き出す?」

 面白い冗談だな。

「いいや、それは不可能だ。なぜなら・・・」

 今まで美味しく食べていた料理には、この私が毒を盛っていたからね。それが効き始めてきたころだ。

「ゴッゴッホホ」

「あれ?ゼルが二人・・・」

 バタン

 二人とも仲良く床に崩れ落ちた。口からは血反吐をはいて、目は充血、全身が痙攣と実に良い感じだ。このまま、放置すれば三十分もしないで息を引き取るだろう。

「悪いが戦う前から勝負はついていてね。治癒薬で治るほど甘くは無い。即座に服用したのは褒めよう・・・だが、それで治るような毒を盛るはずがないであろう。それは、私の可愛い蟲達が作り上げた特性だ。治癒薬の特性を逆手にとって、毒の効力を高めるように作られている」

「ど、毒!? それに蟲だと・・・!!」

「まさか!?」

 二人ともようやく気がついたようだ。

 では、ネタばらしをしよう。蟲を使った変装を解除した。そして、ご挨拶だ。

「初めましてお二人とも。私は、レイア・アーネスト・ヴォルドー。この度は、君達のご両親に恩返しに参った。何か質問はあるかね?」

 ギルド幹部の子息達だと、この私の存在はよく知っているだろう。だからこそ、顔が更に真っ青になっているのだろうね。力ずくでこちらを押さえ込んで解毒をさせようという腹づもりも不可能だと悟ったと見える。

「助けてえええぇぇぇぇぇ!!」

 女の方が叫び声を上げた。

 ギルド幹部やその子息達が訪れる料亭だから、高ランク冒険者が雇われ用心棒として待機している。だが、そんなの無意味だ。部屋の四方に配置した蟲がこの部屋の音波を全て打ち消している。よって、外部へ音漏れはない。

「無駄ですよ。既に外部との連絡手段は絶ってある。後、こちらの求めた回答以外は口にしてはいけませんね。一人居れば十分か」

 パチン

ムッシュシュ(お父様に呼ばれて、ご飯を食べに来ました!! どっちを食べて良いの?)

 私の可愛いステイシスが、よだれを垂らして許可を待っている。全く、食いしん坊ちゃんめ。

「ゴッホゴホ。ま、待ってくれ」

「ゼルシア君だったかね。君の要望通り、待ってあげても良い。だが、対価無しには許容できないね。このブレンウォーカーを体内に寄生させて貰えるなら、君の要望を受け入れよう」

 糸のような蟲を見たゼルシア君が苦い顔をした。どうやら、この蟲の存在は知られているのだろう。一度は、ギルド幹部の脳内に寄生させギルドの情報を奪っていたからね。同じような事態を起こさせない為にも周知されるのは当然か。

 二秒待って返答が無い。

 結局、我が身が一番可愛いか。別に否定はしない。それは、当然だ。

「ステイシス、女の方を食らえ」

ムシュシュ(このバナナを食べ終えたら・・・ムシャムシャムシャ。ゴクン!! ゲップ。食後の肉料理を)

 テーブルに残っていたデザートを器用に食べていた。その手足でバナナなんてどうやって綺麗に剥いたんだよ。手先が器用だな。だから、瀬里奈さんのウ=ス異本のベタフラッシュ担当なんてやらされるんだよ。

 毒によって身動きがまともにとれない女にステイシスの大きな口が迫り、鋭い歯が肉に食い込んだ。恋人であるゼルシア君にすがるように助けを求めるその様は、まさに真実の愛が試される瞬間である。

 よって、ステイシスに待ったをかけた。後、少し力を入れれば臓器にまで歯が届き致命傷になる。だが、今ならば助けられる。

「ゼぇ、る・・・」

 そんな彼女をみた後にゼルシア君がこちらを睨んできた。そして、身体強化を行いフラフラになりながらも立ち上がったのだ。その根性だけは褒めてやろう。あの毒に犯されて、なおも立ち上がる無駄な努力。

 正直言って、毒の回りを早めて死期を早めるだけだ。

「貴様ぁぁぁ!!」

「いや、恨むなよ。こちらは、恋人を救えるチャンスを提示してやっただろう。我が身かわいさにそれを拒絶したツケだ。後、なぜこのような理不尽な仕打ちを俺等にと思っているだろうが・・・驚く事ではあるまい。ギルド幹部は、高ランク冒険者の赤子を誘拐して殺し屋に育てているのだ。その真実を知らずに、実の両親に殺された者や実の両親を殺した者も居るであろう。ならば、私も似たような事をして恩返しをしてやっても問題あるまい」

 目には目を、歯には歯をである。

 ゼルシア君の決死の一撃。それは、ただ振り下ろされるだけの拳であったが・・・素直に受ける程馬鹿では無い。ステイシスの口から女を引きずり出して盾にした。そして、見事ゼルシア君の拳が彼女に止めを指す。

 まるで狙ったかのようにステイシスが歯で開けた傷跡に拳が直撃して、そのまま悲惨な事になったのだ。

「あああ゛あ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

 まるで壊れた人形の様に自ら殺した彼女を抱きしめて嗚咽している。

「ゼルシア君・・・この私ならば、彼女を助けられるぞ。さぁ、私の蟲を受け入れろ。さすれば、全てうまくいく。頑張り次第では、子供を残す程度の時間は報酬として与えられるであろう」

 さぁ、ゼルシア君よ立ち上がるのだ!!

 この紳士レイア・・・君が今まで犯してきた罪を精算する機会を与えよう。

「約束は、守られるのか」

「無論だ。紳士であるこの私が約束を違えることは無い。君のこの私の依頼を受けるのならば、彼女を助けよう。更に、依頼を達成した際には君達に生きていて良い時間をくれてやろう」

 ゼルシア君が私の説得に応じて手を取った。やはり、話し合いとは必要だな。お互い利益のある取引であっただろう。

 さぁ、忙しくなってきたぞ。

 ギルド幹部VSギルド幹部の子息達・・・どちらが死んでも私には利益しかないがね。放たれる刺客をどのようにやり過ごすか見物だわ。




 神器プロメテウスでレイアが向かったギルド総本山の情報を収集していたら、既に暗殺部隊を設立していた事実に驚愕を覚えた。ギルド幹部の子供達を次々と洗脳して、一斉に決起させる作戦を計画しているとは、凄まじいわ。

 表向きには、戦争の乗じた下克上。しかし、中身はレイアの手によって生み出された先兵達による内乱だ。しかも、どちらが勝利してもレイアにとっては何一つ損はない。

 昔、レイアが言っていたな・・・『最小の努力で最大の成果』と。まさに、それである。しかも、自らの手を殆ど汚さず安全地帯からの観戦とは、その手腕天晴れじゃ。

「ガイウス皇帝陛下、レイア殿のご様子はどうでしたか?」

「ジュラルドか。あぁ、レイアは元気そうじゃ。『アームズフェント』でギルド幹部の子供達を中心にした対幹部用暗殺部隊を作り上げておる」

 正直に言えば、正面から乗り込んで一人ずつ始末していくと思っていたのだが予想外じゃったわ。

「いつもながら凄まじいですなレイア殿は。我々の予想の斜め上を行き、最高の成果を持ち帰ってくるのですから」

「あっちは、楽しそうなのに・・・こっちは暇だな。ジュラルド、どっかに侵入者とかいない?」

「二日前に一人来たばかりだからな。それに、生きてここまでこれる者が居るとも思えん。仮にも『神聖エルモア帝国』の王座がある部屋だ。警備体制は、万全だ」

 二日前に王宮に侵入を試みた者もジュラルドの手によって即座に始末された。王座の間にいて数百メートル離れた侵入者を的確に排除する魔法の腕は神業といって過言ではない。特別な属性を扱う者を除けば間違いなく最高の魔法使いだ。

 出来ることなら、二人を『神聖エルモア帝国』の貴族として迎え入れたいのだが・・・断られてしまった。権力のいざこざに巻き込まれるのは、御免被るらしい。そう言われては仕方があるまい。今回だけとはいえ、手を貸してくれたことには感謝しておこう。

「余り仕事が無いと、給料分働けてないから心苦しいんだがな・・・。仕方ない、騎士団連中を鍛えてくるわ」

「業務に支障が出ない程度ならば許可しよう」

 エーテリアが、これでもかと言わんばかりの武器の類いを持って退出していった。

 確か、エーテリアの此度の報酬は、瀬里奈殿が製造した武器防具の類いを無期限・・・寿命が尽きるまで全て持ち出し借用可能。更に、メンテナンスも無償で引き受けるという物だったな。

 ジュラルドは、神器テミスを寿命が尽き得るまで貸し出すという物だったな。

 二人をこのような大きな戦いに巻き込む事になったのだからそれ相応の対価は当然か。それをポンと躊躇無く用意するレイアも凄いがな。全く、この儂から出せる報酬は殆ど無いでは無いか。

 仕方ない。儂が死んだ後は、神器プロメテウスをレイアに預けるとするかな。次の担い手が見つかるまでレイアにくれてやろう。それを報酬とするかな。
 
現実逃避したい時ほど、執筆が捗る謎の現象・・・この事象をなんと名付ければいいのだろうか。昔、テスト勉強中に部屋の掃除がしたくなるようアレに近い気がする。

PS:
おっしゃーー。MHXのHR60になった><
エリアル+大剣楽しいな@@
cont_access.php?citi_cont_id=850036392&s
+注意+
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