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愛すべき『蟲』と迷宮での日常 作者:マスター
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第九十五話:戦争(7)

◆一つ目:『雷』の使い手

すみません。0時に投降が間に合わなかった><


 積み上げられていく死体。だが、ヴォルドー軍には後退の二文字は存在しない。死兵と化した研究材料達は、よく働いている。人は無意識で己が傷つくのを恐れて力を押さえ込んでいる。だが、蟲達によってその制限は外されるだけでなく、痛覚や恐怖心すら麻痺させているのだ。

 一人でも多くの人命を開放してあげたいと手を尽くした。ここまで力の出せる環境を用意してあげるなんて、今年度の最高の紳士に送られる賞を受賞してもおかしくない。

 落雷の音が轟くと同時に蟲や人が消し飛んでいく。上空で落雷を防ぐためにステイシスが頑張っているが…流石に、制空権を押さえるのは厳しいな。

 全く以て恐ろしい火力だ。

 ランクAを除けば最強じゃないかと思うほどだ。ジュラルドだって、ここまでの火力は出せないぞ。

ジィー(お父様、瀬里奈様から連絡です。これより、支援に入ると)

 後方を見ると瀬里奈さんが、蟲ステルスに身を包んで何かを構えている。瀬里奈さんから『雷』の使い手までの距離は約400m…となれば、遠距離射撃だ。

 あれは、某スナイパーのマネをしてS(セリナ)-16なんて突撃銃まで作る始末。女性なのによくあれを愛読していたモノだ。遠距離使用を想定した構造をしていないが…壊れる事を容認すれば、この距離でも空気圧を限界まで上昇させる事で一発限りは、撃てるだろう。兵器というのは、何事も使いどころが大事という事か。初速は音速を超えるだろうから…避けれないぞ。

「さて、『雷』の使い手。これは、どう防ぐ?」

「あぁ? この雑魚の事か?……上かぁ!!」

 瀬里奈さんの部隊が上空から大樽を投下し始めた。

 周りにばかり目をやりすぎて気がつくのが遅れたようだな。無理もない事だ。『雷』の使い手の周囲は、見渡す限り蟲と人。『雷』の使い手が使用している周囲を警戒するレーダーは、形骸化されて居るであろう。探さなくても敵は沢山居るのだからね。

 そして、何より…大樽の投下部隊は、『雷』の使い手の索敵範囲外からの投下だ。レーダーの有効射程は、既に計り終えて全軍に通達済みだ。

「Exactly」

 あぁ、言いそびれたが…その樽の中身は、石油から生成したガソリンモドキだ。モドキなので引火しにくいが、一度燃えたら長く続くぞ。『水』の魔法が使えれば消化出来る可能性もあるが、特別な属性を持つ我々は基本属性が使えないからな。

「あ゛あぁぁぁぁ!! 敵は、へらねーわ…いい加減にしろおおぉぉ!!」

 『雷』の使い手の周囲や蟲達へ、多数の落雷が発生した。

 大樽を空中で破壊したまでは良かったが、残念だったな。雷のおかげで引火した。

「ちっ!! 油か!!」

「ほぼ正解。周囲を取り囲んでいる蟲達に飛び込んでくれても構わないですよ。移動しながら、その防御方法が使えるならばね」

 『雷』の使い手は、こちらとの戦闘が始まってから全く動いていない。最初は、動かずとも余裕で対応できるからかと思っていたが、そんなわけがない。幾つか、考えられる理由がある。

 だが、細かい事はどうでも良い。

 あの落雷の威力は驚異だが…『雷』の使い手の側までたどり着けば、おいそれと使用はできないだろう。魔法は、使用者に対しても影響を与える。

 例えば、『火』の魔法を発生させた際に、術者の手の近くだと使用者も熱を感じるのだ。下手したら火傷してしまう。素人が魔法を使うと火だるまになって死ぬケースもあるくらいだ。

ギィーー(進め!! 我らに後退の二文字は存在しない。攻撃が見える者は、可能な限り回避せよ。相手にプレッシャーを与えるのだ)

 空からは、ガソリンモドキ。地上からは、蟲と人。

 さぁ、『雷』の使い手!! まだ、見せていない手札があるだろう!! もし、遠距離特化型だとしても、近接された際の万が一の手段は残しているはず。それを使って、空から落ちてくるガソリンを防いでみろ。

 そして、『雷』の使い手が片手を上に向けた。

「甘く見すぎだ。『蟲』の使い手!!」

 『雷』の使い手を中心に第2の守りが出現した。マイクロ波は半径120m程を護っているが、第2の守りは小さい…『雷』の使い手を中心とした10mと言ったところであろう。

「まさか、目視できるレベルの雷の防御壁だとは…。更に持続させるタイプだとは恐れ入った。だが、悪手だったな」

 バーーーン

 後方から、すさまじい破裂音が聞こえた。恐らくは、瀬里奈ウェポンから鉛玉が放出されたのだろう。その証拠に、『雷』の使い手の左耳が消し飛んだ。

「いでぇぇぇぇぇぇ!! なんだ、今のは!! 何をしたあぁぁ」

「あの距離で当てるとは流石だ。手筈では、脳天ぶち抜くつもりだったはずだが…武器自体の精度と風の影響が原因だろう」

 怒り狂う『雷』の使い手から身を隠した。引き続き、頑張って蟲と人の混成軍を相手に為てくれ。



 地上では、『雷』の使い手がご苦労な事に蟲や人の相手に無駄に魔力を消費続けている。地下ではゴリフターズが『雷』の使い手の墓場を用意していることも知らずにな。そして、私もようやく合流を果たした。

「地上での進展は、順調だ。我々も揃った事だし、そろそろ片を付けよう」

「えぇ、旦那様」

「まもなく、二日目の早朝会議のお時間になります。遅れたら、また何を言われるか…」

 短時間でここまでの空間を用意するとは、流石はゴリフターズだ。

 ゴリフターズの接近がバレれば、『雷』の使い手は逃げに転じるだろう。そうならないようにする為に、地下から接近するだけでなく、『聖』の魔法を使ってこんな処刑場まで準備してくれるとは。本当に出来すぎた嫁を持つとつらいわ。

 『雷』の使い手の真下にある処刑場のサイズは、学校の体育館ほどもある。ここに落ちたら、簡単には這い上がれんな。落ちた穴もすぐに封鎖するからね。

 落ちたら最後…ゴリフターズと私の三人での超近接戦闘が行われる。尤も、ゴリフターズがメインでやるんだがね。『聖』の魔法を纏ったゴリフターズならばマイクロ波すら通じないであろう。

 無論、私は私でマイクロ波に対抗する為の手段を用意できる。電磁波が透過出来ないレベルの密度の物を用意する…それだけで対応可能なのだ。

「所詮マイクロ波…物体をすり抜けて対象を葬るなんて芸当は出来ない。この猛毒の濃霧で視界を遮り、濃霧で軽減されたマイクロ波を蟲達で防ぐ」

 猛毒の霧を体内から放出し、密閉空間に充満させていく。ゴリフターズならば、毒を浄化する事で何ら障害にはならない。この私自身も、自分の毒に犯されるような馬鹿ではない。

 『モロド樹海』の蟲達が持つ毒を私がブレンドした物だ。『雷』の使い手とはいえ、長時間吸えばただでは済まない。

「旦那様の準備が整い次第。天井を破壊して、『雷』の使い手を落とします」

「頼んだよゴリフリーナ。私の愛する妻だ…必ず出来ると信じている」

 私のように空でも飛べない限り、地面がいきなり消えたら踏ん張る事ができずに自由落下するしかないのだ。ゴリフリーナの右手に光が集う。そのサイズがだんだんと大きくなり、50cm程にまで大きくなった。

 キュピーン!!

「いまだ!!」

「はああああぁぁぁぁぁぁぁぁ」

 ゴリフリーナが真上に向かい、手を挙げると謎の光線が発射された。そして、一瞬にして、土を分解して青空が見えた。

 穴に落ちてくる血まみれになった『雷』の使い手が居た。皮膚が剥がれおちて、非常に痛々しい。

 地面のおかげで威力が軽減されたとはいえ、ゴリフリーナの『聖』の魔法が直撃したのだ。ダメージとしては、十分であろう。

 天井に張り付いた私の真横を落下していく。そして、横を通り過ぎていく『雷』の使い手と目が合ったので手を振った。

「あ゛あ゛あああぁぁぁぁぁぁっっ!! くっそたれがぁぁぁぁ」

 この穴が何なのかを一瞬で理解したのであろう。だが、全て遅いのだよ。

 『雷』の使い手が地下に目を向けないように、蟲達にも地上と空からしか攻撃させていなかったのだ。だから、この地下空間に気がつけなかったのだろう。まぁ、それどころではなかっただろうがな。物量戦に出たから脇目なんて見る暇は与えていない。

 『雷』の使い手が糸のような物を地上に投げた。色々と隠し武装は持っていると思ったが、それがその一つか。まさか、それを使って地上に這い上がるつもりでいるのか。

 この私がそんなことを許すはずがないだろう!!

「『雷』の使い手…良いことを教えてやろう。『水』の魔法が使えなくても、この私にかかればこんな事も可能なのだよ」

 蟲に出来る事ならこの私にできない事など存在しない。寧ろ、スペック的に考えれば圧倒的な強化版を使用できる。右の掌にある小さな穴から圧縮した溶解液を勢いよく噴射して糸を切断した。

 手から噴射された液体を確認した『雷』の使い手の顔!! 実に痛快だ!! あの驚いた顔を見るためにコレをやったと言っても過言じゃない。他にも、高圧ガス噴射を利用した『火』の魔法も疑似再現できるぞ!! 流石に特別な属性は無理だ。

「死んでたまるかああぁぁぁぁぁ!!」

 落下地点で待ち受けているゴリフターズの気配を感じたのだろうか。この猛毒の濃霧では、視覚的には捉えられない。

 『雷』の使い手の全身から全包囲に対してマイクロ波が放出された。更に、地下の狭い空間だというのに、ゴリフターズがいる場所に落雷が発生したのだ。

 これには、正直驚いた。

 落雷を使うには地上から一定以上の距離が離れていないと出来ないと考えていたからだ。まさか、こんな密閉された地下でも使える魔法だとは思っていなかったぞ。着地ポイントで狙い撃ちされないように落下地点を掃除するとはね。

「だが、『雷』の使い手。貴様がスペシャルのように、私の妻達もスペシャルなのだよ」

 落雷により、猛毒の濃霧が一時的に散った。そして、その場には眩しいばかりの『聖』の魔法を纏ったゴリフターズがこれから落ちてくる『雷』の使い手を粉砕すべく待ち構えている。

「ば、馬鹿な…」

 流石に無傷とはいかなかったようだ。鎧の一部が黒く焦げている。アース線も数本逝ったか。

「『雷』の使い手。以前の私達ならば今の一撃でダメージを負った事でしょう。しかし!!旦那様とお義母様によって更なる高みへ昇華した私達には届かなかったようですね」

「これぞ、愛の力!! 旦那様との絆!!」

 『雷』の使い手が地面に着地する瞬間、ゴリフターズによる殲滅戦が始まった。ゴリフターズの武器から発せられる圧倒的な死の重圧…当たれば、致命傷は避けられない。故に、『雷』の使い手が本当に命がけで避けている。

 人間の限界を超えた反射神経に思える。『雷』の魔法を使ったドーピングかな。

「そのまま、追い詰めろ!! おそらく、『雷』の魔法を応用して反射神経を限界まであげている。長くは持たん」

 ゴリフターズが大剣や鎌を振るうと周囲の壁に切り傷が出来る。実に恐ろしい切れ味だ…『雷』の使い手の立場にいなくて本当に良かったと思うわ。アレは、一撃一撃避けるのに神経を費やしぎて寿命が削れる。

 『雷』の使い手が回避に集中するあまり、マイクロ波を使った防御が完全に途切れた。

 さて、私の何時までも天井に張り付いていても仕方が無い。既に落ちてきた穴から逃げられないようにワイヤートラップを張り終えた。無理に出ようとすればサイコロステーキの出来上がりだ。

 ゴリフターズに追い詰められていく『雷』の使い手。先ほどまでとは異なり、実にいい気味だ。だが、思いの外粘るな…ランクA二人を相手に致命傷を避けつつこれほど長時間耐えられるとは。

 では、よくある展開を考えよう。こういう場合に限って不測の事態が起こったり、『雷』の使い手が窮地を脱する名案を思いつく………そうなると実に困る!! すぐにゴリフターズに混ざって、『雷』の使い手を殺したいが、果たして息がぴったり合うゴリフターズの戦場に私が紛れ込む余地はあるのだろうか。

 下手に混ざれば足を引っ張りかねない。だから、タイミングを見計らって殺気を乗せた魔力をぶつけている。それだけで十分圧力になるだろう。

 だが、蛆蛞蝓ちゃんと用意した猛毒…使わないのは味気ない。圧縮して猛毒のウォーターカッターと言いたい所だけど、生憎と物理的に量が足りていない。

………
……


 そうだ!!

「えーーと、尻尾をちょっと改造して…伸びる触手にしよう。先端を尖らせて、そこから直接猛毒を注入すればいい」

 蛆蛞蝓ちゃんの伸縮自在の触手を尻尾に再現をさせた。ゴリフターズの邪魔にならないように地面を這わすようにして『雷』の使い手に近づける。まさか、人生初の触手プレイがこんな使い方になるとは…相手が男になるとは、人生とは不思議な物だ。



 死ぬ!! これは、本当に無理だ!!

 『蟲』の使い手だけでも厄介だと思っていたのに、ランクAの『聖』の双子まで出てきたら、もはや勝負にならない。事実、俺の渾身の一撃を何事も無かったかの如く防いだランクA二人…この二人をどうしろと!! 

 そんな化け物連中を纏めて相手に出来るなど『闇』の使い手くらいであろう。一度だけ、遠目で『闇』の使い手を見た事があるが…あれだけは、いくら貰っても相手にしたくないと思った。

「実に、よく避ける。やはり、旦那様が言うように『雷』の魔法を使った特殊な身体強化か」

 そして、なにより恐ろしいのは…此方の手の内が一瞬で相手に解析される事だ。特別な属性と言われる『雷』について、妻や子供にも詳細を漏らした事はない。どこから情報が漏れるかわからないからな。

 それなのに『蟲』の使い手は、『雷』の魔法について詳しすぎる。しかも、よく分からない単語が飛び交っている。まさか、本当に俺以上に『雷』の魔法について詳しいのではないかと本気で思ってしまう。

………
……


 認めたくは無いが、詳しいだろう。今までの言動、それに対応する早さを考えるに間違いない。

 ズキリと鈍い痛みが全身を掛けた。

 『聖』の魔法により、皮膚が剥がされた。それに追い打ちを掛けるかのように、この猛毒の濃霧だ。万全な状態なら、ある程度は耐えられる自信はあるが…傷口からジワジワと身体を侵してくる。

 この濃霧で『聖』の使い手の攻撃が視認できない。更に、この濃霧でこちらの魔法はあらゆる面で性能が劣化させられている。おかげで、索敵できるのも精々半径5m程だ。

 落下した際に見えた『聖』の使い手が持つ武器と居る座標、そして風きり音などを拾える情報のみで攻撃予想して回避しているが、そろそろ限界が近い。手足の感覚は既につぶれて、力が入っていない。魔力の残量は既に2割程だ…窮地と呼ぶには十分な境遇だ。

 一人で死ぬのはアレだな。一人は道連れにしてやる!! 残りの魔力を全て使って頭部に魔法を直接たたき込めば、うまくいけば倒せるだろう。先ほどの落雷は、鎧に焦げを付けられたのだ。完全に無効化されているわけでは無いはず。

 右から風きり音!! ………さっきまでとは違う!?

 プスリ

 足下でチクリと痛みを感じた。

「ハンマーだと…ごおふぁぁぁ」

「くたばりなさい!!」

 想定していた武器であった鎌では無く、ハンマーに武器が変わっていたせいで、回避しきれなかった。しかも、直前で足下に痛みを感じたせいで更に反応が遅れた。

 ズドン

 ランクA…しかも、世界屈指の背筋力を誇るエルフに振り抜かれたハンマーをかすったせいで見事に、対面の壁まで吹き飛ばされた。

 バラバラバラ

 懐にしまっていた治癒薬も砕け散った。更に、今ので利き腕が完全に消失した。体力は既に底をつきかけており、いよいよ以て覚悟を決める必要がありそうだ。

 急に、目眩だけじゃ無く、手足まで振るえてきた。

 ゴフ

 血反吐の色が黒かった。どうやら、内臓までやられているな。コレは、長くは持たない。

「『雷』の使い手。そろそろ、チェックメイトだ。遺言くらいは聞いてやるぞ」

 はははは…それは、ありがたい。最後の一撃を食らわせる為のチャージ時間が貰えるとはね。この命を引き替えにして、一人は貰っていくぞ!! 『聖』の使い手を使って追い詰めなかった事を後悔させてやる。

「ならば、妻と子に伝言を頼めるかな」

「良いだろう。紳士であるこの私が一字一句間違いなく伝えよう。それが、私をここまで追い詰めた『雷』の使い手へのせめてもの手向けだ」

 壁に寄りかからねば立てない程にまで、体力が落ちてきた。身体は熱く、視界はぼやけ、頭痛に吐き気、目眩…考えられるマイナスの症状が次々と襲い掛かってきた。もう少し持つと思ったんだがな。

「何時までも愛していると」

「承った。では、『雷』の属性は、今日この日をもって世界から消失する。サヨウナラだ」

 それなりに、悪くない人生であった。人並み以上の生活も送れたし、妻と子にも恵まれた。唯一、気がかりな事といえば孫の顔を見たかったな。

………
……


 気持ちは切り替えた!! さぁ、いつでも来やがれ!! 『雷』の使い手である俺の正真正銘、最後の一撃を見せてやる。



 戦場で飲む紅茶というのも洒落ていて良いと思う。

「で、下の様子はどうかね?蛆蛞蝓ちゃん」

モナァ(『雷』の使い手の体温から察するに、後1.2分で死に絶えると思われます。それにしてもすごいですね。猛毒の濃霧、あの怪我、更に例の毒を血中に注入されてまだ生きているなんて)

「高ランク冒険者の中でもランクAに限りなく近いと言われていた者の一人ですからね。旦那様、紅茶のおかわりはいかがですか?」

「ありがとうゴリフリーテ」

 血中にあの毒を注入したのだ。最早、高みの見物で十分。逃げる体力も削がせて貰った。この状態で唯一怖いのは、自爆行為に出る可能性がある一点だ。

 だから、『雷』の使い手の遺言を聞いたの後にゴリフターズをつれて『雷』の使い手が落ちてきた穴から華麗に脱出して、死ぬのを眺めながら紅茶を飲んでいるのだ。

モナー(ちょっと残念ですね。あれだけ、丈夫ならば融合臓器の研究材料として無理も出来たでしょうが…お父様達の安全が最優先ですよね)

 その通りだ。無理して確保したり、最後まで無駄な戦いにつきあう必要は無いのだ。

「世の中、安全第一だ。世界で数少ない特別な属性の使い手の最後…同じ特別な属性の使い手として暖かく見守ってやらねばなるまい。そうだろう。ゴリフリーテ、ゴリフリーナ」

「えぇ、旦那様」

「そうですね。死体については、どのように致しますか」

「遺言と一緒に届けるさ。それが紳士の勤めだ」

ギッギーー『そうそう、レイアちゃん!! 今、聞いたんだけど、触手プレイが出来るって本当なの!? そんな大事な事をお母さんに黙っていたなんて…反抗期なのかしら』

 瀬里奈さんがお茶会の場でなんて発言を…それに、誰ですかチクったのは!! 怒らないから、正直に名乗り出なさいと言おうと思ったら、私の足下で一郎が高級そうなメロンを食べているじゃ在りませんか。

 ムシャムシャ

 私と目が合うと一郎が一気にメロンを食べきって、影の中に逃げていった。お父様を売るなんて!! 明日のお食事は魔力だけにしますからね!!
戦争編は、次で終わりです。
その後は、(ゴリフ外伝)ゴリフの結婚前夜をお送り致します。

戦争編が長くなりすぎた…申し訳ありません。
もっと、さくさくと話を進めたかったのですが><
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