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愛すべき『蟲』と迷宮での日常 作者:マスター
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第五十五話:感染拡大(1)

「第2回オーバーラップ文庫WEB小説大賞」の一次選考を通過する事が出来ました。正直、色々と不安がありますがこれからも頑張っていきますのでよろしくお願いいたします。
 『不治の病』と呼ばれる病気がこの世界でも複数存在する。だが、一般的に『不治の病』と言われる病気でも、7割程度の確率で完治する治療法は幾つか実在しているのだ。それが、現実的でないが故に『不治の病』と呼ばれている。

 一つ目が、傷から病まで何にでも効果がある『治癒薬』を使った方法である。無論、重度の病や怪我の度合いによって必要量が増える。高ランク冒険者の年収分くらいの治癒薬を投与すれば大体完治できる。

 二つ目が、モンスターソウル吸収による身体的スペック向上で免疫力を用いて病に打ち勝つと言う単純な方法である。このような方法がある為、『冒険者は病気にならない』なんて諺が有名になったくらいである。高ランク冒険者を雇ってレベリングを行うならば一つ目の手段を取った方が現実的である。なぜならこの手段は、時間も金も馬鹿にならない。それに、病を撒き散らす病人や重度のけが人を連れて迷宮に潜ってくれる酔狂な冒険者がどれほどいるか疑問である。それに、病人にモンスターを攻撃できる程の体力が残っていない。

 三つ目が、『水』の魔法を用いて体に異常のある場所を切除するという原始的な方法である。病の進行度や種類にもよるが、高度な技量が必要とされランクB以上の魔法を得意とする冒険者でも実現できる者は少ないだろう。この方法は、治癒薬を併用する事で成功率をかなり上げる事ができる。ツテが無ければ、術者を見つけられないだろう。

 一般的ではないが、第四の手段も最近出来た。それは、『蟲』の魔法で生み出された蛆蛞蝓を使った医療方法である。『蟲』の魔法の使い手の気分次第で治してもらえる可能性が有るので、一番金が掛からない方法でもある。特に、珍しい病などであれば逆に金が貰えると噂すらある。但し、相手の機嫌を損ねると病より先に死ぬ可能性が高いので注意が必要である。



瀬里奈さんの下から帰ってきて、まだ二週間程度だというのに噂が回ってきたか。

依頼書が貼られているボードを見てみると、義弟達が持っているライトセイ○ーが欲しいので同じ物を作ってくれとか製作者の情報を高額で買いますなどの依頼書が散見される。字から察するに女性が多いそうだが、中には男性の字もある。きっと、ロマン兵器に魅了されたのだろう。

まぁ、材料がオリハルコンという事もあり材料費を捻出できる依頼主がどれだけいる事やら…。無論、このような情報を売る事はしないけどね。

ゴリフターズの実家である『ウルオール』では、義弟達のせいでライトセイ○ーが空前の大ブームになっている。どの鍛冶屋も再現させようと必死に頭を悩ましているのだ。形だけは再現できるが、魔法なしでは蛍光色と音が再現できずに苦労しているようだ。『風』の魔法が得意な魔法使いが魔力を常時消費する事で再現可能のようだが…魔力の消費量がバカにならないらしい。高ランク冒険者でも再現できる物は極僅かというくらいに難易度は高い。

「歓楽街で不治の病が流行しているらしいから、しばらく控えた方がいいかもしれん」

「バカを言うな!! あの人を予約するのにどれだけ苦労したと思っている。この日の為に死に物狂いで金を貯めたんだぞ」

 ネームレスにある歓楽街で不治の病が流行中のようだな。全く、ギルド本部内で下ネタ紛いな話をするなら小声でして欲しいものだ。誰もお前らのそんな下ネタ話など聞きたくもない。

 しばらく、依頼書を見渡してみたが生憎と私にとって楽で美味しい依頼はなさそうである。これでは、夫の稼ぎを実家で待っている妻達に申し訳が立たない。まぁ、実家の領地運営も黒字だから夫の稼ぎなんて不要かもしれないけどね。

 望んだ単身赴任とはいえ、悲しいものだ。お仕事が欲しいのに何も用意されていないなんて、ギルドは職務怠慢だろう。いつもの事ながら…。

「仕方ない。帰るか」

 ギルドを出て宿への帰路に着こうと思ったら、受付からマーガレット嬢がにこやかに微笑みながら歩み寄ってきた。手には、隠そうともしないで依頼書を持っている。

「お待ちしておりましたレイア様。絶妙なタイミングで!! これぞまさに天啓とも言えましょう。こんな人が多い場所では、アレなので奥のお部屋へ」

 嫌なタイミングである。間違いなく、碌でもない内容である事は疑いようがない。

「気遣い不要。これから、宿に戻ってゆっくり休ませてもらうところだ」

「そう言わずに。最高級のワインもご用意しておりますので…先方が。それを飲んでから断っても悪くはないのではありませんか。タダ酒は美味しいですよ」

「タダより高い物は無いという言葉を知っているかねマーガレット嬢。それと、先日私の後を付けてきた愚か者についての謝罪を受けていないようだが。ギルドとしては、そこらへの対応はどうなっているのかね?」

 実家へ帰る途中に始末した愚か者の死体は蟲達にギルドに運ばせておいた。メッセージ的な意味で。着払いで送料を取ってもいいだろう。

「上層部も馬鹿ですよね。ランクAのお二人とレイア様が一緒に居る時に尾行なんて出来るはずもないでしょうに。ですが、依頼書など一切残っておりませんのでギルドとしても何の事だか分かりかねます」

 随分と素直に喋る。それに、ゴリフターズが一緒だった所までは確認済みという事か。これは、私達が向かった場所…瀬里奈ハイヴの位置もある程度推測されていそうだな。今まで殺した尾行者の連絡が途絶えた場所と近隣住民の目撃証言を照らし合わせれば、候補地はかなり絞られる。毎回移動ルートを変えているが限界がある。

 そろそろ、本気でギルドの膿を潰しにかかろうかな。

「今日は随分と素直に喋るね」

「どの道バレているでしょうし…下手に嘘をついても、レイア様は蟲を使って記憶を読み取れるのは知っているので無意味かと存じます。あの蟲に頭をガブリといかれるなら素直に話したほうが幾分かマシです」

 仕事ができる女は違うね。やっぱり、ギルドの老害共が問題なのだろう。末端はこれほど優秀なのになぜ上が腐るのだろうね。ギルド上層部には、マーガレット嬢の爪の垢を。マーガレット嬢には、フローラ嬢の爪の垢を飲ませたいね。

「素直なのはいい事だ。いいだろう、話くらいは聞きに行こう」

 マーガレット嬢は、面倒な依頼を持ってくる時は必ず生誕祭で手に入れた『絹芋虫ちゃん香水』を使ってくる気配りが実にいやらしい限りである。まぁ、言い換えればあざといと言えるのだがね。

「ありがとうございます。奥の個室でギネビア様がお待ちです」

………
……


 ギネビア…私の記憶が確かなら、歓楽街の元締めがギネビア・クローセルという女性だった気がする。元冒険者上がりの切れ者との噂だ。まぁ、今はだいぶ年を取って老婆と言っても差し支えない年齢だったと記憶している。

「ギネビア・クローセル。歓楽街の元締めで隠居したと風の噂で聞いたが…」

「よくご存知ですね。まぁ、そのご本人です」

 マーガレット嬢のやっぱりレイア様もそれを知っているという事はお店に行った事があるんですねという風な顔をしている。全く以って、失礼極まりない限りである。私の女性関係がゴリフターズ以外にもあるかもしれないと言う根も葉も無いくだらない噂が立つのは嫌である。

 ゴリフターズの悲しむ顔は見たくない。

 まぁ、そんな噂を立てる勇気がある者が居たらご挨拶に伺わせてもらうけどね。そして、奥の依頼主が待つ部屋へと入った。身だしなみがしっかりとした気品のあるご婦人が待っていた。歓楽街の元締めという事だから、肥えた豚のようでゲスイ顔をしているかと思えば違ったようだ。先入観というのはいけないね。

「お待ちしておりましたレイア様。ギネビア・クローセルと申します。今、軽食とお飲み物をご用意させていただいております」

「お気遣い感謝します。では、中でご用件を伺いましょう。尤も、受ける保証はいたしませんけどね」

 ギネビアの対面に座った。席に着くと直ぐに、ギネビアの横に控えていた執事らしき人物がグラスにワインを注ぐ。ふむ、感じる魔力と動きから察するにランクC程度かな。護衛としては悪くないレベルだな。

「えぇ、それで構いません。依頼を受けるも受けないも冒険者の自由。それを侵害する権利などどなたも持ち合わせておりませんわ」

 ふむ。話のわかるご婦人だな。

 元冒険者という事だけあって、なかなか話が分かりそうな人物だ。少し気に入った。それに、良質なワインを出してくれるじゃないか。一本でギルド職員の平均月収程度か…悪くない。

 さらに言えば、代理人を立てずに直接本人が来たのもポイントが高いね。貰える物さえ貰えるなら代理人だろうが、気にしないタイプだが誠意を見せるタイプは覚える価値があると思っている。

「依頼内容を伺わせてもらおうか」

「えぇ、最近ネームレスの歓楽街で『不治の病』が流行っているのはご存じかしら?」

「私が知る限り一般的に『不治の病』と呼ばれる物も幾つかあるが、昨今歓楽街で流行っているという物かな?」

 まさかと思うが、『恋の病』なんて馬鹿げた依頼だったら早々に帰ろう。間違いなく『不治の病』とも言えるが、自力で解決しろと言いたい。どうしても解決して欲しいというなら、本人か対象をこの世から抹消するしかないよね。失恋にて解消させてあげよう。

「そんな呆れたような顔を為さらなくても『恋の病』とかロマンチックな物じゃございませんよ」

「人の顔色を読むのは止めてほしいですね。まぁ、歓楽街という事ですし…性病であろう」

 前世でも昔は『不治の病』と言われたこの手の病気が複数存在した。そして、この世界でも同様の病が存在する。まったく、人間というのはどうしようもないよね。気持ちはわかるが、節度を持って欲しいと思うわ。

「お察しの通りです。ですが、事は更に複雑になってきております」

「というと、どういう事かね?」

「私が経営する直営店の子が一人、『不治の病』に掛かった状態で客と駆け落ちしたのよ」

 なんだ、よくある事とは言わないが、年に何度かある事例じゃないか。尤も、商売女との駆け落ちの成功率は極めて低い。なぜなら、そういう輩の対応の為に冒険者を雇っているお店が殆どだからだ。

この世界では奴隷という制度は極めて厳しい厳罰があるから、基本的に歓楽街で働く者達は、借金や生活の為である。

 よって、駆け落ちなどせずとも借金を肩代わりや安定した生活を提供する事を前提に結婚する事でスムーズに身受けできるのだ。

「腑に落ちんな。ギネビアの店は、俗に言う高級店というやつなのだろう。そこに通えるだけの財力がある者が駆け落ちするなど、ありえないだろう。で、続きがあるんだろう」

 ネームレス一番の高級店であるギネビアのお店ナイトムーン。女性と一夜過ごすだけで、私が宿泊しているスイートルームに匹敵するお値段である。………最低価格がな!!

「彼女…アイリスが『不治の病』を発病してからすぐに対策を行ったわ。何故か、ギルドの治癒薬がほとんど無い状況で色々とツテを駆使して完治させました」

 何故かと言いつつ、私の顔を真顔で見るのはやめろ。金を払って治癒薬を買ったのだ、何ら問題あるまい。補充が間に合っていなかったのはギルドのせいだろう。

「だが、治っていなかったという事か」

「はい。数日して、また再発してしまいました。あろう事か、アイリスと同じ療養所に住まわせている者まで同じ病になってしまったのです。勿論、アイリスとの接触はさせておりません」

………
……


「接触がなかった? 単に、第三者からうつされたのではないのか?」

「それは、ありません。その者は既に最初の客が決まっておりましたので表に出すような事はさせておりません。裏方で作業をするのみでした」

「く、空気感染…」

 か、考えたくはないが空気感染したとしか思えない。

 粘膜接触でしか感染しない『不治の病』が治癒薬という特効薬から生き残り、変異したというのか。洒落にならん。早急に原因を消去して、感染の疑いがあるものを隔離せねば何人死ぬがわからん事態だ。というか、性病の空気感染など本気で笑えない。迷惑極まりない。

 まぁ、私自身はその程度の病に掛かるような肉体じゃないけどね。迷宮の猛毒が気化した場所で深呼吸ができるような肉体だから、免疫力は群を抜いている。それに、蛆蛞蝓ちゃんを使えば治癒できる自信がある。万が一、蛆蛞蝓ちゃんでも手に余るならば、更に進化を促すまでだ。

「空気感染? よくわかりませんが、状況がかなりまずいと判断し、直ぐに彼女ごと療養所を焼き払う決断をしました。ですが、残念な事に彼女の上客であった高ランク冒険者がそれを良しとせず連れて逃げ去ったのです」

「高ランク冒険者の風上にも置けないですね。紳士なら、率先して介錯を務めるくらいの意気込みでなければ………で、そちらは対象を取り逃がしたのが?それとも、逃がしたのかどちらなのかな?」

 この場合、意図的に進化した性病を撒き散らすアイリスを逃がした可能性もある。感染が既に拡大しつつある最中、歓楽街の元締めの力を以っても事態の収束に向かわない可能性に現実味が出てきた。故に、頑張ったけど元凶に逃げられましたという猿芝居をうって国家に援助を求める作戦の可能性がある。そうすれば、この事態収拾に掛かる費用負担などは税金になるだろうしね。

「お疑いになるお気持ちもわかります。しかし、相手は剣魔武道会の本選に残る程の実力者で私の手勢では止められる者はおりませんでした」

「剣魔武道会で本選って、まさかクラフトとかいう冒険者の事か!? で、今どこに居るんだ?」

「えぇ、そのクラフトという冒険者です。現在位置は定かでありませんが、『モロド樹海』に逃げ込んだところまでは確認しております。恐らく、アイリスのパワーレベリングを行うつもりなのでしょう」

 そこまで分かっていながら、なぜ私に依頼が来るのだ。人海戦術で迷宮を虱潰しにすればいいだろう。高ランク冒険者だけでパーティーを組ませて挑ませれば、いくらクラフトとて抑えるのは容易のはず。

………
……


「あっ、大改変の時期か」

「はい、それに加えてトランスポートの調整作業も行うようですので一週間は利用できないでしょう」

 大改変とトランスポートの整備…それが分かった上で逃げ込んだのか。うまくいけば、追っ手が来る前に病を治せる可能性もある。だが、元凶が完治したとしても二次感染させられた者達はどう思うだろうね。決して許してはくれないだろう。

「この件は、どのレベルまで知っている事だ?」

「歓楽街で一定以上権力がある者ならば誰でも知っております。ギルドも一部の者は既に耳にしているかと存じます。冒険者の方は、歓楽街によく来る常連の人は知っているかと…」

 要するに、本当に一部の者しか『不治の病』が大流行しつつある事を知らないのか。

「初耳のはずだわ。まぁ、騒ぎになれば治癒薬が売り切れるのは間違いないだろう。故に、噂が広がる前に自分達用の薬を確保しておく算段だったのだろう」

「それもあります。しかし、我々とて無為に時間だけを経過させたわけではありません。ギルド上層部と会談を行いました。そして、優先的に治癒薬を回してくれるように確約も得ました」

「だが、感染した者の治癒薬代金を肩代わりするわけでは無いのだろう。貴方達の不手際によって広まったというのにね。まぁ、最大限の努力はしているみたいだし、そこら辺は別に責めないけどね。で、肝心の依頼内容は?」

 今更だが、肝心の依頼内容について聞いていなかった。幾つか推測が立つが、答えは決まっている。

「そうでしたね。レイア様には、この事態収束へのご協力です。迷宮に逃げ込んだアイリス及びクラフトを始末して欲しいのです。報酬は2億セルご用意しております。病が治っていたとしてもこの事態を招いた者達には、それ相応の報いが必要です」

「その程度の事ならば、私に依頼せずとも達成できるメンバーはいるだろう。で、元凶への対策は理解できた。だが、この依頼…断る!! 」

 二人殺して2億とは良い収入だと思う。だが、感染しないと分かっていても空気感染する性病など近づきたくもないわ!! それに、事態収束の為とか汚い文言を追加している。これは、二人を殺したとしても事態収束の為に別方面でも尽力させるものであろう。即ち、二次感染で広がりつつある対応も行えと示唆しているのだ。

「……理由をお伺いしてもよろしいですか?」

「情報を公開せず、真実を隠蔽したままにしようとしている態度が気に食わない。無論、事態収束の為に努力している。更に、そんな新種且つ感染力が高い性病の始末をつけさせられるなど御免こうむる」

 早急に荷を纏めて、宿を引き払おう。それと、ネームレスの倉庫に眠っている私の私物一式も実家に持ち帰っておくべきだろう。暴動が勃発すれば、ギルドの倉庫の品だって漁られかねない。

「レイア様は、珍しい病気や治癒不能と言われて怪我などを幾つも治されたと聞いております。もし、依頼を受諾して頂ければ二次感染した者を…」

「確かに、怪我や病の治癒は行っている。だが、感染拡大中の『不治の病』だ。貴方達に頼らずとも、患者はたくさん出るだろう。サンプル体など一人居れば十分だ。では、事態収束が出来る事を切に願っております」

 昼食代が浮いた事に対して礼を述べて席を退場した。

 部屋の外に出てみると、何名かの受付嬢がこちらを見ている。何を期待しているかは、よく分かっているので紳士である私が伝える事は一つだ。

「マーガレット嬢、倉庫の鍵を大至急用意してくれ」

「倉庫? 何か必要な物でも? ギルドしても最大限の協力をするようにとギルド長から入れておりますので、倉庫に行かずとも必要な物は至急ご用意させますが…」

 私が素直に依頼を受けたと思っているのだろう。だが、世の中、そんなに甘くはないのだよ。だが、マーガレット嬢含むギルド嬢は仕事の上である程度世話になっている事もあるから忠告だけはしておいてあげよう。

「ギルドの支援などいらんよ。後、顔なじみだから忠告しておく…今の内に貯金叩いて治癒薬を購入しておけ。そして、後は祈っておけ。あぁ、それと二次感染したら私の下に訪れるといい先着一名に限り無償で治療してやろう。……多少の副作用はあるかもしれないがな」

「…えっ!? ま、まさかレイア様。ギネビア様からのご依頼」

「断ったとも。二次感染怖いし、よくよく考えたら2億の報酬額も安すぎるよね。せめて10倍は貰えないと」

 大改編後でトランスポートが使えない状況で迷宮の上層からどこにいるかも分からないクラフトとアイリスと探し当てて始末するなど、本来ならば大規模な人材を導入して行う作戦だ。そう考えれば、2億などはした金だ。

「レイア様!! 領地で事務要員なんて募集していませんか!? ここに事務処理が得意で蟲達に抵抗感がない人材が落ちておりますよ」

「素晴らしい見切りの早さだ。だが、残念だ…当家の人材は、マーガレット嬢が思っている以上に優秀でな。事務処理から戦闘まで何でもこなすメイドが数名いるんだ。では、頑張って仕事に励み給え」

 倉庫の鍵を受け取り、ネームレスギルド本部から離れた。離れ際に見えたが…治癒薬を確保すべく、ギルド職員達が職権乱用をしているのが見えた。
ネームレスの明日はどうなるのかな@@


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