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第四十四話:(過去編)お友達(1)
◆一つ目:フローラ嬢
◆二つ目:ガイウス皇帝陛下
難産でした@@
これでいいのかと作者も思いましたが、大丈夫だ問題無い。
地道にコツコツと下積みを経てランクCまで上り詰めた。
『モロド樹海』の迷宮中層ともなると鋼鉄製の武器では心もとなく、湯水のようにお金を使い装備を整えた。鋼鉄製のナイフじゃ突き刺さらない、刺さっても浅傷程度しかダメージが与えられない事が多く酷い仕様だ。
本当ならオリハルコン製が欲しかったのだが…お値段の0が多すぎて諦めた。高ランク冒険者御用達の価格であったのだ。故に、次点のミスリル製メイスにした。重心が先端にあるので、子供の力でも遠心力が作用して十分な威力が発揮できる。ついでに、ボウガンの矢もミスリル製に替え、蟲の毒を塗りつけて使っている。毒の効果は薄いが、何も無いよりマシであろう。
私が魔法の1つ2つ使えれば大分状況が変わっていたのだろうが…生憎と適性がなさそうだ。まぁ、『蟲』の能力があるから問題はない。
最近になって知ったのだが、『火』『水』『土』『風』の属性だけでなく、特別な属性が存在するらしい。『闇』『雷』『聖』と言う物と受付嬢から教えてもらった。推測の域を出ないが、私の『蟲』の能力もこれに近い物ではないかと予想している。ただし、何分前例が無い為判断のしようがない。
ギィギ(お父様、J分隊が抜かれました!!)
子供達の報告と同時に、3m近いモンスターが息を荒くして現れた。全身に切り傷や突き刺さった蟲の牙などがあり、血を流している。満身創痍な癖に、凄まじい気迫である。
「グリフォンキマイラか…また、面妖な」
尻尾が大蛇、背中にはヤギの頭、翼も生えており飛行すら可能なのだ。全くもって不思議な生物である。航空力学や生物学の学者が見たら、生涯研究材料に困らない事は間違いないと言える逸材だ。
グリフォンキマイラがここまで来たという事は、回した戦力は全滅したか。本当ならもっと余裕を持った戦力を回してやりたかったが…生憎と、それは許されない状況!!
これも、宝箱に目が眩んでしまい飛びついたのが仇となった。
まさか、モンスターハウスに飛ばされるとは酷すぎる。飛ばされたと同時に即座に逃げに転じたが…流石は、ランクC相当のモンスター達だ。あっという間に、退路を塞がれてしまった為、全軍をもって殲滅戦に移行した。
こちらの戦力は、残り4割…敵モンスターの残数も3割と厳しい。
「はぁぁぁぁ!!」
踏み込むと同時に、目や急所を狙って矢を放つがグリフォンキマイラの腕で防がれる。同時に尻尾の蛇がコチラに牙を立てて襲ってきた。持っているメイスを使い蛇の頭を潰す事は出来る…だが、それではダメだ。
目の前のモンスターはランクC相当でも上位に位置する。早急に排除して次のモンスターを始末しなければこちらの戦力がどんどん減るだけだ。
ギ(別に、食われてしまっても構わんのだろう)
「すまぬ」
数匹の大型の蟻が肉壁となり蛇の攻撃を防ぐ。
その隙に、グリフォンキマイラとの距離を詰めた。モンスターにとっても『蟲』を使った攻防は、初めての事で蟲達の自己犠牲精神に驚きを隠せない様子だ。
グーー
走る勢いと遠心力を使い、力任せにグリフォンキマイラの脳天にメイスを叩き込む。見事にぐちゃと潰れる音が聞こえ、頭部を完全に削ぎ落とした。そして、その勢いに乗りヤギの頭の方も2打目で潰した。
「次に強いモンスターどこだ!?」
この二年で私の身体能力は、ついに蟲達を上回った。まぁ、モンスターソウルを全て還元してもらっているし当然の結果と言える。その為、現時点で最高戦力は私自身になるのだ。
その為、強敵には私が当たらねばこの窮地を脱する事はできない。
ギギギ(100m東でF分隊とR分隊が抑えているアーサークロコダイルです!!)
貴婦人に大人気のバッグの材料が!!
「いいか。私が全力で潰して回る!! それまで時間を稼いでくれ。後、すまないが…皆の為に犠牲になってくれ」
肉を切らせて骨を断つ!!
………
……
…
あたり一面にモンスターの死体の山が築かれた。
「もう、無理!! しばらくは戦力補充と自己鍛錬に努める」
モンスターハウスに居たモンスターは全て殺し切った。しかし、生き残った蟲達は、全体の5%と激減である。迷宮内では、ポコポコ復活するモンスターの特性を考えれば、私の方が全滅判定を受ける。
だが、その分収穫が大きかったのも事実である。60体以上居たランクC相当のモンスターからモンスターソウルを吸収したのだ…実感できる程のスペック向上であった。
ギィギ(宝箱なんて嫌いですお父様)
ブブ(ご指示とおり、素材を集めておきましたが…持って帰れますか?)
「ありがとう」
蟻と蜂の子達にお礼を言う。
生き残った蟲達が腹いっぱい食べて余ったモンスターから使える素材を剥ぎ取らせていたのだが…多いな。図体がでかいモンスターも多かったし、素材も必然的に大きくなる。だけど、捨てていくのは勿体無い!! こういっては、あれだが…魔結晶以外の纏まった収入は久しぶりである。是非ともお持ち帰りをしてお金に換金したい。
「とりあえず、素材を持ってここを離れよう。血肉の匂いに誘われてモンスターが集まってくるしさ」
一息つける場所についたら、一郎達と台車を作って下の階層を目指そう。幸い、二層下にはトランスポートがある。マップもあるので最短距離を行けば戦闘になる可能性は低いだろう。
◆
『ネームレス』ギルド本部のカウンターに山積みされるモンスター素材。そういった事は、たまにあるので別に珍しくないのだが…それを持ってきたのが子供となれば話は別である。
「フローラさん、お勘定~。お勘定お願いします」
いつものようにひょっこり帰ってくると思えば…全身血塗れで若干どころでなく臭い。更に、ミスリル製メイスは損傷が激しく。身につけている衣服もアチコチがボロボロで使い物にならなく見える。
「レ、レイア君!! 怪我してない!?」
「いえ、モンスターハウスに飛ばされたので流石に死にかけました。あぁ、まだお風呂に入ってないので臭いので近寄らないでくださいね。とりあえず、精算してもらっている間に体を洗ってくるので」
モンスターハウスと聞いて、周囲の者達がレイア君から若干距離を取る。
その言葉を聞いて、若干耳を疑った。モンスターハウスに飛ばされたという事は、宝箱による強制転移を食らったという事だ。そのような事態になった場合に待ち受けているのは死である。
勿論、高ランク冒険者が居た場合などにはそれに限らないが…レイア君は、ソロでランクC冒険者。そんな、レイア君が同じランクCのモンスターが何十体もいる場所に放り込まれれば、間違いなく死んでしまう。
一体、どんな手品が…。
「とりあえず、精算はしておくから早く綺麗にしてきなさい」
レイア君がギルド本部を出るのを見送る。
「やっぱり、あの子…普通じゃないわね」
同僚の言葉にその通りだと思ってしまう。
9歳という年齢でランクCという事自体が異常なのだ。『ネームレス』ギルド本部だけでなく、世界的に見ても殆どいない。9歳でランクCというのは、ギルド創設から数えても片手で足りるくらいしかいない。直近で言えば、『ウルオール』の『聖』の魔法の使い手くらいである。
良くも悪くも『ネームレス』の冒険者達の中では有名になりつつあった。その為、以前とは比べ物にならない程、お零れに与ろうとする者や固定メンバーへのお誘いなどの話が多く来ている。だが、その全てをレイア君は断っている。
理由は知らないが、人には知られたくない何かがあるのだろう。
「問題も起こさないし、依頼もちゃんとこなすし、実力もあるみたいだし、可愛いし、別にいいじゃない」
「まぁ、その通りなのよね。……で、精算手伝おうか?」
「お願いするわ」
◇
先日、本気で死にかけたので戦力補充と久しぶりに体を休める為、予てより考えていたある計画を実行しようと思う。皇帝陛下の誕生を祝う生誕祭で、蟲達の可愛さを皆に知ってもらう考えである。
なんせ、蟲が人目に付かないように迷宮で狩るのも限界だ。迷宮内で夜な夜な狩りをしているが、完全に人目を憚る事は出来なかったようだ。最近、『ネームレス』ギルド本部で「見た事のない白い蟲が迷宮に居る」という話が出回っているのだ。
迷宮の特性上、決まったモンスター以外存在しないはずなのに見た事も無いモンスターが存在するという事が異常事態なのだ。故に、調査隊まで組まれ始めている。
実は…自己の能力研究する中で、本来ありえない蟲達の異種交配が可能である事が分かったのだ。そして、蟲達が持つ特性を組み合せて強化を図ったのだ。その成果を見る為に実戦を繰り返しているところを見られたのだろう。
「そんな能力が知られれば、間違いなくヤバイ!! だから、蟲達の可愛らしさを全面に出して、ヤバイなど考えられないようにしてあげようという作戦だ。小さな一歩だが大きな前進になるだろう!!」
前世の知識をフル活用して考えたのが…蟲カフェである。なに、ネコカフェという物があったのだ、それの蟲版があっても問題無い。そうだ、夏になればカブトムシなどの昆虫が子供達に大人気だったのだ。これもそれと同じ!!
幸い、モンスターハウスで得られた素材の買取値段が優に5000万セルを超えたおかげで、帝都に家を買う事が出来たのだ。中古物件だが…前の持ち主が謎の自殺をしたとかで、安く買えた。まぁ、その前の持ち主も謎の自殺を遂げたとかで呪われているとか言われたが気にする事でもない。
ギィィ(お父様!! フリルが取れたので結んでください)
何事も形から入るのが大好きで、蟲達にお手製のふりふりが付いた衣装を着せてみた。真っ赤なフリルをつけているので、可愛さが三倍になるだろう…間違いない!!
「結び目が甘かったか悪いね一郎」
まずは、大掃除…それから商品の仕入れとやる事はいっぱいあるぞ!! だが、蟲達が安心して使える未来の為、頑張る!!
………
……
…
蟲達総出で大掃除をして、何とか綺麗になった。だが、壁などが傷んでおり、やはりリフォームする必要は出てくるな。
ギギ(お父様、この衣装…フリルが多すぎて歩きにくい)
「むむ…それは、いけない。商品をこぼす可能性がありますね…作り直すから脱がすよ。バンザーイ」
ギー(ばんざ~い)
その瞬間、お店の扉が第三者によって開かれた。
「この店か…」
店中には、無数の蟲達が居る。じゃれあっている者達もいれば、私の背中に引っ付いて遊んでいる子も居る。
そんな状況を見たら、第三者がどのように思うかは明白!!
ハーフプレートにフルフェイスのヘルムを被り、腰にはオリハルコン製だと思われるサーベル。身に纏う雰囲気から察するに間違いなく高ランク冒険者!!
その瞬間、冒険者がサーベルに手をかけてコチラに踏み込んできた。
速い!! 私より数段上の実力者だ。
狙いは誰だ…私か、それとも蟲達か。この状況下で一番危ないのは…
「一郎!!」
即座に一郎引っぱたいて横に吹き飛ばした。その瞬間、一郎が居た場所に床に綺麗な刀傷が出来ていた。
一撃目が来る前に、冒険者から距離をとり全軍を呼び出す。
「これは、何とも…」
「どこの誰だか、知りませんが…いきなり殺す気で襲ってくるとは。こちらのそれ相応の対応を取らせていただきます」
高圧的な物言いをしているが…こちらの戦力は、とてもまずい状況である。先日の戦闘で減った蟲の補充も碌に行えていないのだ。
「やめておけ。こちらが広範囲魔法を使えば、小僧は死ぬぞ」
「………何が目的です。金ならカウンターの袋に入っているので持って行ってください」
剣だけでなく魔法も使える冒険者か…実に厄介だ。しかも、装備も一級品。金ならくれてやるから出て行け。
「物取りじゃないぞ。ただ、ここにレイアという者がいるはずだ。そやつに会いに来たのだ」
「レイアは、私ですが何か?」
「お主は、男だろう? 女性のレイアという者がおるだろう」
何を言っているのだ、この男…。
「…はぃ? いいえ、おりませんよ。この場に居る人間は私だけですし。レイアというのは私の名前ですが」
「そ、そんな馬鹿な!! 我が全痴全能を司る神器『プロメテウス』の導きで男だと!! ありえん!? お主!! 姉か妹、もしくは母親でレイアという名の女性がいるだろう!? 頼む、居ると言ってくれ」
何やら、ものすごく必死に思える。フルフェイスの隙間から見える瞳から必死の一言が読み取れる。
あまりの事態に、蟲達もどうすればいいか困っている。勿論、私も困っているのだ。
「残念ながら、身内知り合い含めてレイアという名前は私一人ですよ」
「お主、実は女……じゃないな……私のセンサーが反応しないからな。はぁ~、まぁよい…とりあえず喉が渇いた。この『蟲ダシコーヒー』を1つ頼もうか。それと、すまなかったな。てっきりお主が襲われていると思ってな」
さも当然とメニューの中から『蟲ダシコーヒー』を注文してきた。そして、懐から治癒薬を取り出して一郎に渡しているあたり、なかなかの紳士だと見受けられる。
「おじさん、実はいい人? 最初の一撃はアレでしたが、蟲達に対して何ら不快な感情を抱いていませんよね?」
「警戒しとるが不快には思っておらんの。見る限り、こやつら全てお主…レイアの命令には絶対服従っぽいしな」
とりあえず、様子見をしようと思う。蟲達をみてもこの態度…もしかしたら、良縁かもしれない。高ランク冒険者に認められれば、そこから蟲達が認められる可能性がある。
「お代は頂きますからね!! 一郎、お絞りを出してあげて」
ギィギ(はーい)
◆
神器プロメテウスの導きで少しオンボロのお店に入ってみれば迷宮の蟲達が店内に引きめき合っていた。そして、アルビノの少年が蟲に取り付かれており考えるより先に手が動いたのだ。しかし、ワシの先手が空振りさせられるだけでなく即座に反撃に転じる機転の速さに関心を覚えた。
白い蟲達を自在に操る魔法…そんな魔法など見た事も聞いた事もない。だが、心当たりだけはあったのだ。
最近、隣国で発見された『聖』の属性。特別な属性である。
『新生エルモア帝国』は、四大国の一つと言われているのに未だにそのような特別な属性の発現した者の発見に至っていない。
だが、それも今日でおしまいだ!!
レイアと名乗る者が使っているのは、間違いなく未知の属性!! なぜ、神器プロメテウスの導きで発見されたかは定かでないが、細かい事などどうでも良いわ。何としても、こちらに取り込まねば。
レイアに用意された蟲ダシコーヒーを飲んでみる。豆の代わりに蟲からダシを取るらしく…そんな蟲など聞いた事もない。
「旨いな…王宮御用達に匹敵するぞ」
実に味わい深いコーヒーである。蟲ダシという事で若干毒などを警戒していたが、気にするまでもなかった。普通に旨い!!
「ありがとうございます。………で、まだお店の宣伝もしていないし。私の名前もなんで知っていたのですか?」
「お互い疑問に思う事が多いだろうから、交互に質問していこうじゃないかレイアよ。儂の名前はガイウスという…ほれ、この顔に見覚えがあるだろう?」
………
……
…
「知らない…おじさん有名人?」
この国の最高権力者にして、冒険者としても名を馳せた事があるこの儂を知らないだと!! 生誕祭であちこちに肖像画が飾られているにもかかわらず、どういうことだ!?
「そんな馬鹿な!? まて、ならばこれならどうじゃ!! 神器プロメテウスじゃ!! これは流石に知っているだろう?」
「この魔道書っぽいがあの有名な神器ですか? 確かに、おぞましい気配を感じますが…本物を知らないので判断に困ります」
本物を知っている者など殆どおらぬから仕方がない。まぁ、よいその内、王宮にでも招待すれば嫌でも分かってくれよう。驚く顔が目に浮かぶわい。
「そうか…では、こちらからの質問じゃ。冒険者経験がそれなりに長いと自負しているが…この店にいる蟲で何匹か見た事も無い蟲がおる。あれは、どこから手に入れてきたんだ? 新種ならばギルドに申請して登録をしてもらう必要があるじゃろう」
蟲ダシコーヒーに使われているモンスターもそうだが…。図鑑でも迷宮でも見た事がない。これほど有用な蟲ならば、儂の耳に入っても不思議じゃないのだがな。
「あの子達は、私が一から生み出したモンスターなのでここにしかおりません。元となる蟲は確かにおりましたが、魔力を使い異種交配を繰り返した結果、誕生した子供達です」
さ、さらりととんでも無い事を。いや、待てよ…。
「どのような方向性に進化または能力を持たせるかはレイアが調整可能なのか?」
「まぁ、可能です。限度はありますが、時間と魔力を使えば大体思い通りの蟲を生み出す事ができます」
神器プロメテウス…全痴全能を司ると言われるだけの事はある。まさか、このような形で儂の欲望を満たす回答を示すとは!! 後で綺麗に磨き上げてやるわ。
「レイアよ…蟲の中には、人の精神や夢に干渉する蟲が居るらしい」
「変わった蟲も居るんですね。初めて聞きました」
「生息域が迷宮下層だからな…それに絶対数も少ない。だが、レイアが希望するならこのガイウスが必ずは手に入れてみせよう」
「うーーーん、もしかしてエロい夢を見たいからその為の蟲が欲しいと。見返りは?」
「その通りだ!! 話が早い。『新生エルモア帝国』皇帝が後ろ盾となってお主の『蟲』の魔法を世界に認知させよう。更に儂が連れて行ける場所までに限られるが『モロド樹海』の蟲系モンスターを好きなだけ集めさせてやる」
レイアが悩んでいる。だが、結果は見えておる。こやつの魔法は危険である。新種の…それこそ対人特化の蟲系モンスターを生み出す事が出来るのだ。下手な迷宮よりタチが悪い。まぁ、他の特別な属性も十分危ないがな。
「皇帝陛下に顔が通じるほどのお人でしたか。その条件乗った!! さっそく、皇帝陛下にお目通りをお願いしたいので手配を願います。この格好じゃ、アレなので早急に服を用意するので生誕祭が終わったくらいがいいかな…」
「いやいや、なーに大丈夫だ。それに『蟲』の魔法を世界に周知させるには生誕祭はもってこいだ。なんせ、各国の使者達が集まるのだぞ…よい、デモンストレーションになるだろう? 明日の夜に迎えの者をこさせよう。楽しみにしているがいい」
『ウルオール』の使者がどんな顔をするか楽しみだわ。自国の王女が『聖』なんですよとデカイツラはさせぬぞ!!
次の日の夜…世界に『蟲』の魔法が認知された。
神器:全痴全能の書『プロメテウス』…全知全能の書の劣化版。主に痴に関する部分の能力しか有していないが、その性能は極めて高い。あらゆる質問に対して最適解を教えてくれる。ただし、エロ方面限定でだが。
例1:(質問)お金が欲しい
全知全能の書の回答:
埋蔵金の隠し場所、宝くじの当選番号、不正を行っている貴族情報など
全痴全能の書の回答:
ウ=ス異本(薄い本)を書いて出版する。ネタは○○○で行きましょう。出演はXXXと○○○が理想の組み合わせです。
例2:(皇帝陛下の質問)永遠の1○歳で、昼は淑女で夜は情婦。男を立ててる。気配りができる。床上手。料理上手。スタイル抜群。そんな男の夢を全て叶える女性はどこにいる?
全知全能の書の回答:
いません。どうしてもと、言うならばレイアという者を尋ねなさい。住所は………
全痴全能の書の回答:
いません。どうしてもと、言うならばレイアという者を尋ねなさい。住所は………
みたいな感じの神器ですヽ(・∀・)ノ

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