東京から1時間で手軽にハイキングを楽しめるので、よく行く高尾山。今朝も起きたらハイキング気分だったので行ってきた。
天気予報では30度になるとのこと。ミネラルウォーターを、二本、リュックに入れて、のんびり登っていく。
鳥のさえずりにドクダミの花が迎えてくれる。
「あーるこー、あーるこー、わたーしはー、げんきー♪」僕は鼻歌まじりに、ずんずん登っていくと、カミキリに出会った。
「よう!俺はカミキリ太郎だ。お前、なんか恥ずかしいヒミツはねーか?」と言う。
「あるには、あるけど、カミキリに言うことじゃないし」と僕は言った。
「なんだよ。ケチらずに教えろよ、兄弟。もしかしたら力になれるかもしれねーしよ」とカミキリは言った。
僕はしばらく考えた。しゃがんでカミキリにぶつぶつ言う僕に、行き交うひとびとが可哀想に、といった視線をぶつけてくる。
「そーだな。ブログでお話を書いてるんだけど、どうしても、黒さがにじみ出ちゃうのを消そうとしてることかな」と僕は言った。
「ふーん。大したヒミツじゃねーな。でも、教えてくれたからこのチケットやるよ」と言って山頂の方へ飛んで行った。
チケットを見ると『天狗ラーメン券』と書いてある。しばらく行くと、ラーメン屋があったので、天狗ラーメンを注文して、食べた。
スープは白ゴマ仕立てであっさりしつつ、細麺によくからみ、香ばしいうまさ。天狗の棒は山芋と雑穀米を練ったもので美味しいし、意外と腹にたまる。これは、うまい!
「あーるこー、あーるこー、わたーしはー、げんきー♪」僕は鼻歌まじりに、ずんずん登っていくと、こいぬに出会った。
「よう!俺はパピヨンのパッピーだ。お前、恥ずかしいヒミツはねーか?」と言う。
「そーだな。ブックマークいらないフリしてるけど、欲しいことかな」と僕は言った。
「ふーん。大したヒミツじゃねーな。でも、教えてくれたからこのチケットやるよ」と言って山頂の方へ走って行った。
チケットを見ると『天狗のお面券』と書いてある。しばらく行くと、お面屋があったので、天狗のお面をつけて、あるいた。
「あーるこー、あーるこー、わたーしはー、げんきー♪」僕は鼻歌まじりに、ずんずん登っていくと、日テレのADさんに出会った。
「すみません、お兄さん、何か秘密を話してもらえませんか?面白ければ、放送されて3万円もらえますよ」と言う。僕は話した。
ADさんは、残念そうな顔で「もう、そのネタは、カミキリ虫と子犬が話しちゃったんで、使えないっす」と言った。なるほど。
高尾山頂につくと、ベンチでペットボトルの水を飲んだ。隣の席でカミキリ虫と子犬が3万円の使い道について真剣に話してた。(1100字)