[PR]

 バングラデシュの首都ダッカで1日午後9時(日本時間2日午前0時)ごろ、外国人に人気のあるレストランに武装した男らが侵入。客ら少なくとも20人を人質に取って立てこもった。2日午前7時40分ごろから治安部隊が突入。周辺に銃声や爆発音が響いた。日本政府は、人質に日本人がいる可能性があるとして、対応に乗り出した。

 萩生田光一官房副長官は2日、官邸で会見し、「ダッカ市の首都警察から現地大使に入った情報によると、突撃の結果12人が救出され、うち2人が外国人の模様だ。12人は病院に搬送された。この中に日本人が含まれているかどうかは確認中だ」と述べた。

 人質を巡る現地メディアの情報は交錯している。AP通信は当局者の話として「人質13人を救出し、立てこもり犯6人が死亡した」と伝えた。別の幹部は地元紙デイリーサンに「日本人とインド人を含む15人を救出」と語った。また、スリランカ外務省は「スリランカ人2人が救出された」とツイートした。

 この事件を巡り、過激派組織「イスラム国」(IS)系列のメディアが2日未明、「外国人を含む24人を殺害した」とするISの声明を伝えた。治安当局は内容を否定。突入の前までに、武装グループ側との交戦で治安部隊員2人が死亡、約20人がけがをしたとしている。

 突入後、内部で5人の遺体が見つかったとの情報があるが、人質か、武装グループ側なのかは明らかになっていない。

 グループは最大で9人ほどで、「神は偉大なり」とアラビア語で叫んで発砲。外国人らを人質に立てこもった。駆けつけた治安部隊に爆発物を投げたり銃撃を加えたりして、死傷者が出た。

 ロイター通信によると、イタリアの駐バングラデシュ大使は人質にイタリア人7人が含まれると述べた。

 現場は大使館や高級ホテル、レストランなどが並ぶ高級住宅街のグルシャン地区。外国人が多く暮らしており、警備は比較的厳しく、治安も良好な地区とされる。だが、昨年9月には同じ地区で、援助機関で働くイタリア人男性が殺害される事件が起き、ISを名乗る犯行声明が出た。(ニューデリー=貫洞欣寛

こんなニュースも