新・週刊フジテレビ批評

ハテナTV

字幕放送はどう作っているの?

DATE : 2015.04.11(土)

CATEGORIES : | ハテナTV | 技術・美術 |



テレビのリモコンについている「字幕ボタン」を押すと、画面に文字が表示される。これは耳の不自由な方のテレビ視聴をサポートする「字幕放送」と呼ばれるサービスで、番組中のセリフやナレーションだけでなく、携帯電話が鳴る音や足音などの効果音も字幕で説明している。
しかし、ドラマなどと違い事前に字幕を入れることができない生放送では、一体どのようにして字幕を入れているのか?そこにはキーボードを巧みに操る達人の姿があった。
東京・新宿区にあるスピードワープロ字幕放送センターで、生放送の番組に字幕を付けていたのは、生放送の音声を聞き取りリアルタイムで打ちこむ高速入力の達人。そのスピードは1分間に300文字を超えるという。使用していたキーボードは通常とはキーの配置と数が異なる、10個のキーだけが横一列に並ぶもの。高速入力を可能にする秘密はこのキーボードにあった。実は複数のキーを組み合わせて打つことで、長い単語や文章を一発で打つことができるのだ。打ち込める言葉の種類は全部で3000種類以上。これら全てを覚え使いこなすためには、専門学校でおよそ3年間訓練する必要があるほど高度な技術だという。
そんな技術でも“越えられない壁”があった。それは字幕を打ち終えてから画面に表示されるまでの時間だった。実は入力者が打った字幕は、間違えがないかもう一人がチェックしてから画面に出されており、表示されるまでにおよそ8秒の時間が掛かってしまうのだ。
その誤差を解消する機械、それが「テレビ録字機」というもの。市販されている「テレビ録字機」を利用者がテレビにセットして、字幕の遅れを無くすことができるという。仕組みは、映像と音声を放送から8秒遅れて表示させることにより、字幕放送の表示と一致させるというもの。
これらの字幕放送の取り組みについてフジテレビ編成部・字幕担当の関谷陽子副部長は「字幕放送はまだあまり知られていないかもしれない。耳の不自由な方も含めすべての方々にテレビ番組を楽しんで頂けるよう、できるだけ多くの番組に字幕を付けていきたい。」と語った。

コメンテーターの古市憲寿氏は
「自動音声認識の技術は進歩してきているので、今後はその中で字幕入力者がどのように活躍できるのかが気になる。」とコメントした。
 

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