イチロー２試合連続マルチ　メジャー３０００安打へあと１２

　【ニューヨーク穐村賢】イチロー、Ｍ１２！　大リーグは６月２９日、各地で行われ、マーリンズのイチロー外野手（４２）は敵地デトロイトでタイガースとの交流戦に「１番指名打者」で先発。５打数２安打で２試合連続マルチ安打をマークし、メジャー通算３０００安打にあと「１２」とした。ヤンキースの田中将大投手（２７）はレンジャーズ戦に先発。６イニング８安打６失点とＫＯされたが、チームが９回に４点差をひっくり返す９−７の逆転サヨナラ勝利を収め、田中は今季３敗目を免れた。

　栄光へのカウントダウンが、急加速している。イチローは２回２死三塁で、中堅左へ流し打つ適時打。さらに８回の最終第５打席は、２球で追い込まれながら、内角低めのカットボールを中前にはじき返した。２試合連続、今季１６度目のマルチ安打。一塁上では、こちらも殿堂入りが確実なカブレラ一塁手が背中から抱きついて敬愛の意を示し、イチローが苦笑いする場面もあった。

　これでメジャー通算３０００安打まで、あと「１２」。６月２９日の球団地元紙マイアミヘラルド（電子版）によれば、背番号５１は「報道陣が教えてくれないと、自分では安打数は分からない。毎日が自分にとっては同じ。これまでの自分を見てもらえれば分かるように、特別な記録が近づいているからといって変わることはない」と冷静に語った。

　とはいえ、このカウントダウンは周囲にとっては一大事だ。共同電によれば、２０１２年の三冠王で、通算４２６本塁打のカブレラは「５０００安打にも到達できるよ」と冗談めかして敬意を表現。球団地元紙サウスフロリダ・サンセンティネル（同）は「イチローが球宴に猛アピール」との見出しを打ち、マーリンズのマッティングリー監督は「年を取らない感じだ。まだほとんどの選手より足も速く、守備も良く、肩も強い」と、あらためて驚嘆した。