言い方がきつい人の5つの特徴と対策方法について
言い方がきつい上司の下で働いていたり、親子、兄弟、配偶者といった身内に言い方がきつい人がいて悩みの元凶になっている。言い方がきつい上司のせいで、会社のみんなが憂鬱になっている。
このような悩みを持っている人も多いのではないだろうか?
そこで今回は、言い方がきつい人の5つの特徴と対策方法について紹介します。
1.言い方がきつい人の特徴
1-1.言い方がきつい人はあなたの自尊心を傷つける
言い方がきつい人はあなたを批判したり、叱責したり、冷笑したりして、あなたの自尊心を傷つけます。自尊心が傷つけられると、ストレスで内臓全体に鈍い衝撃がきます。これがもとで体調を崩したりする原因にもなります。
毎日の苦悩と悲劇がこの言い方がきつい人のせいだ、という人もいるでしょう。
深刻なのは言い方がきつい人は個人の自尊心をかき乱すことなのです。自尊心はいわゆる自己肯定感のことです。自尊心が傷つけられると情緒の安定を失い、自分を信用することができなくなります。自分自身の能力に懐疑的となってしまい、何もできなくなってしまうのです。
うつとは例外なく自尊心を失った状態です。その意味では「きつい人」は大変かつ迷惑な存在なのです。
1-2.言い方がきつい人は、相手を傷つけているという自覚がない
言い方がきつい人は自分の行為の罪深さを認識していません。「当然のことを言ったまでだ」と思っているはずです。それどころか「相手のためを思って一肌脱いでやった」と思っているかもしれません。
言い方がきつい人が引き起こすトラブルは反復し継続するのが特徴です。会社や家庭で言い方がきつい人と顔を突き合わせている限り、トラブルは避けて通れません。言い方がきつい人との葛藤が日常茶飯事になってしまうわけです。
昨今は言い方がきつい人がもとで心の病になる人が増えて、社会問題にもなっています。
現代人は昔の人と比べて精神的にデリケートなのです。
1-3.言い方がきつい人の考え方
言い方がきつい人は、以下の二つの考え方をする人と考えられます。
① 自分と意見の異なる相手は人格・あり方が間違っている。だから変えるべきだ。
② 相手の欠点・誤りは相手を批判することで変えられる。だから批判するべきだ。
同時に「きつい」人は②のように考えるものです。相手の欠点や誤りは批判することで変えられると信じているわけです。だから、それを批判して変えようとします。
こうした人は、相手が聞き入れないと声を荒げる傾向があります。相手がお客とか上司とか目上でもない限り、だんだんと声がとがっていきます。
こんな相手が仮にあなたを批判したとします。あなたは大きな心理的葛藤を抱え込むことでしょう。この心理的葛藤は問題解決には全く関係がなくて、単にあなたの精神的エネルギーを浪費させます。問題解決どころか、対人関係も悪化しいます。
相手を批判して人間関係をつくることは不可能です。「きつい人」というのはここのところがわかっていないのです。また、今後ともわかる見込みのない人でしょう。
「きつい」人はこう言います。
「君のためを思って言ってあげてるんだよ」
「あなたのためを思って言ってあげてるのよ」
相手を批判してこそ、相手は変わる。それが愛情であり、その結果、尊敬を勝ち得て人間関係をつくれると信じているのです。実際は自分の感情のおもむくまま発言しているに過ぎませんが、裏にはこうした大義名分があるのです。
1-4.言い方がきつい人は、外的コントロールで相手を変えようとする
言い方がきつい人は、批判する、責める、文句を言う、ガミガミ言う、脅す、罰する、といった外的コントロールで相手を変えられる、いや変えなければならない、と信じ込んでいます。その結果、お互い不愉快極まりない思いをして、ストレスを抱え込んでいるのです。
人は外的コントロールで一時的に強制はできます。しかし、内側から変ることはできません。
1-5.外的コントロールは百害あって一利なし
上司が部下に外的コントロールを使えば、部下に対して「気持ちの整理」を要求してしまいます。しかし、部下が上司の批判に対して「気持ちの整理」をすることは問題解決に何の意味もないのです。単に「上司の気がすむ」だけなのです。
部下は「気持ちの整理」をするのに多大な精神的エネルギーを浪費します。その分だけ、「行動の策定」にエネルギーが回らなくなります。つまり精神的エネルギーのロスがはなはだしいのです。
また、外的コントロールを使うことで人間関係は悪化します。部下が傷ついた度合いに比例して、上司を避けるようになります。その結果、上司と部下のコミュニケーションも悪化することでしょう。
上司が部下の批判を日常的に繰り返していると、職場の雰囲気は良くありません。百害あって一利なしなのが外的コントロールなのです。
「上司の気がすむ」代償の積み重ねは会社にとって深刻な問題になります。
2.言い方がきつい人の対策方法について
2-1.そういう人なんだ、と思うようにする
言い方がきつい人は批判することで相手を変えられると思っています。そのため、相手が素直に反応しないと、ますます感情的になります。
でも、外的コントロールで相手を変えることはできません。言い方がきつい人はこの事実を受け付けません。つまり思考が停止しているのです。
言い方がきつい人の行動パターンはいわば「習性」です。もし、外的コントロールにこちらが外的コントロールをもって応じても、不毛です。
犬のエサを横取りしてかまれても、それは犬が悪いのではなくて、犬の習性を理解しなかったこちらが悪い、と考えますね。
言い方がきつい人もこれと同じように考えましょう。もし、あなたが言い方がきつい人の外的コントロールに対して外的コントロールで応じていたのなら、犬のエサを横取りして咬まれたのと同じじゃないか、と思うことです。
こう考えれば、言い方がきつい人の外的コントロールは見ていて滑稽になってくること請け合いです。
相手はそういう習性を持っているのです。その習性をうまくかわしましょう。
とにかく、こちらが相手の批判さえしなければ、人間関係がベストとは言えないまでも、なんとかやっていけるものです。
批判したら最後、せっかの人間関係も一瞬のうちに壊れてしまいます。
2-2.責めてくる相手には持久戦でかまえる
叱責や立腹といった高圧的な態度を取るのは通常、上司や顧客といった性格の相手です。こういった相手に、
「お言葉ですが・・・」
「いえ、そうではありません」
などと反論すれば、
「こいつは自分の非を認めようとしない我の強いやつだ」
と相手はますます激高します。これでは問題はこじれるばかりで、ストレスはますます高まります。
「すみません、すみません、全くおっしゃる通りです。まことに申し訳ございません」
とぺこぺこ頭を下げて詫びていれば、相手だって際限なく怒るわけではありません。いずれは疲れてきます。そして最後にこう言うことでしょう。
「まあ、そういうことだ。君、わかったかね」
この瞬間に相手が感情の世界から理性の世界に移動するわけです。
このタイミングではとがった声が穏やかに変わります。このタイミングで、
「はい、おっしゃる通りです。しかし、実はこういう事情もありまして」
と弁明しましょう。相手はすでに感情の世界を抜け出ているので、言うだけ言ったと負い目もあるので、あっさりわかってくれる可能性が高いのです。
相手が感情の世界にいるうちは決して、
「いや~・・・」
「でも・・・」
「しかし・・・」
などと反論してはいけません。相手が感情の世界を抜け出るまでは、ひたすら頭を下げ続けて理性の世界に移動するまで待ちましょう。
2-3.イヤな相手に反発すれば、こちらもイヤな奴になりさがる
言い方がきつい人は人間理解にあたって、相手のアラ探しをします。相手はこうあるべきだという期待感を強く持っています。
人間関係のトラブルは、イヤな相手に対処する側にもある種の共通点があるのです。
それはこちらも相手と同様に、アラ探しで相手に接しているということです。こちらも相手から見ると「イヤな奴」です。結果的には、イヤな相手に影響されて、こちらも「イヤな奴」になり下がっているわけです。
もっとやさしく言ってほしい、目上なら目上らしくふるまって欲しい、と思っている限り、相手に対する批判は顔に出ます。その結果、こちらの思いは相手にもわかってしまいます。この状態では、こじれた人間関係が解消する見込みはありません。相手に「なんてイヤな奴だ」と思われるだけです。
こじれた人間関係を解決するために必要なのは、「ゼロから出発して、期待感を捨てる」ということです。言い換えると、「相手はこういう人なんだ」という考えから出発するわけです。
こじれた人間関係で見られる最も顕著な現象は、お互いがお互いを「イヤな奴」と思っていることです。逆に言うと、自分が相手に対してイヤな奴でなくなれば、人間関係は好転することになるのです。
どうすれば、自分自身が相手に対してイヤな奴でなくなるのでしょうか。それは前向きな言葉でこちらの批判を悟らせないことです。相手の長所を探し、前向きの言葉を発する限り、こちらの批判が伝わりにくくなります。
2-4.期待感を捨てて上司に接する
上司と向き合うには、長所を探すことを心がけて期待感を捨てる必要があります。
上司という存在は、まず扱いにくいと考えるべきです。理解のある上司もいないことはないのですが、個性のきつい人がけっこう多いものです。通常、実力的に上ですから、生半可なことでは太刀打ちできる相手ではありません。それに「殿様扱い」を要求する傾向があります。
こんな相手に対して、「上司はこうあるべきだ」という期待感で接すれば、うまくいきません。期待感を持った上に相手のアラ探しをすれば、
「なんてひどいことを言うんだ」
「なんて自分勝手なんだ」
「なんていいかげんなんだ」
と腹を立てて失望するばかりになります。面従腹背の態度でいると、絶対に顔に出ますし、オーラとして伝わるものです。
しかし、ゼロベースで相手の長所を探す考え方で迎え撃てば心穏やかです。つまり、
「そうゆう人なんだ」
と考えれば、すべてを受け止められます。
好意的な部下や、少なくとも敵意の感じられない部下に対しては、上司も引き立てて、使って行こうと思うようになります。
2-5.パワハラもどきの上司には、クレーム処理係として対応しよう
パワハラもどきの言動に訴える古いタイプの上司は世間に数多くいます。こうした人物は批判や叱責することによって他人は変えられる、いや変えなければならない、という信念を持っています。
パワハラもどきの上司にきつい言い方をされた場合、どうすればよいのでしょうか?
第一に、自分を被害者として考えない事です。被害者と考えたら、相手に対する批判は止まりません。もっとやさしく言って欲しい、目上なら目上らしくふるまって欲しい、という思いがあるなら、相手に対する批判が顔に出でしまいます。
その結果、こちらの思いは相手に伝わってしまいます。これでは、人間関係が改善する見込みはありません。
そうならないためには、自分をクレーム処理係と思うことです。上司だと思わず、相手をお客だと思うのです。
クレーム処理係は絶対お客の批判をしません。「あ、こういう人なんだ」という健全な絶望感から出発します。そうして、決して挑発に乗らず、反発を気づかせないようにするのです。
納得のいかない叱責を受けても口答えせず、
「はい、わかりました」
「たしかにその通りです」
「まことに申し訳ございません」
とサラリと言って、身をかわすのです。クレーム処理係の対応はまさにこれです。こうした受け答えがきっかけで、相手は、
「なかなか素直な奴だなぁ。憎めないな」
と思ってくれます。そうすれば、人間関係のこじれは回避できます。
2-6.問題点を指摘されても必要以上に反応しない
きつい言い方で指摘されても、必要以上に反応しないことが大切です。まじめな人ほど、悲観的に反応してうつに追い込まれるものです。そうならないためには、指摘された問題点より指摘されなかった良いところに焦点を合わせ、冷静にバランスを見ましょう。
「この点は言われたほどひどくはないな」
「ここまでは現状で問題ないはずだ」
「誰がやってもこの件は同じ結果だろう」
と考えるのです。そうすると、きつい言葉の勢いで必要以上にマイナス方向に誇帳されていることがわかります。自分の現在いる位置がそう悲観したものでもないな、と納得できたら、心を切り換えることができます。
その結果、短時間で受けた屈辱を忘れてしまい、相手を許すことができます。そうなれば今度は、
「あの人はあんな人だが、評価できる点もあるな」
と相手の長所を見ることができるようになってくるのです。その結果、言い方がきつい人との人間関係も決定的に悪化はしないものです。
以上である。
どうだろうか。
言い方がきつい人は外的コントロールを使い攻撃的な性格であるため、生やさしい相手ではない場合が多いのです。
言い方がきつい人への対処法は相手の感情を承認したり、きつい言い方に対して過剰に反応しないなど、自分の考え方を変えることが一番の対策方法になるでしょう。
そのような人とうまくつき合っていくためにも、ここで挙げた言い方がきつい人の5つの特徴と対策方法を参考にしてほしい。
まとめ
1.言い方がきつい人は、相手の自尊心を傷つける。
2.言い方がきつい人は、自分の行為の罪深さを認識していない。
3.言い方がきつい人は、相手の欠点や誤りは批判することで変えられると信じている。
4.言い方がきつい人は、外的コントロールで相手を変えようとする。
5.外的コントロールは、百害あって一利なし。
6.言い方がきつい人の習性をうまくかわすように心がける。
7.叱責や立腹されても、相手が感情の世界を抜け出すまでは我慢して頭を下げ続ける。
8.イヤな相手には、前向きな言葉でこちらの批判を悟らせないようにする。
9.上司には期待感を捨て、相手の長所を探す。
10.パワハラ上司には、クリーム処理係を意識して対応する。
11.言い方がきつい人に問題を指摘されても、必要以上に反応しない。