男性の平均給料は33万5千円、女性の平均給料は24万2千円
2016/06/10
自分の給料が少なくて不満に思っている人も多いのではないだろうか?
実際、正社員になりたいあなたへでも取り上げたように、給料に関する悩みが上位になっている。
サラリーマンにとって、給料の多い、少ないは家族を養うためにも切実な問題なのである。
今回は、そのような疑問を持つ人のために厚生労働省が平成28年2月18日に発表した「平成27年度賃金構造基本統計調査の概況」(平成28年5月1日時点での最新情報)にもとづいて学歴や雇用形態別などで見た日本の平均的な給料を見ていきたいと思う。
この記事を参考に、自分の給料と比べてみてほしい。
用語の意味
「賃金」とは、1月分の所定内給与額(基本給、職務手当、精皆勤手当、通勤手当、家族手当などが含まれる。また、残業手当や休日出勤給などは除かれる)をいう。
「正社員・正職員以外」とは、正社員・正職員に該当しない者をいう。
「年収」は、賃金×12カ月で計算。ここでは、残業手当や休日出勤給、ボーナスなどは、計算に含まれていない。
1.労働者の賃金
1-1.男性労働者の賃金
年齢 43.1歳
勤続年数 13.5年 |
335.1千円
|
年収 | 約402万円 |
1-2.女性労働者の賃金
年齢 40.7歳
勤続年数 9.4年 |
242.0千円
|
年収 | 約290万円 |
男性労働者の賃金は335.1千円となっており、女性労働者は242.0千円となっている。
両者を比べた場合、賃金および年収に大きな差があることがわかる。
2.学歴別による賃金
2-1.学歴別で見た男性労働者の賃金
2-1-1.大学・大学院卒
年齢 42.0歳 勤続年数 13.1年 |
402.5千円
|
年収 |
約483万円 |
2-1-2.高専・短大卒
年齢 40.3歳 勤続年数 12.0年 |
308.8千円
|
年収 |
約370万円 |
2-1-3.高校卒
年齢 44.1歳 勤続年数 14.0年 |
288.2千円
|
年収 |
約345万円 |
2-2.学歴別で見た女性労働者の賃金
2-2-1.大学・大学院卒
年齢 35.2歳 勤続年数 7.3年 |
287.8千円
|
年収 |
約345万円 |
2-2-2.高専・短大卒
年齢 40.1歳 勤続年数 9.6年 |
252.5千円
|
年収 |
約303万円 |
2-2-3.高校卒
年齢 44.2歳 勤続年数 10.6年 |
207.7千円
|
年収 |
約249万円 |
男女ともに学歴が高いほど、賃金も年収も高い傾向にある。
特に男性労働者の場合、「大学・大学院卒」と「高専・短大卒」とでは賃金に100千円以上もの差があり、年収だと140万近くも差がある。
3.企業規模別による賃金
3-1.企業規模別で見た男性労働者の賃金
3-1-1.大企業
年齢 42.5歳 勤続年数 16.9年 |
387.7千円
|
年収 |
約465万円 |
3-1-2.中企業
年齢 42.6歳 勤続年数 12.7年 |
320.3千円
|
年収 |
約384万円 |
3-1-3.小企業
年齢 44.5歳 勤続年数 11.4年 |
288.5千円
|
年収 |
約346万円 |
3-2.企業規模別で見た女性労働者の賃金
3-2-1.大企業
年齢 39.3歳 勤続年数 10.3年 |
268.4千円
|
年収 |
約322万円 |
3-2-2.中企業
年齢 40.7歳 勤続年数 9.1年 |
240.4千円
|
年収 |
約288万円 |
3-2-3.小企業
年齢 42.1歳 勤続年数 8.9年 |
216.4千円
|
年収 |
約259万円 |
男女共に企業規模が大きいほど、賃金も年収も高い傾向にある。
また、女性労働者に比べて、男性労働者の方がその傾向は大きいといえそうである。
4.男女別による賃金が最も高い産業
4-1.男性労働者で賃金が最も高い産業
4-1-1.金融業、保険業
年齢 43.1歳 勤続年数 15.9年 |
482.3千円
|
年収 |
約578万円 |
4-1-2.教育、学習支援業
年齢 46.5歳 勤続年数 13.4年 |
442.2千円
|
年収 |
約530万円 |
4-1-3.情報通信業
年齢 40.9歳 勤続年数 14.2年 |
412.5千円
|
年収 |
約495万円 |
4-2.女性労働者で賃金が最も高い産業
4-2-1.情報通信業
年齢 37.0歳 勤続年数 10.0年 |
313.7千円
|
年収 |
約376万円 |
4-2-2.教育、学習支援業
年齢 38.5歳 勤続年数 9.3年 |
307.5千円
|
年収 |
約369万円 |
4-2-3.金融業、保険業
年齢 41.0歳 勤続年数 11.3年 |
278.3千円
|
年収 |
約333万円 |
男性労働者では「金融業、保険業」が最も高く、女性労働者では「情報通信業」が最も高い。
両者共通して「金融業、保険業」、「教育、学習支援業」、「情報通信業」が入っており、いずれも賃金と年収が最も高い産業といえそうである。
5.男女別による賃金が最も低い産業
5-1.男性労働者で賃金が最も低い産業
5-1-1.宿泊業、飲食サービス業
年齢 41.4歳 勤続年数 9.5年 |
270.0千円
|
年収 |
約324万円 |
5-1-2.運輸業、郵便業
年齢 46.4歳 勤続年数 12.3年 |
275.2千円
|
年収 |
約330万円 |
5-1-3.サービス業(他に分類されないもの)
年齢 45.9歳 勤続年数 10.1年 |
276.2千円
|
年収 |
約331万円 |
5-2.女性労働者で賃金が最も低い産業
5-2-1.宿泊業、飲食サービス業
年齢 40.2歳 勤続年数 7.3年 |
196.2千円
|
年収 |
約235万円 |
5-2-2.製造業
年齢 42.7歳 勤続年数 11.9年 |
210.5千円
|
年収 |
約252万円 |
5-2-3.サービス業(他に分類されないもの)
年齢 42.7歳 勤続年数 11.9年 |
210.5千円
|
年収 |
約252万円 |
男女共に「宿泊業、飲食サービス業」が最も低い。
両者共通して「宿泊業、飲食サービス業」、「サービス業(他に分類されないもの)」が入っており、いずれも賃金と年収が最も低い産業といえそうである。
6.雇用形態別による賃金
6-1.雇用形態別で見た男性労働者の賃金
6-1-1.正社員・正職員
年齢 42.3歳 勤続年数 14.0年 |
348.3千円
|
年収 |
約417万円 |
6-1-2.正社員・正職員以外
年齢 49.2歳 勤続年数 9.1年 |
229.1千円
|
年収 |
約274万円 |
6-2.雇用形態別で見た女性労働者の賃金
6-2-1.正社員・正職員
年齢 39.7歳 勤続年数 10.2年 |
259.3千円
|
年収 |
約311万円 |
6-2-2.正社員・正職員以外
年齢 44.3歳 勤続年数 6.8年 |
181.0千円
|
年収 |
約217万円 |
男女共に、「正社員・正職員」と「正社員・正職員以外」とでは賃金と年収に大きな差がある。
特に、男性労働者の場合では賃金は120千円近くの差があり、年収だと143万円近くの差がある。
7.企業規模別で見た雇用形態別による賃金
7-1.企業規模別で見た雇用形態別による男性労働者の賃金
7-1-1.大企業で勤める正社員・正職員
大企業
|
408.4千円
|
年収 |
約490万円 |
7-1-2.中企業で勤める正社員・正職員
中企業
|
333.9千円
|
年収 |
約400万円 |
7-1-3.小企業で勤める正社員・正職員
小企業
|
294.4千円
|
年収 |
約353万円 |
7-1-4. 大企業で勤める正社員・正職員以外
大企業
|
238.7千円
|
年収 |
約286万円 |
7-1-5. 中企業で勤める正社員・正職員以外
中企業
|
222.7千円
|
年収 |
約267万円 |
7-1-6. 小企業で勤める正社員・正職員以外
小企業
|
223.4千円
|
年収 |
約268万円 |
7-2.企業規模別で見た雇用形態別による女性労働者の賃金
7-2-1.大企業で勤める正社員・正職員
大企業
|
295.9千円
|
年収 |
約355万円 |
7-2-2.中企業で勤める正社員・正職員
中企業
|
257.7千円
|
年収 |
約309万円 |
7-2-3.小企業で勤める正社員・正職員
小企業
|
226.4千円
|
年収 |
約271万円 |
7-2-4. 大企業で勤める正社員・正職員以外
大企業
|
190.0千円
|
年収 |
約228万円 |
7-2-5. 中企業で勤める正社員・正職員以外
中企業
|
178.8千円
|
年収 |
約214万円 |
7-2-6. 小企業で勤める正社員・正職員以外
小企業
|
171.0千円
|
年収 |
約205万円 |
男女ともに「正社員・正職員」では、企業規模が大きくなるほど賃金も年収も高くなる傾向にあり、男性労働者ではその差は大きいといえそうである。
しかし、「正社員・正職員以外」では、企業規模で比べても賃金と年収にほとんど差は見られない。
8.役職別による賃金
8-1.役職別で見た男性労働者の賃金
8-1-1.部長級
52.4歳
|
662.8千円
|
年収 |
約795万円 |
8-1-2.課長級
48.0歳
|
529.9千円
|
年収 |
約635万円 |
8-1-3.係長級
44.1歳
|
400.8千円
|
年収 |
約480万円 |
8-1-4.非役職者
20~24歳
|
211.1千円
|
年収 |
約253万円 |
8-2.役職別で見た女性労働者の賃金
8-2-1.部長級
53.0歳
|
647.5千円
|
年収 |
約777万円 |
8-2-2.課長級
48.2歳
|
460.7千円
|
年収 |
約552万円 |
8-2-3.係長級
44.0歳
|
353.6千円
|
年収 |
約424万円 |
8-2-4.非役職者
20~24歳
|
207.8千円
|
年収 |
約249万円 |
部長級と非役職者では男女を比べても賃金と年収に大きな違いは見られないが、課長級と係長級では男性労働者の方が高いといえそうである。
以上である。
どうだろうか。
男性の平均給料は33万5千円、女性の平均給料は24万2千円だが、学歴や企業規模、雇用形態で給料や年収に差が出てくることがご理解いただけたと思う。
また別の調査によると、日本の平均年収は1997年から下がり続けているという報告もある。
今の会社でもらっている給料に納得がいかない人や、給料水準で就職先や転職先を検討している人は、この記事も参考にしていただきたい。
まとめ
1.学歴が高いほど、男女ともに賃金や年収が高くなる傾向にある。
2.企業規模が大きいほど、男女ともに賃金や年収が高くなる傾向にある。
3.男女ともに、賃金や年収が最も高い産業は「金融業、保険業」「教育、学習支援業」「情報通信業」である。
4.男女ともに、賃金や年収が最も低い産業は「宿泊業、飲食サービス業」「サービス業(他に分類されないもの)」である。
5.男女ともに、雇用形態では正社員・正職員のほうが賃金や年収が高い傾向にある。
6.正社員・正職員では男女ともに企業規模が大きくなるほど賃金や年収が高くなる傾向にあるが、正社員・正職員以外では男女ともに企業規模の大きさと賃金や年収の高さにほとんど変化は見られない。
7.男女ともに、役職が高くなるほど賃金や年収が高くなる傾向にある。