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2007年10月11日

悪名高き「傭兵会社」日本でも警備業務

Blackwater: Shadow Army」(大きな画面)


イラクで民間人17人を無差別虐殺した疑いをもたれている米国「ブラックウォーター(Blackwater USA)」社が、日本国内でも警備業務を行なっていると報じられています。以下は「WIRED VISION NEWS」2007年10月09日付け記事からの一部引用です。

「傭兵会社」ブラックウォーター:日本でも警備業務
Noah Shachtman 2007年10月09日
米Blackwater社に雇われたガンマンが歩き回っているのはバグダッドやニューオリンズの街中ばかりではない。
Blackwater社のスタッフは実は日本にも入っていて、この国にある、議論の多い弾道ミサイル防衛システムを警備している。
『Stars and Stripes』紙によると、日本海に面した人口5500人の小さな村落、つがる市車力地区(旧車力村)で、約100人が米国政府との契約のもとに『AN/TPY-2』レーダーを扱う任務に就いているという。
このレーダーは、「強力な電波を西方のアジア大陸に向けており、米国やその同盟各国に向かう敵ミサイルを探知している」と同紙は報じている。
米軍はこのシステムを非常に真剣に考えており、「不適切な時間に不適切な場所に立つ」者がいれば銃撃される可能性がある、とWill Hunter大佐は述べている。
ここで働く約100人のチームは、「米Raytheon社と米Chenega Blackwater Solutions社の所属で、それぞれ、ミサイルレーダーの運営と基地の警備を担当している」。
このチームを、米国兵士2名が監督している。

 (以下略。全文はこちら、又はこちらで)

エントリ冒頭でも書いたように「ブラックウォーター(Blackwater USA)」はイラク首都のバグダッドで一般市民17人を無差別射殺した容疑をかけられています。多くの目撃者も存在するので、限りなく「有罪」に近い「容疑」でしょう。この虐殺の現場にいあわせたイラク人警官サルハン氏らの証言を「CNN」が報じています。

ブラックウォーター事件、目撃者2人が惨劇を語る
2007.10.03
Web posted at: 10:58 JST
- CNN
バグダッド(CNN) 米警備会社ブラックウォーターUSAの従業員が先月16日、イラクの首都バグダッド市内の銃撃戦で民間人を死亡させた事件で、当時現場で交通整理をしていたイラク人警官が1日、CNNに対して、民間人に発砲したブラックウォーターの警備員らが「テロリストに攻撃されていないにもかかわらず、テロリストと化した」と語った。
この警官サルハン氏によると、ブラックウォーターの警備員らは、4台の車列で事件現場のヌスール広場に「神経質な様子」で入ってくると、同氏に水のボトルを投げつけ、違う方向に向かった。警官隊はブラックウォーターの車列が通行できるよう、民間人の車両を停止させていた。
すると警備員らは5─6回発砲し、1発が若い男性とその母親が乗っていた車に命中、男性が死亡した。発砲は威嚇目的だった可能性がある。同氏はおとり警察官とともに、車がブラックウォーターの車列に接近しないよう止めようとしたが、間に合わなかった。
サルハン氏は「(ブラックウォーターの警備員らは)直ちにわれわれに向けて激しく発砲した。車列から四方八方に銃を乱射し、対向車に乗っていた人々や路上にいた人々全員を銃撃し、殺害した」と語った。銃撃は約20分続き、15台の車が破壊され、犠牲者の遺体が路上に散乱した。ブラックウォーターの警備員に発砲した者は誰もいなかったという。
また、4人の子どものうち9歳の息子が事件の犠牲となったバグダッド市内のビジネスマン、モハメド・アブドゥル・ラザク氏は、補償金は不要であるものの、警備員らに「真実を認めてほしい」と語った。ラザク氏は当時、ブラックウォーターの車列とほぼ同時に、車でヌスール広場に差し掛かった。ラザク氏の車は停止を指示されたが、現場が安全な地域であるため、車列通過の都合で一時停止するのは通常通りだと考えていた。しかしその直後、ブラックウォーターの警備員らが無差別発砲を開始し、後部座席に乗っていた息子の頭部に銃弾が命中。ラザク氏の車には、銃弾の跡が36個も開いた。
ラザク氏は「車内から脱出しても、現場から移動しても、車中にとどまっても殺害されただろう。小型車から逃げた男性が銃撃されるのを見た。男性が血まみれになっても銃撃が続いた。映画の場面のような地獄だった」と語った。

 (以下略。全文はこちらで)

私(喜八)の憶測ではありますが、このブラックウォーター社の警備員(傭兵・雇われガンマン)たちは大酒を飲んでいたか麻薬でもやっていたのでしょうね。おのれのチキンハート(臆病心)を抑えるために酒や薬物の力を借りる。それでも恐怖を抑えきれなかった1人が「攻撃を受けた!」という妄想にとらわれて乱射を始める。残りの者たちも恐慌に駈られて、あたり構わずありったけの弾丸を撃ちまくる。

似非マッチョ・チキン野郎どものやることは「そんなもの」だろうと想像します。女子供を含む非武装で無抵抗の一般人に対して自動小銃やサブマシンガンを乱射することが、こいつらにとっては「男らしくて」「勇ましい」ことなのでしょう。こういった「戦争フリーク」のクズ傭兵どもを私(喜八)は心の底から軽蔑し憎悪します。

かくのごとき「実績」をもつ「民間軍事企業(PMC=Private Milltary Company)」ブラックウォーター社が日本の青森県つがる市で「警備業務」に就いている。彼らが警備しているのは米軍のミサイル・レーダー・システム。そして、誰かが不用意に近づけば「銃撃される可能性がある」と「Will Hunter大佐」は明言している!

「軍と私企業の一体化」「戦争の民営化」が急速度で進められている米軍ですから、重要な軍事施設の警備に「傭兵」が就いているのも不思議はないのでしょうけれど・・・。我が日本にも既に存在していたとは驚きです。いまのところ「雇われガンマン」どもも日本では大人しくしているようですが、いつ何時バグダッド虐殺事件のような特大級の「不祥事」を引き起こさないとも限らない。これは覚悟しておいたほうがいいでしょうね。

ところで「ブラックウォーター」という名前に聞き覚えがあったので、ちょっと調べてみました。すると、イラクのファルージャで米軍がおこした「大虐殺」のきっかけを作ったのが、このブラックウォーター社であったことが分かりました。以下は『自由を耐え忍ぶテッサ・モーリス-スズキ、岩波書店、2004)からの引用です(146頁)。

 二〇〇四年三月三一日、イラクのファルージャで、四人のアメリカ「民間人」が怒り狂う民衆によって殺害された。その死体は橋から吊るされ、残虐ぶりが世界中のメディアによって報道された。アメリカ軍は「民間人」殺害の報復としてファルージャを爆撃し、直後の攻撃だけですくなくとも八百人の市民が殺されている。
 イラク侵略でも特記すべきこの事件の元となった四人の「民間人」は、ブラックウォーター・セキュリティ・コンサルティング社に雇用されていた。そのうち二人は、ごく最近にアメリカ陸軍と海兵隊の特殊部隊を除隊したばかりの元兵士だった。
 ブラックウォーター・セキュリティ・コンサルティング社は、軍関連の「特殊工作」を主な「営業」領域とする、(その世界では)著名な民間企業である(http://www.blackwatersecurity.com/)。

正規軍の「特殊部隊」でさまざまな殺人技術を伝授される。もちろんその費用は「税金」で賄《まかな》われる。一通りの「技術」を身に付けたら軍隊を除隊する。そして「天下り」先としての「民間軍事企業(PMC=Private Milltary Company)」に就職する。民間企業ゆえに能力の高い者(人殺しの技術に長けた者)には給料を惜しまない。収入はいっきにアップする。

4人の「傭兵」が殺害されたことの報復として、米軍はファルージャを包囲攻撃し、多数の民間人を無差別虐殺しました。当時は「なぜ、そこまで?」と疑問に思ったのですが、米軍(正規軍)と傭兵(民間軍)が一体となっているわけですから、報復もまた一体で行なわれたのでしょう。なんでも、現在イラクに駐留する兵士のうち相当数がこのような「傭兵・雇われガンマン」だと言われています。

なるほど、分かりました。小泉純一郎氏や竹中平蔵氏が「ナントカのひとつ覚え」みたいに連呼していた「民にできることは民に」というのはコレだったんですね。戦争も「官」から「民」に!(アメリカ様に倣《なら》え!)

人殺しや破壊は「民」にだってできる。だったら「民」にやらせろ。民間企業が戦争に便乗して(あるいは自ら戦争を引き起こして)ゼニ儲けをするのもまた「民間活力」だ。そもそも戦争こそが「市場原理」そのものだ(弱肉強食は世の習い、弱き者よ消え去れ)。たまにゴロツキどもがバグダッド虐殺事件のような「不祥事」をおこすが、それも仕方のないことだ。資本主義社会に「コスト」はつきものだからな。

なんて小泉・竹中両氏は仰るのでしょうか? あるいは「小泉改革」に諸手を挙げて賛成した「財界」の皆様も「戦争民営化」には賛成なのでしょうか? 米国の巨大戦争ビジネスにぶらさがって、ご自分もアブク銭を稼ぎたいと仰るのか? 万が一そうだとしたら、皆様は「人類の敵」側に足を踏み入れていると言わねばなりますまい。「天網恢恢疎にして漏らさず」「悪の栄えたためしなし」なんてことも言いますな。悪行の報いで地獄へ落ちますぞ!(某有名占い師風。笑) ご用心、ご用心。


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投稿者 kihachin : 2007年10月11日 10:04

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