JTB子会社のサーバーから顧客情報約793万件が流出したとされる問題で、石井啓一国土交通相は17日の閣議後記者会見で再発防止策を議論する有識者委員会を設置することを明らかにした。24日に初会合を開く予定。石井国交相は「問題発覚から関係機関への相談などが遅れたことは問題。有識者委で再発防止策をまとめ、業界に周知徹底したい」と話した。
一連の問題では、JTBは5月13日に子会社のサーバーから情報が流出した可能性が高いと認識していたが観光庁に相談したのは同31日だった。石井国交相は「問題を把握した時点で速やかに報告すべきだった」とJTBの対応を批判した。観光庁はJTBに対して24日までに詳細な経緯や再発防止策などを報告するよう求めている。
また16日には物流や旅行代理業務を手掛ける「札幌通運」(札幌市)でもサーバーに不正アクセスがあり、顧客約2700人分のクレジットカード情報の一部が流出していたことが判明。情報漏洩が相次いだことを受け、石井国交相は観光庁に対し旅行関連団体との会議を早急に開催し、2つの事案の経緯や問題点を伝えるよう求めた。