1日午後6時15分ごろ、京都市左京区の京都大学付属病院・旧産婦人科病舎(鉄筋コンクリート地上4階、地下1階建て)の1階実験室から出火、約30平方メートルを焼いて約3時間45分後に消えた。実験室では放射性物質を扱っており、京都市消防局が付近で放射線量を測定、火災直後に毎時0.5マイクロシーベルトを検出した。健康への影響はないとみている。京大も測定したが、検出しなかったという。
出火したのは「RI(放射性同位元素)低レベル実験室」。稲垣暢也病院長によると、出火前に男性研究員が医薬品開発のための実験をしていた。この火災で男女3人が煙を吸い、うち男性1人が経過をみるため入院した。
建物はかつて産婦人科病舎として使われていたが、現在は医学部の研究室などが入っている。
現場は、学生や職員らが避難するなどして一時騒然となった。3階の研究室にいた男性は「『避難してください』という放送があり、非常階段から外に出た。しばらくしてドカーンという大きな音がした」。3階にいた別の男性は「音楽を聴いていたので放送や非常ベルは聞こえなかったが、何かが燃えている臭いで気付いた。廊下には白煙が立ちこめており、非常階段から逃げた」と話した。【礒野健一、宮川佐知子】