どうも、hashiken(@conteanime)です。
絵を描くのが好きで好きで、どうせなら将来絵に関する仕事をしたい・・・って人は多いと思います。でもいざ具体的に動こうと思うと、どうやって進んだらいいか結構悩んじゃいますよね。
筆者はかつて漫画家を目指し夢破れ、その後遊技機のアニメーションやキャラクターデザイン、そしてスマホゲームのアートディレクターなどで生きてきました。
広く浅く複数の業種を見てきた立場から、絵の仕事に進みたい人の参考になりそうな実状をまとめてみます。
憧れだけでは実際に入った時にギャップに耐えられない場合もあるでしょう。また、現実を知っておくことであらかじめ準備できることもたくさんあります。
目次
絵を描く仕事にはどんなものがあるの?
- 漫画家
- イラストレーター
- アニメーター
- キャラクターデザイン
直接『絵』を描くといえば、主なところでこの辺りになるでしょうか。
絵を使って何をやりたいかハッキリ決まってれば素直に目指せばいいですし、漠然と絵と考えてるならまずは手っ取り早いとこから経験してしまうのも手かもしれません。
ひとまず絵に関する業務の会社に属し、そこで絵の仕事をしていくなかで気づくとあれこれやらされて・・・結果的に色々なことが出来るようになってたというのは意外とよくあるパターンなんですね(笑
なので、これだけがやりたい! これ以外はやりたくないんだ! とかでなきゃ、なんでも受け入れられる気持ちでいたほうが仕事自体も広がって将来的にも食いっぱぐれる可能性が下がり有利です。
絵に関する仕事がしたいんだけど、道のりがいまいちわからない・・・
絵を描く仕事は、サラリーマンとして社内でやる場合もあればフリーなどで在宅でやるケースもあります。仕事にするまでの道のりはハッキリ言って人それぞれですが、よくあるパターンをあげてみましょう。
- 美大・芸大・専門学校
- 知人・友人からの紹介
- ネットに掲載した作品から声が掛かる
下2つに関してはやや受身的な要素もあるので、自ら攻めて行けるルートのシンプルな形はやっぱり学校を卒業して就職する道でしょう。
進学のタイミングで将来進みたい方向がはっきりしてるなら、その道の学校に入っちゃうのがやはり一番近道でしょう。必要な技術が学べるうえに、同じ夢を抱く人とも出会えて刺激も受けますしね。
今の時代ならではのルートが、ネットに絵や作品をあげておいてそれを見た企業から声がかかって仕事をする流れでしょう。
経験しないと眉唾に感じるかもしれませんが、2012年前後にソーシャルゲームでイラストのニーズが高まってた時期にはまさしく青田買いのノリで非常に激しい勧誘が行われていました。※2016年の今はその頃より落ち着き、なおかつかなり高いレベルでないと声がかからなくなってるはずです。
結局、これでないとダメだということは『絵』のお仕事としては特にないと思います。むしろルートはどんどん広がってるかもしれません。
目指してたどり着くこともあれば、結果的にたどり着くこともあるのでこだわりすぎるより視野を広く持って進めていく方がいい結果を得られるんじゃないでしょうか。
狭い視野しか持たずに自分はこれしかやらない・・・という人ほど、いざって時の可能性が狭くなり苦労したりするものです(・・・かつての自分がまさにそうでした/笑
pixivやSNSを通じての依頼と、仕事で気をつけるべきポイント
・・・改めてこの部分に関して少し突っ込んで書いておきます。
スマホゲームでイラストのアートディレクターの仕事をしてると、案件に応じてpixivから作家さんを探すことは普通にありますしゲームメーカーに対し作家を紹介したい仲介会社が常にチェックしてるのも事実です。
繰り返しですが実際にネットからのスカウトはありますし、自分の絵をネット上に出しておくことは有効な手でしょう。いわゆるポートフォリオの機能も果たしてくれますので、ネットにあげた作品が勝手に営業かけてくれる状態に仕立てておくのはすごくいいと思います。
もし実際に仕事の依頼を受けた際には、ぜひ気をつけてほしいことがあります。
- 買い叩かれないようにする
- 何でもハイハイと安請け合いしない
- スケジュールは余裕を持って伝える
- トレース厳禁
きっと殆どの人が、最初はイラストの相場など知らないはずです。
イラストを描いてほしいなどの話が来た場合は、返事をする前に必ず詳しい人に聞くかGoogle検索などして一定の相場の情報を頭に入れた上で回答して下さい。
絵に限ったことじゃないですが、自分でちゃんと情報を仕入れるクセをつけましょう。自分の身は自分で守るしかありません。
絵の仕事を始める取っ掛かりとして安値で受けること自体は否定しませんが、その後も仕事がほしいからって延々安売りなどは絶対やめましょう。
また、自分の技術でできるかどうか怪しい仕事まで安請け合いするのは控えましょう。
結局自分の首を絞めるだけとなります。仕事のスケジュールもギリギリに設定するんじゃなく、必ず余裕を持って組むようにして下さい。現実的に不可能なことを受けては絶対にダメです。
最後にプロでも炎上することのある、トレースです。純粋な趣味絵ならまあともかく、仮に仕事絵でトレースなんかをして発覚した場合は最悪仕事が途絶えますので絶対やめましょう。
デジタルとアナログどっちがいいの? 絵の仕事に必要なスキルって?
世はまさにデジタル全盛期です、イラストだけでなくマンガや絵コンテもデジタル化が進んでいます。
機材が安くなったこともありますが、データの共有がしやすく離れていても共通の作業ができるメリットがやはり大きいでしょう。作業者側としては、アナログよりも何度でも直しができるのが一番の利点ですがそれだけ直しの依頼も発生しやすくなってるかもしれないので・・・痛し痒しかもしれませんね(笑
今の時代、ペンタブレットを使いはじめるのもきっと早いと思います。
たまに見かける意見として、アナログでしっかりした力をつけてからデジタルに進めというものがあります。
気持ちはわからんでもないですが、今はもう別にどっちでもいいんじゃないのかなというのが個人的な意見です。
ジャンルに寄るところはありますが、会社関連で絵の仕事をしていくならデジタルは欠かせないですし、むしろアナログで描く状況は今後ますます減少していくでしょう。デジタルは慣れるまで多少かかる部分があるので、早めに慣れてしまっといたほうが楽です。
ついでにスキルやソフト関連にも軽く触れておくと、まずはPhotoshopですね。どんな職場でも必須なので、ここは必ずおさえておきましょう。次にIllustratorですが、苦手な人も結構多いので使えるとそれなりにポイントは高いです。
絵を描くことに特化するものなら次に来るのはやっぱりSAIでしょう。絵描きの中では根強く使いやすいソフトとして、いまでも多く使われています。主流になりそうだったCLIP STUDIOは会社によっては使ってたりしますが、あれでないと出来ない作業を必要としない場合は浸透してる印象がないですね。※今後増えていく可能性は高いと思いますが。
概ねこの辺りのスキルを付けていけば問題ないと思います。
絵の仕事をする上での意識の持ち方について
絵を描く仕事をする人に多く見られる傾向が、仕事ができればちょっと社会人的な常識に疎くても構わないよね・・・という『甘え』です。
アーティストとして生きていく人は百歩譲って見逃されるかもしれませんが、在宅だろうが会社員だろうがどこかの企業から仕事をもらっていくんなら、最低限の社会人としてのマナーは絶対に理解しておきましょう。
確かに企業側も、
『・・・まあ、○○さんは上手いから仕方ないか;』
と常識知らずに肝要だったりしますが、それに甘えて好き勝手やってるといつか必ずしっぺ返しが来ます。優しさに甘えるのは絶対やめましょう。
絵も描けて、ちゃんと常識ある対応も出来ればそれに越したことはないわけです。絶対に損はしないので、是非覚えておいて下さい。
・・・やっぱり、すごく上手くないと絵の仕事ってやっていけないの?
最近はデジタル環境が昔より手軽に入るようになったこともあり、絵を描く人の人数自体も増えて技術も平均値が上がっている印象なのでこれから絵を描く道を目指す人は相当大変だろうと思います(笑
単純な絵の巧さはもちろんあるに越したことないですが、これからはその人ごとの+αの付加価値が一層重要になっていくかもしれません。
絵がすごくうまくないと仕事にすることは無理なのか? というテーマですが、
結論から言うと、フリーランスで長く生きていくのは厳しいでしょうが会社員としては充分可能だと考えています。
あまり若い人に話すべきことじゃないかもしれませんが、現実です。天才もいますが、やっぱりそういう人は少数です。
要はコツがあるんですよね、絵の仕事についたあと生きていくための。
- 常に新しいソフトを覚えていく
- 広く浅く技術を蓄積していく
- 会社の業務に興味を持つ
- 人間関係を円満にする
- もう限界だ~と思ったらマネジメント側に移る
一つのものを深く深く極めるより、広く浅く割と何でもこなせるタイプのほうが長生きしやすいのは間違いないです。※狭く深く追求して成立するのは、本当に天才的な一握りの人だけです。
あなたが一握りの方でないなら、絵に関連したソフトも新しく主流になりそうなものは積極的におさえたり、ただ描くだけでなくデザイン周りや背景・アニメーションなど可出来ることを広げておくといざというときに役立つスキルとなって守ってくれますしあなた自体の商品価値も高まります。
そして企業内で意外と評価に絡んでくるのは、会社の商品自体にどれくらい興味を持ってるか? という部分です。
遊技機やスマホゲームを扱ってる会社ならそのジャンルへの興味をちゃんと持ってて、プライベートでもプレイしてるか・・・って部分は上司の評価としてもかなり大きく見られてるものなんです。
例えばリストラ候補でAとBの社員がいた場合、絵のスキルは同じくらいだけどAは会社が出してる商品をプレイしててBは特に興味がなかったら・・・どっちを残してどっちを切るかは明白でしょう。
好き嫌いはあるでしょうが、会社の商品に興味を持ってる姿勢が見えるかどうかはやっぱり大事ですし働いている自身のモチベーションにも関わってくるものです。悪い影響をもたらすことはないので、なるべく前向きに好きになってみましょう。
人間関係を円満にというのは当然の話ですが、絵を描く仕事場っていわゆるスーツ来たサラリーマン環境より友達感覚で接することがやりやすいもんです。私服の職場がほとんどですしね。友人も学生時代の感覚で普通にできますし、仲良くやっときましょうということです。
また、出来ることなら自分の業種と違った仕事をしてる人と付き合っておくと・・・いざ会社を変わった時にも自分の力だけでは及ばないような方向からの紹介もありえるのでおすすめです。
さいごに、絵を描く立場からマネジメント側に移ることについてです。
センスにはいつか必ず限界が来ます、若い人に絶対追いぬかれます。
そうならないために磨き続けるのは大事なんですが、もうこれ以上は望めないと判断したらマネジメント、いわゆる管理をする側に移行できるとその先も会社で問題なく仕事をしていけます。
絵を描く人の集まりというのは、他人の管理など出来ないと思い込んでる人が非常に多いです。
実際、広い視野を持って他人のしていることに気を配ったり出来る人って少ないんですよね。なので逆に言えば管理職という立場は穴場でもあり、給料も将来性も繋がるので狙える人は狙ったほうがいいわけです(笑
元々そういうのも好きだったというのはあるんですが、将来的なことを考えると絵を描くだけでその先何年会社員としてやってけるか不安しかなかったんですよね(笑
もちろん延々1プレイヤーとして絵を描く人もいますが、つらい状況も起こりえます。混沌とした世の中ですので、可能な限り幅広く動ける道は模索していくほうが安全でしょう。
さいごに、
絵の仕事は憧れを抱いている人も多いかもしれませんが、実際仕事についてみるとやっぱり現実を見て悩むことも相当多いと思います。仕事ですし当然なんですが(笑
どこに自分のやりがいを見いだせて、継続していけるかが重要になります。就職出来るかどうかよりもその先に持続していけるかどうかです。
続けていくことに悩んだり、迷うこともあるでしょう。でも、日々経験していくことは必ず次の道でも生きてくるものです。
始まりは好きなことを仕事にする目標で入ったとしても、その後どうしていくかは全てあなたの働き方と考え方次第です。最大限前向きな結果に繋げられるよう、頑張ってください。