OECDの会議閉幕 課税逃れ対策強化へ

OECDの会議閉幕 課税逃れ対策強化へ
京都市で開かれていたOECD=経済協力開発機構の会議は、いわゆる「パナマ文書」の問題などを受けた課税逃れ対策の強化に向け、今後、必要な法整備などを進め、その進捗(しんちょく)を互いにチェックする基準を設けることで合意し、閉幕しました。
6月30日から京都市で開かれていたOECDの租税委員会は、1日夜にすべての日程を終えて閉幕しました。
1日は、多国籍企業が、税率の低い国や地域の子会社に利益を移すなどして、課税を逃れる行為を防ぐ取り組みを強化していくことで合意しました。
具体的には、各国・地域が、課税逃れ対策に必要な法整備などを進めるとともに、その進捗を互いにチェックする基準を、来年1月までに設けるとしています。
また、税制が整っていない新興国や途上国などに対し、実務に通じた人材を派遣するなどして支援するとしています。
このほか、今回の会議では各国の首脳や富裕層の隠れた資産運用を明らかにした、いわゆる「パナマ文書」の問題などを受けて、各国の税務当局が不正な資金の流れをつかめるよう、金融機関の口座情報などを定期的に交換する枠組みを強化していくことでも合意しました。
OECDは課税逃れによって、年間最大でおよそ24兆円の法人税収が世界全体で失われていると試算していて、税負担の不公平感を改善していくため、対策の実効性をいかに高めていくかが課題となります。