トルコの空港で爆発と銃撃 36人死亡 IS関与か

トルコの空港で爆発と銃撃 36人死亡 IS関与か
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トルコ最大の都市イスタンブールの国際空港で、日本時間の29日朝早く起きた爆発と銃撃で、これまでに36人が死亡し、トルコの治安当局は、過激派組織IS=イスラミックステートが関わった可能性がある自爆テロ事件とみて捜査を進めています。
トルコ最大の都市イスタンブールにあるアタチュルク国際空港で、現地時間の28日午後10時ごろ(日本時間の29日午前4時ごろ)、爆発と銃撃があり、これまでに36人が死亡しました。地元メディアは、死者の中には外国人が含まれているほか、140人以上がけがをしたと伝えています。
トルコのユルドゥルム首相は29日、記者会見し、3人の人物が銃を乱射したあと、自爆したと説明したうえで「現段階では、過激派組織ISの関与を示すものがある」などと述べて、ISが関わった可能性がある自爆テロ事件だという見方を示しました。
また、これに先立ってエルドアン大統領は声明を発表し、「この攻撃はテロ組織が罪のない民間人を標的としたものだ」と述べ、厳しく非難しました。
ISはイスラム教の断食月=ラマダンに合わせて世界各地でテロを呼びかけていますが、これまでのところ犯行声明などは出しておらず、トルコの治安当局は、事件の経緯や背景などについて捜査を進めています。
イスタンブールにある日本総領事館によりますと、日本人が巻き込まれたという情報はこれまでのところ入っていないということで、引き続き情報確認を急いでいます。

官房副長官「邦人の安全確保に万全期す」

萩生田官房副長官は、記者会見で「お亡くなりになった方々のご家族に対し、心から哀悼の意を表するとともに、負傷された方々にお見舞いを申し上げたい。また、トルコ政府およびトルコ国民に対し、強い連帯の意を表したい。いかなる理由であれ、テロは許されるものではなく、断固、非難をされるべき事柄だ」と述べました。そのうえで、「国際社会と緊密に連携し、テロの未然防止に取り組んでいく決意だ。国内のテロ対策に、一層緊張感を持って当たるとともに、現在の邦人の安全確保対策に万全を期す考えだ」と述べました。

HISとJTB ツアー客全員の無事確認

大手旅行会社、HISによりますと、ツアーでトルコ国内を訪れている人たちは全員の無事が確認されているということです。ただ、アタチュルク空港が閉鎖されているため、29日に現地から帰国を予定していた人は日程を延期してもらい、日本発の29日のツアーは中止を決めたということです。
HISでは30日以降の対応について、現地の状況や外務省からの情報などを踏まえて検討するとしています。
またJTBによりますと、ヨーロッパなどに向かう際の経由地として数十人のツアー客がトルコ国内にいたということですが、全員の無事が確認できているということです。