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香港行政長官の辞任を要求 返還19年、民主派がデモ 「禁書」書店店長「身の危険感じる」と参加取り消し
【香港=河崎真澄】中国返還から19周年となった1日、香港で民主派の市民団体が大規模デモを行った。参加者は親中派の行政長官、梁振英氏の辞任などを要求するシュプレヒコールを行い、気勢を上げた。
以前は市民団体と行動を共にしてきた民主派の学生団体は、天安門事件から27周年だった6月4日の追悼式典に続き、1日も別の場所で独自の活動を展開した。さらに若者らが「香港独立」を主張して相次ぎ設立した複数の政党も、中国政府に抗議する別のデモを計画。香港民主派の分裂が鮮明になった。
中国共産党政権を批判する「禁書」を扱う香港の銅鑼湾書店関係者の失踪事件では、司法の独立が「一国二制度」で保障されている香港政府が有効な手立てを打てなかった。中国当局に身柄を拘束されたと公表した同書店の林栄基店長がデモの先頭に立つ予定だったが、出発前に林氏が「身の危険を感じる」として参加を取り消すなど、混乱もあった。