わずか5カ月で財団の事業評価がひっくり返った背景については、別の解釈もある。古代史問題をめぐる主流歴史学界(大学教授からなる)と在野学界(大学教授でない歴史学者からなる)の鋭い見解の差が、事業撤回の裏にあるというのだ。特に昨年、「漢の四郡」の位置を韓半島(朝鮮半島)北部と表記した東北アジア歴史地図の古代史パートが一部公開された後、在野学者の非難が殺到した。同財団が12年に米国連邦議会調査局(CRS)へ送った古代史関連の資料が、こうした内容を盛り込んだ東北アジア歴史地図に基づいているという点も問題になった。韓国国会の東北アジア歴史歪曲対策特別委も是正を要求した。最終的に、財団は昨年10月から事業の再検討に入った。
財団は、地図作りを担当していた延世大学・西江大学の産学協力団から10億ウォン(約8900万円)を回収し、参加学者らの財団に対する研究費申請も今後5年間は制限すると決めた。この事業を担当していた財団職員16人も懲戒することにした(重懲戒1人、軽懲戒7人、警告8人)。また、財団内部で再び地図を作る案も進めている。
しかし、地図編さんに携わっていた学者らは、財団による今回の決定に反発している。ある教授は「教育部(省に相当)傘下の公共機関が、学問的に検証されていない在野の学者の主張を、事実上無責任に受け入れるということ」と語った。