韓国証券街を揺るがした「李健熙死去」デマ

 しかし、最近流通経路が「カカオトーク」などのモバイルメッセンジャーに変わったことで、伝達速度が速まり、影響力も高まった。メッセンジャー経由の情報は内容が簡略な上、内容に含まれる人物の写真や映像も添付され、注目を引きやすい。

 ソウル大言論情報学科の韓圭燮(ハン・ギュソプ)教授は「数百人にわずか数秒で文章や映像を発信できることがメッセンジャー経由で広まる情報の特徴だ。誰でもその気にさえなれば、中傷や虚偽の内容を含む情報を仕立て上げ、広めることができるようになった」と指摘した。

 ライバル企業を中傷する目的で虚偽の情報を流布するケースも増えている。酒類大手ハイト真露の社員A氏(35)は2014年8月、大学関係のメッセンジャーのグループで「ライバル企業ではビール倉庫で消毒薬がよくすすがれておらず、妊娠可能年齢の女性には危険だ」などとするメッセージを流したとして起訴され、懲役8月(執行猶予2年)の有罪判決を受けた。このメッセージはカカオトークやツイッターで急速に広まった。今年4月には電子商取引業者オークションの社員がライバル企業クーパンの社員が死亡したことに関連し、「厳しい夜勤で過労死した」という虚偽の情報を流したとして在宅起訴された。

 ソーシャルメディアを通じたデマが急増する一方、デマの発信元の特定は難しくなっている。カカオトークでやりとりされるメッセージは1日当たり55億件(最大65億件)に及ぶ上、データ保存期間が短いからだ。カカオトークでは14年10月に国家機関によるインターネット監視を回避しようとするいわゆる「サイバー亡命」騒動が起きて以降、対話内容の保存期間を従来の5-7日から2-3日に短縮した。

 今回のデマをめぐっては、特定の株価操作勢力が意図的に流したのではないかとみられている。サムスン側は「過去2年間に証券街では何回か会長死去説が流れた。今回も警察への捜査依頼などは一切行わない」と説明した。金融監督院と韓国取引所は「今回のサムスングループ株急騰について、株価操作の疑いなどを検討している」とした。

イ・ミンソク記者
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