東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。
世界遺産・ポンペイ展開催中

トップ > 国際 > 紙面から > 7月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【国際】

「次期英首相本命」のジョンソン氏 盟友・ゴーブ氏出馬で断念

 【ロンドン=小嶋麻友美】英国民投票で欧州連合(EU)からの離脱を導いたと評され、次期首相の最有力候補としてブックメーカー(賭け屋)の予想でもトップだったボリス・ジョンソン前ロンドン市長(52)が6月30日、保守党党首選への不出馬を表明し、衝撃を広げた。国民投票で二分された党内は、支持の構図が入り乱れ、行方は混沌(こんとん)としたままだ。

 立候補締め切りまで三十分を切り、ジョンソン氏はようやく、ロンドンの記者会見場に現れた。「自治国家としての英国を取り戻す好機だ」と力強く演説し、誰もが出馬表明と疑わなかった。「さて、演説の落ちを忠実に待っている皆さんに、伝えなければなりません」と突然切り出し、ニュースは一変した。

 ジョンソン氏の本音は「親EU」だとも取り沙汰されていたが、二月末に離脱支持を表明。ざっくばらんで演説がうまく、大衆をひきつける魅力を持つジョンソン氏は離脱派の顔となり、全国をキャンペーンバスで駆け回った。投票の行方に大きな影響を与えたとみられる。

 キャメロン首相に対抗し、離脱派に回ったこと自体が「次期首相の座狙い」と残留派から批判された。キャメロン氏の辞意表明後、ジョンソン氏の立候補は必然の流れとなり、本人も立候補に向けて地盤を固めつつあったとされる。

 しかし、二〇一二年ロンドン五輪を成功させた市長としての知名度と実績は抜群でも、国政での閣僚経験は乏しく、「次期首相に適任とはいえない」と保守党内に抵抗感があったのも事実。残留派の反発が強いジョンソン氏がリーダーになれば、保守党をさらに分裂させかねず、離脱派の中にも残留派のメイ内相(59)を支持する声が出ていた。ここ数日は「ボリス以外なら誰でもいい」という言葉まで飛び交った。

 二十九日には、ゴーブ司法相(48)の妻が、夫宛てのメールを誤って他人に送信したことが英メディアに暴露された。ジョンソン氏はメディア王ルパート・マードック氏らから嫌われているとして、夫にジョンソン氏支援を再考するよう迫っていた。

 世論調査会社ユーガブが同日公表した保守党員への調査でも、支持率はメイ氏が36%で、ジョンソン氏を9ポイント上回った。

 離脱派でジョンソン氏の盟友だったゴーブ氏は、教育相などを歴任し、党内の知性派、実力者として一目置かれている。「自分は首相の器ではない」と出馬を固辞していたが、一転して三十日朝、立候補表明したことが、ジョンソン氏に最終的な出馬断念を決意させたといえる。

 自身も出馬に意欲を見せていた残留派のモーガン教育相は同日、ゴーブ氏支持を表明した。ただゴーブ氏は、一般の党員にはさほど人気が高くない。土壇場でのEU離脱派の混乱は、テロ対策など重責の内相を六年にわたって務め、安定感のあるメイ氏に有利に働くという見方もある。

 

この記事を印刷する

PR情報