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 英国の中央銀行、イングランド銀行(BOE)のマーク・カーニー総裁は30日の講演で、「夏に金融政策の緩和を求められるだろう」と述べ、近く追加緩和に踏み切る可能性を示唆した。英国が欧州連合(EU)からの離脱を決めたことで経済成長が鈍化する可能性があると指摘し、「今後数週間で通貨や金融の安定を促すため、多くの手段や政策を検討する」と強調した。

 この発言を受けて、ロンドン外国為替市場では英ポンドが急落。講演前に比べて一時、1・4%ほど低い1ポンド=1・32ドル台半ばまで下落した。BOEは7月14日の金融政策決定会合でEU離脱の初期的な影響を検討したうえで、8月のインフレ報告書で今後の経済見通しを発表する予定という。(ロンドン=寺西和男)