あの人気シリーズが2016年、新たにテレビシリーズとして復活!しかも日本語吹き替え版は風間杜夫さん&戸田コンビさんバージョンと、ソフト版の小杉十郎太さん&相沢恵子さん、二つのバージョンが収録!ファンには嬉しい新シリーズ全6話の感想です!
結論:1話で視聴を止めた人は3話までとりあえず見て!!
※各ストーリーの結末含むネタバレあり。ご注意!
目次
おさらい:Xファイルとは?
日本では1990年に放送された海外ドラマ。科学では解明できない不可思議な事件を扱う「Xファイル課」。そこに配属されたダナ・スカリー捜査官と、妹を宇宙人にアブタクション(誘拐)されたと信じている『変人』のフォックス・モルダー。この二人のコンビが超常現象に挑むというストーリー。
マーク・スノウの印象的なOPからはじまるドラマは日本でも大人気となり3シーズンまで放送、全9シーズンを持って完結した。
シーズン9最終話、2002年をもってXファイル課は廃止となったはずだったが・・・?
1話:闘争 Part.1
2016年。
Xファイル課が廃止となってから14年。
過激な発言で人気のネット番組の司会者タッド・オマリーが、スキナー副長官を通じてモルダーとスカリーにコンタクトをとってくる。政府の陰謀論を振りかざし聴衆を煽っているだけかと思われた彼は、実はとんでもない秘密を知っていた。
今までモルダーたちが追い求めていた宇宙人の陰謀などは存在せず、全ては宇宙人の技術力を悪用し、政府を裏で操る者たちの壮大な計画だったのだ!
だが裏の政府に感づかれ、全ての証拠は再び闇に葬られてしまう・・・。
感想
冒頭に出てきた蛆虫男やOPの懐かしさたるや・・・!
THE TRUTH IS OUT THERE
(真実はそこにある)って一文を見た時はなんか涙でてきた。
いい感じになっていた二人はあれからどうなったかというと、どうやらXファイル課が廃止となってしまったショックでモルダーは鬱病に。それがきっかけでスカリーとは別れちゃったらしい。映画2作目でせっかく一緒に暮らすとこまでいったのに!モルダーもうちょいしっかりしてっっ!!
閑話休題。
肝心の内容についてですが・・・
既に色んな人が言っているように、Xファイルの良さがあまり描かれていない1話でした・・・。あからさまな政権批判が透けて見えるストーリーに、降って湧いた様な陰謀論がこじつけ臭くて仕方ない。
食糧危機も戦争も全部異星人の力を悪用した政府が国民を牛耳る為にやってんだぜー!・・・なMMRもびっくりな政府陰謀論を「な、なんだってー!」とあっさり信じちゃうモルダーがチョロすぎる。
元々宇宙人と政府の陰謀がメインの話ではありましたが、「地球上で起きている悪いことは全部政府のせい」にまで風呂敷広げられてしまうと、もう超常現象とか関係なくなっちゃって、ちょっと・・・
懐かしの敵キャラが再登場したり、嬉しいところもあるんですけどね。(例え口から吸えなくなっても意地でも煙草を吸って登場するスモーキングマンまじ歪みねぇ!)
でも最大の不満は、
あのスカリーの名セリフが聞けなかったこと!
「モルダー、あなた疲れきってる」
じゃないでしょう!?
そこは!
「モルダー、あなた疲れてるのよ」
でしょぉ!?もぉぉぉ!!
2話:変異
サンジェイという男が会議中に突然、周りの人間には聴こえない音を聞いて暴れだしてしまう。その後サンジェイはサーバー管理室に閉じこもり、自らペーパーナイフで鼓膜を突き刺し自殺してしまう。サンジェイの遺体を検死解剖していたスカリーは手に「創設者の変異」とかかれたダイイング・メッセージを発見する。さらにモルダーとサンジェイの自宅を調べていた際、モルダーもサンジェイと同じく謎のノイズ音が聞こえるようになってしまう。
事件解明の為、サイジェイが勤めていたヌージェニクス会社の創設者・ゴールドマンを調査する二人。ゴールドマンは遺伝子異常で体が奇形となってしまった子供たちを治療する病院を創りそこで研究を続けていた。
しかし精神病施設にいるゴールドマンの妻は「夫が子供たちを実験体にした」と話す。彼女の話によると、娘のモリーは水中で呼吸するなど普通の人間ではなく、おなかにいた赤ん坊は高音のノイズを発していたという・・・。赤ん坊は10数年たった今も行方知れずだ。
そしてモルダーは監視カメラの映像から、サンジェイが死んだ部屋の真上にいた清掃員が同じ動きをしていたことに気付く。この清掃員・カイルこそゴールドマンの息子であり、ノイズを発していた張本人であった。カイルには殺意はなく、ただ姉のモリーを探したいという思いからだったが、ノイズをコントロールできないらしい。
モリーを探す為、カイルをゴールドマンの元に連れて行ったモルダーたち。しかし再会した姉弟たちはサイキネシスでゴールドマンを殺し、病院を脱走してしまう・・・。
感想
スカリーとモルダーのテンポの良いやりとりが復活しており、1話よりもずっとXファイルらしいお話。ハイブリッド(人間に宇宙人の遺伝子を混ぜた新たな種)がいまだ創られていることが伺えるエピソードであり、合間に入るモルダーとスカリーの子供(ウィリアム)との回想シーンもファンには嬉しいところ。
しかしなんだって悪の親玉の元にホイホイ連れてっちゃったのか・・・。
3話:トカゲ男の憂鬱
深夜。森の奥で美しい月を眺めながらドラッグでハイになっていたカップルは、B級ホラーに登場するようなモンスターに襲われている人間を目撃!奥には殺されてしまった人間の死体もあった。
謎の怪物の正体を調査する二人。当初はモンスターなどいやしない・・・と若干気落ちしていたモルダーだったが、自身も全身トゲだらけのトカゲ男を目撃。俄然やる気をだす。
どうやらこのトカゲ男。人間の男性に擬態できるようで、彼の人間社会の名前はガイ(CV:島田敏)。追い詰めたモルダーは彼から事の顛末を聞くが、それは驚くべきものだった。
感想
まさかのギャグ回。
前2話とのギャップが激しすぎる3話。Xファイルの中でもトップクラスの爆笑エピソードだが、一応は殺人事件が起きているので、シーズン6の「レイン・キング」よりは平和じゃない、かも。
あまりにもウソくさいチープなデザインのトカゲ男。彼は現代社会の闇にまぎれ、人間を喰い殺しながら生きてきた・・・のではない。
あの月が美しい夜。
森の中で平和に過ごしていたトカゲ男に人間が襲いかかり、噛み付いてきたのだ!そして気付けば、彼は人間の姿に・・・。
しかし人間のDNAが混じってしまったからか、考え方や思考が人間そのものになってしまったトカゲ男は、
裸恥ずかしい!服を着なくちゃ!
→被害者の服を着る
働かなくちゃ!
→何の身分証も無いのに口だけで携帯ショップの店員に。売り上げも良く店長になる
・・・と、
ごくごく真っ当に人間社会に馴染みまくる。
モルダー(&視聴者)
「待ったわけがわからない」
ただのトカゲ男だった時も普通に昆虫を喰っていたので、人はおろか動物すら襲ってないらしい。なんだこの平和なモンスター・・・。
3話はこのトカゲ男の陽気な語り口と、B級ホラーのような展開を期待しては落とされるモルダーとのずっこけ会話がとにかく面白いのだが、他にも10シーズンにしてはじめてスカリーのサービスシーンがあったり、モルダーが全然スマホを使いこなせていないのに着メロはちゃっかり「Xファイルのテーマ」になってたりと小ネタも徹底している。
だが、1万年の冬眠を前にしたトカゲ男との最後の会話でモルダーが言った「僕も信じたいんだ」という言葉は、この世に不思議な存在がいて欲しいと願う少年のような気持ちを代弁しつつ、劇場版2作目の原題「I want to Believe」にもかかっていて、ちょっと感動できるラストになっている。
4話:バンドエイド・ノーズ・マン
ホームレスを強制退去させようとしていた男が、体を引きちぎられて殺される事件が起きる。監視カメラの映像から、事件前にはなかった謎の男のイラストと、ホームレスたちが口にする、ホームレスの味方「バンドエイド・ノーズ・マン」が関連していると睨むモルダー。だが事件の調査中、スカリーの母親・マーガレットが倒れたという電話が入る。
母親の元に駆けつけるスカリーだったが、マーガレットは病室でチャーリーという疎遠となった弟の名前を呼び続けていたと聞き疑問を持つ。他にも、以前は「自分が死にそうになったらどんな手段を使っても生かして欲しい」と書いていた契約書の文面が延命措置はいらないと書き換えられていたり、スカリーが見た事が無いコインをお守りにもっているなど、疑問が増えていく。
しかしチャーリーからの電話で目を開けたマーガレットは、モルダーに「息子、ウィリアムって言うのよ・・・」と、なぜか孫の名を口にし、安らかな眠りについた・・・。
イラストの塗料の購入先からとあるアーティストを見つけ出したモルダーたち。そこでバンドエイド・ノーズ・マンの正体が、彼がホームレスたちの思いを込めて描いたアートだと発覚する。
自分が産んだものに責任を持つべきだ。とスカリーから諭されたアーティストは、ひっそりと工房をあとにする。しかしその壁にはあのイラストが描かれており・・・
感想
絵から抜け出たものが、殺人を犯すというストーリー。ゴミ収集車に乗って現れ、殺害した人間の残骸と一緒に乗って帰るという一連のシークエンスが不気味な話。ゴミはゴミ箱にってことか?
どうして絵が抜け出たのかその辺の説明はよくわからないので、怨念がこもった絵は実体化ぐらいするよね!と思ってた方がいいかもしんない。これが本当に出来るなら世のオタクがどれだけ歓喜することか・・・。
そしてこのエピソードで、スカリーの心の支えでもあった母親がついに他界。母の心変わりやコインの謎は永遠に謎のまま・・・というシーンは「科学では解けない謎」=人の心という象徴なんだろうか。
5話:バビロン
自爆テロを起こした容疑者が、瀕死の状態で発見される。その容疑者から次の自爆先を聞き出そうと、モルダーを尋ねたミラー捜査官と、彼の相棒のアインシュタイン捜査官。
かつてのモルダーのように超常現象の力を信じているミラーと、かつてのスカリーのように科学主義のアインシュタイン・・・両極端な彼らを見て思うところがあったのか、スカリーは科学の力でミラーと共に捜査を、モルダーは彼女には思いもつかない方法で、容疑者との対話を試みる!
感想
瀕死の容疑者から情報を聞き出すため、科学サイドとオカルトサイドの両方からアタックするという話。科学サイドであるスカリーは、脳波を測定して「イエスかノーか」で答えられる質問で反応を見るという真っ当なもの。対してモルダーは・・・アインシュタインからマジックマッシュルームを処方してもらって、トランス状態で会話するという、ブッ飛びまくった方法を試すことに!
この時のトランス状態のモルダーが見てる幻はかなりエキサイトしており、ぷりぷりのねーちゃんたちとどんちゃん騒ぎをしたり、踊ったりバク転したりとやりたい放題。この幻にはスモーキングマンだけでなく、亡き盟友ローン・ガンマンも登場していて、ファンサービス的なギャグシーンとなっている。
しかも、実はアインシュタインが渡したのはただの栄養剤で全然ヤクじゃありませんでしたー!というオチがつく。14年経っても相変わらずの問題児っぷりに、スキナー副長官のハゲも悪化しちゃうぜ・・・。
自爆テロが後を絶たない現在、容疑者を殺そうとする看護士の言い分がリアルで怖い。物語の最後は愛情と、連鎖していく尽きることのない憎しみ、どう折り合いをつけるか?で締めくくられるが・・・これこそ永遠の謎かもしれない。
6話:闘争 Part.2
1話で登場したタッド・オマリーが再び登場。彼はネットニュースで「アメリカ国民のほとんどに、宇宙人のDNAがあることが解った」と衝撃的な発言をする。時同じくしてモルダーが襲撃。病院は謎の感染症にかかった患者で溢れかえっていた。
そんな中、スカリーはかつての仲間・モニカと再会する。しかし彼女はスモーキングマンと取引し彼の側になっていた。スモーキングマンはスパルタン・ウイルスを使い、自分が選んだ人間以外の人類を滅ぼそうとしているらしい。さらに、スモーキングマンがモルダーと取引するために使いを送ったこと、そしてかつて宇宙人のDNAを与えられたスカリーだけは、このウイルスが効かないことを知る。
ウイルスに対抗する手段として自分の中のエイリアンのDNAを利用し、アインシュタイン捜査官の助けを借りてワクチンを作ったスカリー。だが、取引を断ったモルダーはワクチンでは手遅れなほど重症だった。助かるには同じく宇宙人のDNAを持つ、息子・ウィリアムの細胞が必要だ。
焦るスカリーたち。
しかしそんな彼らの頭上に、1本の光の筋が・・・。なんとそれはUFOだった!一体彼らは何のために現れたのか・・・!?
感想
せっかくモニカが再登場したのに、ドゲッドが大人の事情で出演しないのが淋しい!
あとこのタイミングで現れたUFO(エイリアン)が「助けにきたよー!」みたいに見えて仕方ない。結局宇宙人は何がしたかったのか。裏政府は世界滅ぼしてどうしたいのか?よくわからんラストだった。とはいえ続編ありきなんだから仕方ない。・・・こっから逆に宇宙人と協力して裏政府をばったばったとなぎ倒す展開だったら面白いのに(笑)
あと今シーズンからの新キャラ、ミラー&アインシュタインはかなり良かった。特にアインシュタイン。堅物だけどわりと冷静で、ぐっちゃぐちゃな状況にも関わらずスカリーにもナイスなアドバイスをしていて好印象。このコンビとドケッドと、みんなで続編で大活躍してくれたら言う事なし!
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最後に
全6話、とりあえずドラマ版の風間杜夫さんと戸田恵子さんの吹き替えで見ました!このちょっともさっとした、優しげな風間さんのモルダーがまた聞けて本当に嬉しかったです。
全体の感想としては・・・1話でちょっとコケた感がありましたが、2話以降は楽しんで見れました。ただラストで人類絶滅までいっちゃったんで、これどうやって収集つけるんだ!?ってのが心配です。(あと、気のせいかホモネタが多めに見えたんですが・・・心が汚れきってたせいですかね??)
TVドラマ版しか見ていない人には二人の子供の話などはちょっと解らないかもしれませんが、昔Xファイル好きだった!という人は改めてみてもいい作品だと思います。ツタヤディスカスではそれぞれの吹き替えバージョンで動画配信してますし、7月1日からはレンタルも開始されるので、この機会にぜひ!
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