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ツイッターやフェイスブックといったSNSユーザーの約60%が、ニュースの元記事を読まず、タイトルのみを見てリツイートやコメントを書いている――。そんな世界的な調査結果が出た。
これに対し、日本のネット掲示板「2ちゃんねる」でも、「リンク先の記事を確認する奴は殆どいない」といった意見が出るなど、日本でも同様の状況は広がっているようだ。
米ワシントンポストの電子版(2016年6月16日)によれば、コロンビア大学とフランス国立研究所のコンピュータ科学者が15年夏に1カ月間かけてCNN、ニューヨーク・タイムズ、ハフィントン・ポスト、BBC、フォックスの5つのニュースドメインとSNSのリンクを調査したところ、リツイートやコメントを書いている人の59%が元記事のリンク先をクリックしていないことが分かった。つまり、タイトルのみを見て判断しネット上に拡散していたのだという。さらに、記事が出てから数日経った後でそのタイトルを知った人の多くもリンク先をクリックしていなかった。ワシントンポストは、ほとんどの人がニュースを読まずにリツイートするように見える、とし、
「あなたとあなたの友人の軽率なリツイートが、私たちの政治的、文化的な議題を実際に形成しています」
と警鐘を鳴らした。
なぜ元記事を読まずにリツイートするのかについては、人々は記事を読むことよりも、記事を共有することに喜びを感じている。そのため、深く知ろうとする努力をすることなく、要約や、さらに要約の要約であるタイトルに基づいた意見を発信するようになっている。これは現代の情報消費の典型だ、と論じている。
一方で、ネット記事のタイトルの中には、記事に誘導するための独特の表現が少なくないが、実際に記事を全部読まなければ分からないものも多い。
日本での象徴的な例は、ジョークサイト「虚構新聞」の記事だ。事実ではないフィクションを「記事」として掲載しているサイトだが、これらの記事が何度も「デマを流した」として扱われている。有名なのが12年5月の「橋下市長、市内の小中学生にツイッターを義務化」というタイトルの記事だ。ツイッター上では、拡散されたタイトルを見て信じた人が大勢出た。リンク先をクリックして記事を全部読めば、「虚構新聞」のジョークと分かるはずのものだった。
ワシントンポストの記事に対しネット上では、
「2chとかでもリンク先ちゃんと確認してる奴ほとんどいないよw」
「わざわざ研究チームが調査しなくてもバカッターがソースを見ない、読めない、理解できない事ぐらいわかってた」
「情報を拡散する以上、リツイートのリンク先は確認するのが責任だと思うのだがね...」
「59%しかいなかったのが驚きだわw日本だと94%くらいだろうな」
などといった意見が掲示板に出ている。
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