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乳がんは東京で突出、肝臓がんは西日本に偏在…発症に地域差
がんを発症する危険性は居住する都道府県により差があることが29日、国立がん研究センターが発表した2012年のがん患者の推計値でわかった。
乳がんの発症は東京で突出して高く、肝臓がんは西日本に偏っていた。全都道府県でがん登録のデータがそろい、地域ごとの全容が明らかになったのは初めて。
推計値によると、12年に新たにがんと診断されたのは約86万5000人。集計結果から年齢などを調整し、発症の危険性を全国平均を100として都道府県ごとに算出した。
がん全体では、男性は北海道、東北、山陰、九州北部で発症が多く、女性は東京、大阪、福岡など都市圏で目立った。
がんの種類別でみると、乳がんは東京で133と際だっていた。愛媛、福岡、三重、長野、広島が110台と高かった。
肝臓がんは、近畿以西で120~160と高い府県が多かった。胃がんは東北地方や日本海側、大腸がんは北海道や東北、中部地方で危険性が高かった。
松田智大・同センター全国がん登録室長は「生活習慣や環境の違い、がんの原因となる細菌やウイルス感染者の分布などが、地域差の要因と考えられる」と話している。
同センターは、がん発症状況をすでに集計していた道府県については03年分から推計値を公表してきた。東京や埼玉などが今回から参加し、初めて47都道府県のデータがそろった。