06月29日 19時43分
警察が無断で容疑者の車にGPS端末を付けて行動を監視したことが違法かどうか争われた裁判で、2審の名古屋高等裁判所は「プライバシーを侵害する危険性のある捜査手法だった」と指摘し、1審に続いて違法とする判断を示しました。
判断が示されたのは愛知県小牧市の44歳の男の被告が現金300万円あまりや車を盗んだ罪などに問われた裁判です。
この事件では警察が3年前、捜査段階で被告の車に位置情報が分かるGPS端末を無断で取り付け、3か月間にわたって行動を確認していたことが明らかになり、1審の名古屋地方裁判所は「任意捜査の範囲を超えており、プライバシーを侵害している」として違法だとする判断を示しました。
29日の2審の判決で、名古屋高等裁判所の村山浩昭裁判長は「GPS端末を使う捜査には必要性があったが、終了の時期を決めないまま漫然と行われ、1600回以上の多数回、車の位置を検索しており、プライバシーを侵害する危険性のある捜査手法だった」と指摘し、1審に続いて違法だとする判断を示しました。
一方で「違法の程度は重大ではない」として、位置情報を元に集めた映像を証拠として採用し、1審に続いて懲役6年の判決を言い渡しました。
GPS端末を使った捜査をめぐる裁判では、ことし3月、大阪高等裁判所が「重大な違法があったとはいえない」として、「違法だ」とした1審とは逆の判断を示し、判断が分かれています。
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