ただ、ドローンといえば首相官邸への落下事件や、素人撮影者による事故が相次いだのも記憶にあたらしいところ。海外では歌手のエンリケ・イグレシアスがパフォーマンスの最中に、コンサートの演出に使用していたドローンのローターで負傷する事故もありました。
パナソニックが試作品として発表したバルーンカムは、このようなドローンのメリットを活かしつつ、万が一の落下時の安全性を大幅に改善したのが特徴です。
見ためは工事現場にあるバルーン照明のようですが、機体には縦に貫通する穴があり、その内部にローターと制御本体を搭載。下部には撮影用カメラを備えます。パナソニックは風船の浮力によって安定性を確保しつつ、プロペラによる機動性も備えたとしています。
バルーンという特徴によって安全性が向上するため、スタジアムなどでは観客席への接近撮影が可能となり、臨場感のある演出効果が期待できます。さらに、バルーンの内部にLED光源やプロジェクターを仕込むことで、バルーンカムそのものに映像を投影して演出の一部として流用することも可能。広告にも活用できるとのこと。
パナソニックは2016年内の実用化にむけて実証実験を実施予定。バルーンカムは一般向けの製品ではないものの、もしかすると来年のいまごろには、たとえば夏フェスのような大きなイベント、ドーム型スタジアムやアリーナクラスの会場を使った音楽/スポーツその他のイベントで我々の目を楽しませてくれているかもしれません。