Gorian91株式会社 デザインのプロセス
ロゴの作り方「Gorian91」編です。
「Gorian91」って、おもしろい名前ですよね。ゴリアンキュウイチと読みます。
白井祥剛さんが代表を務めるGorian91株式会社 さんです。
ちなみに社名の由来は・・・
会社名は、小学生の頃に自分の下の名前である「祥剛(しょうご)」をもじって、「ショウゴリアン」と呼んでいたことに由来しています。「91(キュウイチ)」は、僕の誕生日9月1日から取りました。
引用:http://gorian91.co.jp/
白井さんの「あだ名」と「誕生日」から来ています。
白井さんの「あだ名」と「誕生日」から来ています。
白井さんが僕のHPを見て、ロゴと名刺のご依頼をいただきました。
はじめは「リサーチ」と「ヒアリング」
いつもどおり、「知ること」からスタートします。
リサーチ
まずは、「Gorian91」のwebサイトをくまなく見ました。
Gorian91さんのお客さんとして客観的に見た後、デザイナーとしての目線で見ます。
第一印象が大事
僕が大事にしているポイントが「第一印象」。最初に感じた印象は、制作過程にで薄れていくのできっちりメモします。
「難病当事者の生きる道を作る。」
このスローガンがとてもすばらしい。最初に感じたことです。
白井さんは、「難病当事者の生きる道を作る。」というビジョンに掲げていて、難病の方や障害のある方へ向けて、Webサイトでの情報発信やイベント開催などをされています。
いつも以上にやりがいを感じました。
「想い」、「願い」、「考え」、「価値観」をヒアリング
リサーチだけでは外面だけの情報ですので、情報不足です。
内面をヒアリングしていきます。
本当は音声チャットがベターなのですが、今回は「チャットミーティング」を希望されました。
白井さんの頭の中を探っていきます。
- 法人化の背景
- 名刺とロゴが必要な背景 (目的・対象・状況など)
- 将来の展望
- 現状の問題点
- どんなイメージを持ってもらいたいか
・・・など
なるべくたくさんの情報を集めます。
実は白井さんの場合、Gorian91のことや、ロゴについて考えていることを事前にメールでもらっていたので、早々にフランクにな雑談に切り替わりました。好きなファッションの話にもなったり。
でも、そういうのが意外と重要だったりします。
ラフデザインの制作
リサーチやヒアリングで得た情報をもとにラフデザインをしていきます。
手描きのラフを書くことからが多いのですが、今回についてはすぐにMacでとりかかりました。
というのも、ヒアリング後すぐに思いついたから!
割とすぐ思いついたものが結局、採用される確率が高かったりします。
A案「Gorian 91」は、難病当事者にとって、生きるための道しるべ。
「難病当事者の生きる道を作る。」
先にも書きましたが、このビジョンが本当にいいなぁと思って、これをもとに表現したいと思いました。
キーワードは「道」
「Go」は道を歩いていくという意味で親和性が高い。
「91」はもともと白井さんの誕生日から来ているのですが、「道」に関連する意味を持たせたい。
それで、「ルート66」の標識がパッと頭に浮かびました。
![]()
引用:http://www.cent-21.com/roadsign/route66/images/route66.jpg
「Gorian91」は、難病当事者にとって生きる道しるべである。
実際にGorian91さんに提案したものです。↓
【コンセプト】「難病当事者の生きる道を作る。」 このすばらしい命題をロゴに含みたいと考えました。キーワードは「道」。「Gorian」と「91」。このアルファベット数字は、非常に特徴的でインパクトがある。かつて西アメリカの発展を促進した国道「ルート66」の標識のデザインのようにも見えてくる。「Gorian91」は、難病当事者にとって生きる道しるべである。難病当事者の人生のサインとして、標識のようなデザインがふさわしいのではないかと考えました。また、「Gorian」の文頭が「Go」なのも「道」意味合いとして親和性がある。
B案 長く使われる信頼性と伝統的なデザイン。
A案を閃いて、これがいいという確信があったのですが、他の方向も考えます。
他の案を考えてダメだったら、A案が良いという確証になります。
B案も「道を作る」をもとに違うアプローチを考えました。
それと、A案はわりとすっきりした今風のデザインなので、真逆にしてみました。昔からあったような伝統的なクラシックなイメージです。
Gorian91は「長くつづく人生の道のり」をサポートしていくという考え方です。
また、白井さんから「信頼性を感じられるロゴにしたい」とのことでシンプルで王道なデザインにしました。
実際にGorian91さんに提案したものです。↓
【コンセプト】「難病当事者の生きる道を作る。」 「道を作る」を表現する、もう一つのアプローチ。「Gorian91」の上下のラインは、道の奥行きを表している。書体は、スタンダードであり。信頼性を感じさせるもの。名前にインパクトがあり、POPな分、ロゴはシンプルで伝統的な書体が向いている。また、それが難病当事者と真摯に向き合っている印象を感じさせる。流行のデザインに左右されることのない伝統的なデザインがふさわしいかと考えました。
どちらの案になったか?結果は?
白井さんに提案し、すぐに返信が来ました。
即答で、A案!
どちらも素敵なデザインでテンションが上がりました!! 即答で申し訳ないのですが、「PLAN A」でお願いいたします! 生きる道しるべから人生のサイン、標識というアイデア、 名前の文頭の「Go(道)」と親和性が高いという話など、 ロゴが持つ意味合いとビジュアルが合致しており、 自分の中でしっくり来るふさわしいロゴだと思いました。
完成品
「91」の部分をブラッシュアップしたり、「Gorian」のフォルムや文字間を微調整。
コンセプトやアイデア出しも楽しいですが、0.1ミリ単位でちょこちょこいじるフィニッシュワークもすごく楽しい。
Gorian91の活版名刺
ロゴが完成したと同時に、名刺のご依頼をいただきました。
しかも活版印刷!テンションが上がります。
活版印刷は、いつもお世話になっているハグルマ封筒印刷 さんです。
条件付きですが、100枚5,000円で活版印刷。この価格で活版印刷ができるのはここくらいだと思います。
↓(下の写真)仕上がった名刺です。用紙は「特厚」。活版印刷は、文字部分に凹凸ができます。その手触りが気持ちいい!
レイアウトも結構こだわりました!シンプルで高級感が出せたと思います。
活版印刷は仕上がりが、やっぱり美しいですね。
という感じで、
ロゴと名刺が完成しました。
白井さん、ご依頼ありがとうござました!