公開日 2014.01.09
なぜ痒いところを掻くと気持ちよくなるのか? その脳内メカニズムを解明
[内容]
痒いところを掻くと快感が生じます。しかしながら、その脳内メカニズムは不明でした。
今回、自然科学研究機構生理学研究所の望月秀紀特任助教授、柿木隆介教授は、
掻くこと(?破)によって生じる快感に報酬系と呼ばれる脳部位(中脳や線条体)が関係することを明らかにしました。
本研究成果は米国の学術専門誌Journal of Neurophysiology(神経生理学雑誌)の1月号に掲載予定です。
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研究グループは、実験的に手首に痒みを誘発し、その近辺を掻くことによって快感を生じさせました。
そのときの脳の活動を、磁気共鳴断層画像装置(fMRI)を使って調べました。
その結果、中脳や線条体といった報酬系と呼ばれる脳部位が強く反応することを世界で明らかにしました。
すなわち、報酬系の活性化が掻破による快感を引き起こす原因と考えられます。
これは世界で初めての発見です。
望月特任助教は、
「気持ちよいからもっと掻いてしまうことがよくあります。
特に、アトピー性皮膚炎患者など痒みで苦しむ人々にとっては、掻破による快感は深刻な問題です。
なぜなら、過剰な掻破が皮膚を傷つけ、それが原因で痒みがさらに悪化してしまうからです。
今回の発見により、快感に関係する脳部位が特定できました。
この部位の活動を上手にコントロールできれば、過剰掻破を抑えることができます。
そのような掻破の制御を目的とした新たな痒みの治療法開発につながることが期待されます」と話しています。
本研究は、科学研究費補助金の支援をうけて行われました。
------------- 引用ここまで 全文は記事引用元をご覧ください ------------
▽記事引用元 自然科学研究機構生理学研究所 公開日 2014.01.09
http://www.nips.ac.jp/contents/release/entry/2014/01/post-262.html