カンヌライオンズ、クリオと並ぶ世界三大広告賞の一つ、ワンショー。世界的なクリエイターが審査を行い、コピーライターやアートディレクターなど個人の技能を評価する点が特徴だ。今回は、最高賞「Best of Show」に輝いた作品に加え、特に注目したい「フィルム」「インタラクティブ」「UX/UI」「ダイレクト」の各部門で最高賞を受賞した作品を紹介する。
Best of Show
まさかの宣言「ブラック・フライデーは営業しません!」
REI
「Opt Outside」
1938にアメリカのシアトルで発足した、アウトドア用品専門の消費者協同組合であり、スポーツ用品小売りチェーンでもある「REI(アールイーアイ)」。同チェーンでは、「REI IS CLOSING ON BLACK FRIDAY(REIは、ブラック・フライデーは営業しません)と宣言、感謝祭(サンクスギビングデー:11月第4木曜日)翌日の金曜日の「ブラック・フライデー」に全146店舗の営業を行わないことを発表した。
そして、自社が扱う商品に大自然の中で触れてもらいたいとの思いを込め、ムービーやポスターなど各種メディアを通じて「Opt Outside(ブラック・フライデーには買い物をしないで、アウトドアに出かけよう)」というメッセージを発信。その勇気ある行動が高く評価された。
ブラック・フライデーといえば、この日を境に小売り店が一斉に値下げをスタートする“アメリカ最大の大安売りの日”であり、年末商戦初日。休日とする企業も多く、小売り店にとってはまさに書き入れ時となる。
しかし近年では、本来、家族や友人と過ごすための「感謝祭」にも関わらず、セールのために前日から行列に並ぶ人も続出、「感謝祭の意義に反している」とブラック・フライデーを問題視する人が増えていた。消費者のみならずブランド側も、ブラック・フライデーの過度な盛り上がりに疑問を呈し、この大規模セールに不参加を表明するブランドも出てきていた。
ハッシュタグ「#OptOutside」はたちまちトレンドワードに浮上し …