G2Aは海賊版よりもたちが悪い
「G2Aを利用するくらいなら海賊版で遊んでくれ」、ゲーム開発者のLars Doucetは語る。
ゲーム開発者コミュニティGamasturaに投稿されたコラムにて、『Defender’s Quest』の開発者として知られるDoucetはゲームキー販売業者”G2A”がゲーム業界内外にもたらす害悪について説明している。
「ゲームを買うよりも海賊版を利用してくれなんて言う日が来るとは思いもしなかった」と語るDoucetは、ゲームキー販売業者として知られるG2Aを名指しして批判した。
海賊版を利用されることで自身が得することはないが、G2Aを利用することは消費者にとって最悪の選択肢だと語るDoucetは、”4つの通貨”という概念を用いてG2Aを販売することのデメリットを説明できるという。
Lars Doucetが開発したDefender’s Quest
“4つの通貨”という概念
Doucetが語る4つの貨幣は以下から成り立つ。
- $M – 実際の貨幣によるコスト
- $T – 時間によるコスト
- $P – 様々なリスクによるコスト
- $I – 健全さ・良心によるコスト
良心の呵責など$Iについては個人差があるとしながらも、Doucetは消費者はこれら4つの観点の総計が最も安くなる製品を購入することが大事だと主張している。
ようするに、Doucetは正規品を正規の販売店で購入することが最もコストを抑える選択肢ではあるが、次点の選択肢として海賊版とG2Aを利用してゲームを購入することを比較した時、海賊版を購入した方がコストが抑えられると主張しているわけだ。
G2Aを利用することは、一般的に語られるよりも多額のコストがかかっているとDoucetは説明する。
正規品/G2A/海賊版のコストの違い
正規品を購入した場合
まず正規品を購入した場合、法律的やモラル的にも何の問題もなく、コストとして計上されるのは実際の通貨のみだ。なにか悪いことをしたという良心の呵責などは一切ない。
海賊版を利用した場合
そして次に海賊版を利用した場合、無料で手に入れられるわけであるから実際の通貨によるコストはゼロだ。
代わりに海賊サイトで目当ての作品を探すために時間や、マルウェアといった危険性を背負う必要があり、なにより良心の呵責と法律に違反しているという危険性が付きまとうことになる。
G2A(自称)
そしてG2Aが公に宣伝しているコストが上記になる。
実際の通貨としては非常に安価だし、正規ダウンロード販売店と変わらない利便性で購入できるし、Steamキーでもあるし法律的にも問題がないようで見かけ上は非常に安価な最優の選択肢に思えてくる。
しかし実態は異なっているとDoucetは主張している。
G2Aにつきまとう実態
Doucetが主張しているG2Aの実際のコストによれば、G2Aにて販売されているゲームキーの多くは盗まれたクレジットカードを利用して購入されたゲームキーであり、クレジットカードの不正利用が発覚した場合には当然ゲームキーは無効となる。
この件については実際にTinyBuildとIndieGameStandが調査を行い告発している。
G2Aを利用する場合はそういった盗品に絡むトラブルを防ぐために、”G2Aシールド”という保険サービスを利用する必要がある上、トラブルに対処するための様々なコストも潜在的に含まれている。
Doucetが主張するG2Aの実態
クレジットカードの不正利用に、売上金はゲーム開発者ではなく盗人が手にするなど、健全さの観点から見たコストは計り知れないほど高額だ。
どちらか選ばざるを得ないなら海賊版だ
つまり消費者が支払っているコストとしては最も安価なものが正規品、次点で海賊版、最後にG2Aであるということだ。
Doucetは多くの人々が「海賊版を利用することは窃盗だ」と言うが、実際には異なっていると話す。「侵害されているのは私が利益を法的に得られる権利だけだ」
海賊行為は窃盗ではない。
G2Aは窃盗だ。
最後にDoucetは、G2Aか海賊版を選ばなければならない時は海賊版を選んでほしいと語った。
「もちろん、正規品を買ってくれると本当に嬉しいよ」
『Defender’s Quest』は現在Steamにて販売されており、レビューでは圧倒的に好評となっている。日本語にも公式で対応している。