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いつまでたってもIT下手の日本企業が克服すべきシンプルな課題
「アプリケーションの見た目は洗練されていて、格好いい。なのに全体の処理に時間がかかるなど、ユーザーにとって必ずしも使い勝手がよいものではない。IoT(モノのインターネット)をはじめとするデジタル活用が進みつつある現在、こうした事態が多発している」。
こう指摘するのは、米ジェンパクト(Genpact)でグローバル戦略・マーケティングを統括するシニア・バイスプレジデントCMO(最高マーケティング責任者)のジャンニ・ジャコメリ氏(写真)だ。
ジェンパクトはBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)や企業変革支援などを手掛ける。単なるBPOでなく、企業価値を高めるサービスを志向しており、日本では日立製作所や日産自動車が同社のサービスを利用している。もともと米ゼネラル・エレクトリック(GE)の社内部門が独立して生まれた企業で、GE流の手法・考え方を採用しているのが特徴だ。
ムダを減らし、価値を最大化する
ジャコメリ氏が指摘するのは、基幹系システム(バックオフィス向けシステム)の処理を伴うモバイルアプリケーションなどに関する問題点だ。同氏はその理由を、「デジタル技術を活用する際に、多くのITプロジェクトはフロントオフィスにしか焦点を当てていないからだ」と説明する。
例えばハイテクメーカーが資材を製造・販売する際に、「フロント側ではモバイルデバイスを使っているのに、バックオフィスでは旧来のシステムや手入力が残っている。様々なシステムが混在し、自動化しているプロセスと自動化していないプロセスが存在しており、そのギャップを担当者が埋めている状態だ」(ジャコメリ氏)。そうなると「処理が途中で止まったり、たらい回しにされたりして、最終的に回答が支店に戻るまでに時間がかかってしまう」(同氏)。
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