警察が無断で容疑者の車にGPS端末 2審も違法

警察が無断で容疑者の車にGPS端末 2審も違法
警察が無断で容疑者の車にGPS端末を付けて行動を監視したことが違法かどうか争われた裁判で、名古屋高等裁判所は「プライバシーを侵害する危険性のある捜査手法だった」と指摘し、1審に続いて違法とする判断を示しました。
愛知県小牧市に住む44歳の男の被告は現金300万円余りや車を盗んだ罪などに問われています。
この事件では警察が3年前、捜査段階で男の車に位置情報が分かるGPS端末を無断で取り付け、3か月間にわたって行動を確認していたことが明らかになり、1審の名古屋地方裁判所は「任意捜査の範囲を超えており、プライバシーを侵害している」として違法だとする判断を示しました。
29日の2審の判決で、名古屋高等裁判所の村山浩昭裁判長は「GPS端末を使う必要性はあったが、終了の時期を決めないまま漫然と使われ、1600回以上の多数回、車の位置を検索しており、プライバシーを侵害する危険性のある捜査手法だった」と指摘し、1審に続いて違法だとする判断を示しました。一方で、「違法の程度は重大ではない」として、位置情報を基に集めた映像を証拠として採用し、1審に続いて懲役6年の判決を言い渡しました。
GPS端末を使った捜査を巡る裁判では、ことし3月、大阪高等裁判所が「重大な違法があったとは言えない」とする判断を示し、裁判によって判断が分かれています。