頭の悪い大学のなかを歩いていると激しく腹が立ってくる。
そして、どうにもならなくて泣きそうになる。
街を歩いてもそうである。
どいつもこいつも肌が綺麗で、自分の恐ろしく汚い深い凹凸がべったりと付いた頬やこめかみは一生どうにもならないとなると息が苦しくなるのだ。
日本全国の人魚でも、たった4000にも満たない人魚のうちの1つになった。
父親はこれからは資産価値を増やすのがゲームになるし、それを自分もやってくれという。
ただ、父親の人魚の価値というのは例えどんなに上がっても自分の醜い容姿はどうにもならないのだ。
大量に吹き出物が覆った顔が腫れ上がっていた学校でも、外でも今よりも苦しい思いをしていた高校生の時は、いつも父が育てている人魚が4000もいないものに選ばれたときを想像して耐えた。
しかし、人魚が選ばれてもとてもじゃないが安い金しか入らない。
そして、容姿が醜くくて惨めだ。
医者に見せてもじっくりと目立たなくなるのを待つか、良くなるかわからないレーザーをやるかという話で本当に現代医療ではどうにもならないという。
どこまでも自分は苦しい思いをしていくのだ。
ただ、見てくれの良い人間に尽くすような話を自分にする輩やらを見ると怒りが湧き出てくる。
マトモな容姿をいつか買いたいし、見てくれの良い人間の特権を奪わなければいけない。
最悪である。
早めに損切りしたくなる時がよくある。
高校生の時の見てくれの良い慶応大学やらに進学した同級生が持てるものをいつかは奪い取らないといけない。
負けていられないのだ。