2016年6月29日22時34分
原子力規制委員会は29日、全国の原子力施設で行われた安全上重要な電気ケーブルの敷設状況の調査結果をまとめ、4原発で計1973件の保安規定違反があったと発表した。再稼働した原発では見つからなかった。日本原燃の六ケ所再処理工場(青森県)でも82件の軽微な違反があり、計2055件が違反と認定された。
東京電力は昨年9月、柏崎刈羽原発6号機(新潟県)の中央制御室の床下で、原子炉の緊急停止信号などの安全上重要な電気ケーブルが不適切に敷設されていたと規制委に報告した。火災時の延焼を防ぐために、本来は他のケーブルと区分して収納することになっているが、分離板が倒れるなどして混在していた。これを受け、規制委が各事業者に調査を指示していた。
柏崎刈羽と東京電力福島第二原発、東北電力女川原発(宮城県)、中部電力浜岡原発(静岡県)の計1973件は、4段階ある保安規定違反のうち2番目に厳しい違反2と認定された。規制委は「火災で複数の安全機能を同時に失う可能性がある」と指摘した。追加敷設を業者に発注した際、重要なケーブルと一般のケーブルの区分があることを十分説明しなかったことなどが原因という。
一方、再処理工場の82件は安全上重要な施設が含まれず、最も低い「監視」となった。
東北電力東通原発(青森県)と北陸電力志賀原発(石川県)でも不適切な例があったが、規制の対象になる前の施工だったため、違反とは認定しなかった。
各事業者はケーブルの付け替えなどの修正を進めており、規制委は今後、保安検査で確認する。
新着ニュース
おすすめコンテンツ
PR比べてお得!