日本だけでなく世界中で知られている『ウサギとカメ』の物語。誰もが、幼少時代に家族や先生から聞かされていたはずだ。ウサギとカメが「かけっこ」で競争し、どちらが早く目的地に到着するか競う物語である。ウサギの俊足ならばカメに負けるはずがないのだが、ウサギは余裕をかまして昼寝をしてしまう。その間にカメがウサギを追い越し、最初に目的地に着いてしまうという結末だ。

「己を過信して怠れば失敗する。あきらめずに継続して努力をすれば報われる」という教訓を知る事ができる、非常にためになる物語である。そんな誰もが知っている『ウサギとカメ』の物語に、驚愕の続編があるのをご存知だろうか? なんと、ウサギが英雄になり、カメが砕け散って死んでしまうというのだ。

『ウサギとカメ』の続編には2つ存在するといわれており、そのうちのひとつは本となって出版されている。出版化された物語は『負けウサギ』というタイトルで、『ウサギとカメ』のあとの話として書かれたもの。もうひとつは出版化されていないが、カメの物語となっている。簡単ではあるが、それぞれのストーリーをお教えするとしよう。

・『ウサギとカメ』の続編 / ウサギ編
かけっこでカメに負けたウサギ(以下、負けウサギ)は仲間のウサギに馬鹿にされ、恥さらしとしてウサギの村を追い出される。しかしオオカミがウサギを狙っている事を知った負けウサギは、オオカミを騙して岸壁に誘い出す事に成功。負けウサギはオオカミに飛び蹴りを食らわせ、崖から突き落としてオオカミを殺害。ウサギの村は負けウサギを温かく迎え入れ、英雄となった。

・『ウサギとカメ』の続編 / カメ編
ウサギとの勝負に勝利したカメは、「なんでもやればできるんだ!」という気持ちに目覚め、あらゆることに挑戦しようとする。ある日カメはワシに頼んで、どんどん空高く飛んでくれとお願いをしてきた。カメは、頑張れば空を飛べると思ったようである。言われたとおりワシはカメをつかんで高い場所まで飛んでいき、そこからカメを落とした。カメは空を飛べると確信していたが、飛べるはずもなく地面に激突し、砕け散ってしまったのだ。それ以来、カメを見たものはいないという。

上記のストーリーはあくまで要約したものであり、詳しく知りたい人は『負けウサギ』を読んだり、図書館やインターネットで調べたりしてみよう。また、カメ編のストーリーは『カメとワシ』という物語が変化したものではないか? ともいわれている。カメ編が出版化されていないので詳しいことはわからないが、カメ編が事実であればとにかく衝撃的な結末である。