自己破産をすると借金という重しがなくなると考えている人が大勢います。
それゆえに、簡単に自己破産をしようとする人が増えているようです。
では、自己破産をし、免責決定がくだされた場合、残った借金は誰が払うのでしょうか。
肩代わりする人について
自己破産をして免責が降りると借金を返済する義務がなくなります。
例えば、銀行から1000万円を借りていて、利息分をずっと払っていたのですが、経済状況が悪化して自己破産しました。
そうすると、利息分は払われていましたが、元本の1000万円はまるまる残ったままになってしまいます。
もし連帯保証人がいなければ、この1000万円は銀行がそのまま失うことになってしまいます。
つまり、銀行がその不足分を支払っているようなものです。
しかし、連帯保証人がいる場合はどうなるのでしょうか。
この保証人が残った借金のすべてを肩代わりしなければなりません。
でも、自己破産もしたし、免責も降りたからその必要はないんじゃないのかと考えるかもしれません。
しかし、この裁判所の判決はあくまでも、申請をした本人にしか適用されません。
連帯保証人には適用されないのです。
ですから、借金をした当人に返済義務が無くなった今、連帯保証人が残った借金のすべてを返済していかなくてはならなくなるのです。
知っておきたい個人間の貸し借り
もし、あなたが誰かにお金を貸していて、相手が自己破産したなら、その貸したお金はどうなってしまうのでしょうか。
例えば、友達に20万円貸していました。
しかし、友達は破産手続きをして、もう返済しないといいます。
破産手続きというのは、経済的に破綻した個人の借金を整理し、本人が持っていた財産を債権者たちで平等に分配しましょうという手続きです。
もし、債務者がこの手続を始めると、本人の借金や財産を管理するのは破産管財人と呼ばれる人になります。
ですから、お金を貸していた人や業者は直接本人に合って取り立てをすることができなくなってしまうのです。
出来ることといえば、破産管財人が、本人の財産を鑑定し、借金の金額に応じて、各債権者に財産を配当してくれるのを待つことくらいです。
しかし、この配当というのはあまり期待できるものではありません。
なぜなら、破産した人というのはほとんど財産を持っていることがないからです。
ですから、配当の相場というのは債権額の5%位と言われています。
20万円を貸していたら1万円が戻ってくる程度なのです。
これほど日本の破産制度は債務者を守るものなのです。
親が借金している場合は?
親が借金していて破産した場合、子供がお金を払ってあげなければならないのでしょうか。
必ずしもそうではありません。
基本的には、親の借金というのは親本人のものですから、子供に返済義務は一切ありません。
借金の際の保証人に子供がなっていなければ、返済義務はありません。
同居していたとしてもそうです。
また、子供が知らないうちに保証人になっていたケースでも返済義務はありません。
本人の承諾がないまま借金の保証人にされていた時には、債権者に名前を削除してもらうように訴える権利があります。
もし、債権者が訴えに応じないなら、弁護士に相談するようにしましょう。
親の借金で気をつけたいのは、親が突然亡くなってしまった時です。
この場合は親の遺産として借金が子供に引き継がれます。
しかし、このようなときも相続放棄の手続をするなら借金を肩代わりしなくて済みます。
特に身内が破産手続きをした時などは、自分に返済義務が生じるかどうかきちんと確認するようにしましょう。