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【千葉】<参院選 大人って…>(中)投票の意義 次世代見据え意思示す
国政選挙はいつも、若者の低投票率が課題。若者が政治に興味を持たない理由とは。十八歳から投票できる意義は−。 伊藤譲一さんは「選挙権年齢を引き下げたのは良いが、本当に若者を大切にするためなのか。政治家が十分に説明できてない」と疑問を口にした。十八歳選挙権は、改憲手続きを定めた国民投票法が二〇〇七年に成立した際、投票できる年齢を「十八歳以上」と定めたことがきっかけ。 伊藤さんは、「例えば政府が税金の使い道を若者に分かるように示すなど、さまざまな情報公開を引き下げの前提とすべきだ」と訴え「情報を隠すなら(十八歳選挙権も)政治利用をもくろんでいるかと思ってしまう」と懸念する。 渡辺由紀子さんは「結果的に若者が政治を考えるきっかけをつくったことは大きい」と指摘。安保法制の反対デモを企画した経験から「『選挙に行こう』とフライヤー(ビラ)を配ると、高校生が一番、受け取ってくれる」と、投票率アップに期待する。 一方、斎藤哲大(ひろき)さんは「周りで政治に関心ある学生は少ない」と実感を述べた。昨年からデモをする若者らに注目が集まるが「デモに肯定的な友人は少ない。過激そうに見え、学校で政治を話題にすると『浮いてしまう』ので加わりづらいのだろう」。藤本日向子(ひなこ)さんも「自分や周りも政治についてニュースで知るが、関心を持つ人は少ない」と話す。 司会の矢尾板俊平さんは、スウェーデンでは二十代でも投票率が高く、選挙期間中に高校の模擬投票で実際の候補者たちを選び、本物の選挙結果と比べている実例を紹介。「政治を話すのが当たり前の雰囲気で、社会に若者の意見をくみ取る仕組みがある」と説明した。 「そうした経験は自分の高校ではなかった」と斎藤さん。さらに、若者の投票率向上を目指すNPOで、同様の試みをある高校に提案したが、「学校側から『色がつく』と断られた」経験を明かした。 シニア世代は、これまで投票で社会が変わった実感があるのだろうか。 伊藤さんは、海外勤務時代を除き毎回、投票してきた。過去に細川(護熙)連立政権や民主党政権などによる政権交代も経験したが「国民を味方につけられず一時で終わった」と感じる。与野党とも次世代を見据えた政策に弱いことが不満で「このままでは、国の将来は壊れる」と危機感をあらわにした。 渡辺さんは「投票した人が落選しても、あきらめずに選挙に行き続け、周りと話すことで、次世代に自分の声をちゃんと聞いてくれる人が出てくる。そうした声が集まり、大きなうねりを起こすきっかけになるかもしれない」と、投票の意義を語る。 若者たちは、初めて投票する参院選にどう臨むか。 斎藤さんは「候補者の中身を見たい。候補者について仲間と調べ、まずは知ることから始めたい」。藤本さんも「実家から住民票を移してないので、不在者投票する。自分の一票の影響はそこまでないと思うけど、投票率は少し上がる。若い人に向けた政策も増えるはずで、まず投票することが大事」と話した。 (中山岳、服部利崇) ◇座談会出席者(敬称略)斎藤 哲大(19) 千葉大法政経学部2年 藤本日向子(19) 淑徳大コミュニティ政策学部2年 伊藤 譲一(65) 元外資系企業勤務 渡辺由紀子(65) 自然食品店経営 矢尾板俊平(37) 淑徳大コミュニティ政策学部准教授(総合政策論) PR情報
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