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 東京電力福島第一原発事故による放射性物質で汚染された指定廃棄物について、千葉市は28日、同市で保管する全量約7・7トンの指定を解除するよう環境省に申請した。申請は、2月に指定解除の手続きが公表されてから初めて。解除によって処分が進む期待がある一方、処分場建設が難しい状況に変わりはない。

 申請された指定廃棄物は、市内の清掃工場で保管中の焼却灰と水質浄化に使われるゼオライト。今月、放射性物質の再測定をした結果、いずれも国が定めた指定基準の1キロあたり8千ベクレルを下回っていた。事故から5年で放射性物質が減ったとみられる。

 申請について、丸川珠代環境相は「初めてのことなので、内容をしっかり確認する」と話した。千葉市は解除後、清掃工場で保管を続けながら今後の処分方法を検討するという。

 ただ、今回の申請の背景には、県ごとに1カ所ずつ処分場を作って指定廃棄物を集約するという環境省の方針への反発がある。