元しばき隊メンバー著『日本会議の研究』がベストセラーに

 安倍首相を後押しする右翼団体「日本会議」を隅々まで解剖した菅野完著『日本会議の研究』がベストセラーになっている。

 安倍内閣の主要閣僚19人のうち15人が、日本会議のメンバーだ。日本会議は1997年に生まれた。会員数は3万8000人。この中には、現役の国会議員も281人含まれている。

 右翼エリートが命令一下一糸乱れず動く組織、と思ったら大間違いだ。むしろ、地方に暮らす「愛国おじさん、おばさん」たちが自発的に結成した、一種の「草の根右翼運動」に近い-というのが著者の分析だ。これまで数多くの自民党総裁にラブコールを送ってきたが、日本会議の主張と積極的に共鳴してきたのは安倍首相が初めて。

 日本会議は、妊娠中絶や夫婦別姓に反対している。何かにつけて「美しい日本」「世界に一つだけの日本」を強調する。学校で家族の価値と宗教を教えるべきだと主張している。戦勝国の米国が刑罰のように押し付けた平和憲法を捨て、日本人の手で新たな憲法を作ろうと叫んでいる。著者は「彼らを一つに結び付けているのは『左翼が嫌い』というメンタリティー」と分析した。発刊直前、日本会議が出版社に対して「出版の中止」を要求した事実が知られたことで、さらに本が売れた。

東京=金秀恵(キム・スヘ)特派員
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